Microsoft Vivaとは?従業員体験向上を実現する機能をご紹介

更新日 : 2022年09月27日

2021年2月5日にマイクロソフト社は、従業員体験プラットフォーム「Microsoft Viva」を発表しました。

Microsoft Vivaとは、コミュニケーション、知識、学習、リソース、洞察を統合された体験として組み合わせ、人々やチームがどこにいても最善の結果を出せるよう支援する新たなソリューションです。

この記事では、従業員体験(Employee Experience、EX)が必要とされる背景やMicrosoft Vivaについてご紹介します。

目次

  1. 従業員体験が重要視される背景
  2. Microsoft Vivaとは
  3. Microsoft Vivaの各機能
    1. Vivaインサイト:生産性とウェルビーイング(幸福)
    2. Vivaラーニング:スキルアップと成長
    3. Vivaコネクション:企業文化とコミュニケーション
    4. Vivaトピック:企業文化とコミュニケーション
    5. Vivaゴール:目標と主要な結果(OKR)
    6. Vivaセールス:顧客関係管理(CRM)強化
    7. Vivaエンゲージ:つながり・コミュニティ
  4. Microsoft Vivaを利用するには
  5. まとめ

従業員体験が重要視される背景

従業員体験(Employee Experience、EX)とは、「従業員がその組織に所属することで得られる体験」を指します。具体的には、スキルアップや健康状態・満足度など、従業員が仕事や職場で経験できる全ての要素のことです。

なぜ従業員体験の向上が重要視されているのでしょうか。その背景として、下記の3つの要因が考えられます。

  1. 転職の一般化
    「転職は前向きな行動である」に肯定的な意見が7割弱。※1
  2. 労働力の減少
    少子高齢化により働き手が減少しており、2030年には644万人の労働力が不足すると予想。※2
  3. 情報の見える化
    インターネットの普及により、その企業で働いていた人の声を簡単に知れるようになった。

このような要因から、企業は優秀な人材の獲得や離職の抑制などを実現するためにも、従業員のニーズにアンテナを張る必要が出てきたのです。

とはいえ、従業員一人ひとりの思考性や特性にあった体験を提供し、従業員一人ひとりのモチベーションを上げその成長を支援することは、非常に手間のかかることです。こうした課題に対するソリューションの一つとして、今回はMicrosoft Vivaについてご紹介します。既にMicrosoft 365を導入済みの企業やこれから導入予定の企業は、導入を検討してみてはいかがでしょうか。

※1:株式会社マイナビ「転職動向調査2022年版(2022年1月調査)」から引用

※2:パーソル総合研究所「労働市場の未来推計 2030」を参考

Microsoft Vivaとは

Microsoft Vivaとはマイクロソフト社が提供する従業員体験プラットフォームで、具体的には下記7つの機能を提供します。(一部プレビュー版も含みます)

  1. Vivaインサイト:生産性とウェルビーイング(幸福)
  2. Vivaラーニング:スキルアップと成長
  3. Vivaコネクション:企業文化とコミュニケーション
  4. Vivaトピック:知識と専門性
  5. Vivaゴール:目標と主要な結果(OKR)
  6. Vivaセールス:顧客関係管理(CRM)強化
  7. Vivaエンゲージ:つながり・コミュニティ

これらの機能がMicrosoft Teamsのアプリケーションとして利用でき、Microsoft 365のアプリケーションとの連携もあるため、従業員は普段どおり業務を行う中でさまざまな価値を得られます。次の章では、各機能についてご紹介します。

Microsoft Vivaの各機能

1.Vivaインサイト(旧Workplace Analytics)

Vivaインサイトは、テレワークで希薄になりやすい同僚とのつながりを強化したり、定期的な休憩を取りやすくなったり、仕事へ集中できる時間を確保できるになったりなど、生産性とウェルビーイングの向上を支援します。

基本機能としてはパーソナルインサイト(個人用)とはなりますが、追加でアドオンライセンスを購入することで、管理職向け・経営層向けの機能も提供されます。

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VivaインサイトはMicrosoft Teamsのアプリケーションとして追加でき、このような画面が表示されます。

Vivaインサイトでは、主に下記の機能が提供されています。

  • 自分自身の感情を記録する機能
  • 同僚へ感謝の気持ちを伝える「称賛を送る」機能
  • 気持ちの切り替えに役立てられる「休憩を取る」機能
  • 集中力が途切れないよう一定期間チャットをミュートにする「時間の確保(フォーカス)」機能
  • Microsoft To Doと連携し、登録したタスクも表示

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今の心身状況に近い顔文字をクリックするだけ、自分自身の感情を簡単に記録できます。これを継続することで、見逃しがちな自分の不調に気付くなど心身の健康管理にも役立てられます。

入力した個人的な情報は上司や同僚に公開されません。後述のマネージャーインサイトやリーダーインサイトでの表示結果は、集約化・匿名化されたデータから生成されます。

アドオンライセンスで利用できる機能
マネージャーインサイト(管理職向け)
  • チーム全体の働き方を可視化し、従業員一人ひとりが健康でチームとしてさらにパフォーマンスを発揮できるような改善に役立てられます。
  • 具体的には、会議に多くの時間を割かれているチームメンバーの割合や、メール対応に多くの時間を割いている人の割合、定時を過ぎた業務を行っている割合などの情報が得られます。
リーダーインサイト(経営層向け)
  • 経営層向けに組織全体の情報を収集・分析できます。
  • 具体的には、組織全体のワークライフバランスや、効果的に時間を使えているかどうか、会議の割合などが表示できます。

