警備ロボットの運用サポートでスタッフの負担軽減と顧客対応の質の改善を実現

SEQSENSE株式会社 サービス運用責任者 佐伯 純様とSQ-2

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お客様:SEQSENSE株式会社

事業内容:自律移動型ロボット及びその関連製品の開発・製造・サービスの提供など

会社HP:https://www.seqsense.com/

ご協力:SEQSENSE株式会社 サービス運用責任者 佐伯 純様

深刻化する働き手不足の解決策として、自律移動型ロボットの開発やサービスを提供しているSEQSENSE株式会社様。同社では、顧客からの問い合わせ対応のリソース不足解消のため、2024年5月よりJBサービスが提供する「コールセンター受付代行サービス」を導入しました。そこで本記事では、サービス運用責任者・佐伯純氏にインタビューを実施。自社で抱えていた課題や、その解決のためにJBサービスを選んだ理由、具体的に得られた成果についてお話をうかがいました。

警備業界に革新をもたらしたロボットの開発秘話

──まず、SEQSENSE株式会社様の事業内容についてお教えください。

佐伯氏:

弊社では、主にビルの警備や施設管理、巡回などを行う自律移動型ロボットの製造及びサービスを提供しています。また、サービス提供のため、ロボットを活用した巡回や監視業務を効率よく行えるようにするアプリケーションやシステムの開発も自社で行っています。

2016年に設立した弊社ですが、JAXAの「はやぶさ/はやぶさ2」のプロジェクトメンバーでもある黒田洋司先生に共同創業者として参画いただくという機会を得られました。以降、黒田先生のご協力のもと、とくに人間の近くで役立つロボットの開発に注力してきました。

ロボットのプロトタイプは2017〜2018年頃に完成し、2019年8月には三菱地所様が所有するオフィスビルにて、最初の1台が稼働を開始しました。現在は『SQ-2』というロボットを中心にサービスを提供していますが、新型の『SQ-2Mk3』も完成し、全国各地の警備現場で、年内には100台程度まで稼働数を増やすことを目標にしています。

──貴社が提供する「自律移動型警備ロボット」について教えてください。

佐伯氏:

弊社が開発した「自律移動型警備ロボット」は、あらかじめ設定した巡回地点を自律的に巡回しながら、人間に代わって各種設備の監視や点検業務などを行ってくれます。360度を捉えるカメラも搭載されており、監視室ではリアルタイムで巡回の様子を確認することができます。

また、エレベーターと連動して複数のフロアを巡回できることも大きな特徴です。多くの人が行き交う場所を巡回できるロボットは日本ではまだ珍しく、それが当たり前のレベルで実現できていることは弊社の強みでもあります。

──ロボットを開発するにあたり、苦労した点をお聞かせください。

佐伯氏:

私は創業以来ロボットの開発に携わってきましたが、当初、人間の動作や作業を支援する「サービスロボット」の成功事例はほぼなかったと記憶しています。ただ、とくに警備業界における人手不足や高齢化の問題は把握しており、周囲から要望や意見をいただく機会がたくさんありました。

サービスロボットの事例が少ない中で市場を開拓し、設計から開発までを一貫して行わなければならなかったため、最初は非常に苦労しました。また、ロボットのレベル感と、開発にかけられる費用と、求めたい性能のバランスを考慮することも非常に難しかったです。スタートアップ企業として、まさに手探りで事業を構築していったという感じでした。

SQ-2

急成長企業が直面した人材リソースの壁

──ロボットが完成し、いざお客様にサービスを提供していく流れになって、どのような課題が出てきましたか?

佐伯氏:

おかげさまで、ロボットの提供台数が徐々に増えてきました。当時、ロボットの保守点検に関する一次受付は自社で対応していましたが、休日の問い合わせが多くなってきてしまい、このまま事業が拡大していくと人的リソースが足りなくなるのではと思い始めました。

これはスタートアップ企業特有の悩みだと思うのですが、最初は少人数のスタッフで乗り越えられても、気づくと1人ひとりの業務配分が大きくなっていきます。

もちろんスタッフの増員も検討しましたが、リソースの適切な配分を考えたときに、自社製品のアップデートや改善につながる人材は育てたい一方で、お客様サポートなどの継続的な運用はアウトソーシングするほうがよいと判断しました。

──それで、アウトソーシング先を探し始めたのですね。最初は5社候補があったそうですが、最終的になぜJBサービスを選んだのでしょうか?

佐伯氏:

最初は5社くらいを候補に挙げてそれぞれのお話をうかがいつつ、サービスの内容を比較検討していました。そんな中であるとき、弊社の問い合わせ窓口にJBサービスさんからメールが届きました。確か協業に関するご提案をいただいたかと記憶していますが、それに私が興味を持って一度面談をお願いすることにしました。

そこで実際にお話をうかがうと、レストランでのサービスロボットの取り扱い経験があると聞き、ますます興味が湧きました。我々と同じようにロボットを扱っている会社なら、その特性をよく理解してくれるだろうと期待をしました。実際に対応いただいているエンジニアや営業の方々ともに、ロボットやITへの対応実績が豊富だとうかがっています。そこで2024年5月から、まずは土日祝日限定でコールセンターの受付代行サービス(障害対応窓口)をお願いすることにしました。

コールセンター代行導入で、顧客満足度が大