2.Vivaラーニング

Vivaラーニングは、研修で利用する社内外の学習コンテンツを一元的に集約し、学習の組織文化を醸成できます。Microsoft TeamsのアプリケーションとしてVivaラーニングは登録でき、従業員はスムーズに各学習コンテンツへアクセスできるようになります。

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これは、Microsoft TeamsからVivaラーニングへアクセスした際の画面です。この画面では、標準で利用できるコンテンツだけが表示されていますが、Vivaラーニングは学習管理システム(LMS)とも連携できます。

すでに利用している学習管理システムと連携することで、従業員が学習しやすくなります。(連携可能な製品はマイクロソフト社Webサイトでご確認ください。

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Vivaラーニングのメリットとしては主に4つ挙げられます。

  1. Microsoft Teamsのチャットから教育コンテンツを検索でき、簡単に学習コンテンツへアクセスできる
  2. 従業員一人ひとりに適切なコンテンツを表示できる
  3. 従業員の空き時間を検索し、学習時間を確保できる
  4. マネージャーは研修コースを従業員に割り当て、履修状態を管理できる

学習のための時間を確保、トピックに関連する学習、Vivaコネクションに学習コンテンツを表示するためにはアドオンライセンス(Microsoft Viva Promo)が必要です。

3.Vivaコネクション

Vivaコネクションは、企業のSharePointサイトをMicrosoft Teamsからアクセスできるようにし、従業員一人ひとりが企業の情報を確認しやすくします。

具体的には、社内のニュースやルール変更に関するお知らせ、福利厚生など必要な情報にアクセスしたり、Yammerとの統合によって社内コミュニティに参加したりできます。

4.Vivaトピック

Vivaトピックは、AIを使用して社内の情報を自動的に整理・まとめる機能です。

社内で利用されている専門用語のトピックのページが自動生成され、Microsoft Teamsで専門用語が使われても、すぐに用語の説明を確認できるようになります。

2022年8月時点では英語のみサポートしており、日本語のサポート予定は未定です。マイクロソフト社Webサイトで実際の動作を動画でご覧いただけますので、ぜひご覧ください。

5.Vivaゴール

Vivaゴールは、組織の戦略的優先事項にチームの方向性を結び付け従業員と目的をつなぎ、全員が最重要ゴールに専心できるようにする目標調整ソリューションです。

OKR(Objectives and Key Results(目標と主な成果))を新規作成するかテンプレートを利用して成功を定義でき、プロジェクトやタスクをOKRに関連付け進捗を共有できます。

またMicrosoft Teamsとも連携できるので、ゴールに関するコミュニケーションやメッセージ機能がチャットで利用できます。

6.Vivaセールス

Vivaセールスは、OutlookやMicrosoft TeamsなどのデータをDynamics 365や任意のCRMシステムへ自動入力することで、営業負荷の軽減や社会コラボレーションを実現するソリューションです。

7.Vivaエンゲージ

Vivaエンゲージはマイクロソフト社が提供するSNSであるYammerを基盤として開発された社内コミュニティツールで、組織全体のエンゲージを強化します。

Microsoft Vivaを利用するには

Microsoft Vivaを利用するためには、下記いずれかのプランの契約が前提条件です。

Microsoft 365の各プランについては「Microsoft 365とは?メリットとプラン」で解説しています。

  • Microsoft 365 F1、F3、E3、A3、E5、A5
  • Office 365 F3、E1、A1、E3、A3、E5、A5
  • Microsoft 365 Business Basic、Business Standard、Business Premium
  • SharePoint K、Plan 1、Plan 2
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機能ごとのライセンス条件は下記の通りです。詳しくはMicrosoft公式ウェブサイト「Microsoft Vivaのプランと価格」をご覧ください。

  1. Vivaインサイト
    • パーソナルインサイトは、Microsoft 365ユーザーであれば利用できます。
    • プレミアムパーソナルインサイト・マネージャーインサイト・リーダーインサイト・高度なインサイトは、Vivaインサイトのライセンスが必要です。
  2. Vivaラーニング
    • パートナーコンテンツとラーニング管理システムにアクセスするユーザー、またはコンテンツを推奨して修了状況を確認する必要があるユーザーはライセンスが必要です。
  3. Vivaトピック
    • トピック カード、トピック ページ、トピック センターなどVivaトピックの機能が活用されているものを閲覧・アクセス・キュレーションするユーザーはライセンスが必要です。
  4. Vivaコネクション
    • Vivaコネクションは、Microsoft 365かOffice 365エンタープライズプランのユーザー全員が利用できます。
  5. Vivaゴール
    • 単体ライセンスまたはMicrosoft Viva Suiteが必要です。

まとめ

本コラムでは、Microsoft Vivaについてご紹介しました。優秀な人材の確保や離職防止や従業員一人ひとりの生産性向上を実現するには、従業員体験の向上が必要不可欠です。

現時点で日本語対応が未定の機能があるものの、Microsoft 365を利用している組織は利用を検討してみてはいかがでしょうか。

Microsoft TeamsやShare Pointとの連携など導入・設定に関して構築会社をお探しであれば、JBサービス株式会社までお気軽にご相談ください。

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よくある質問
Microsoft Vivaとは?

マイクロソフト社が提供する従業員体験プラットフォームで、生産性・ウェルビーイングの向上やスキルアップやコミュニケーションなどの機能を提供します。詳しくはこちらをご覧ください。

Microsoft Vivaを利用するには?

Microsoft Vivaを利用するためには、指定のMicrosoft 365プランの契約が前提条件です。詳しくはこちらをご覧ください。

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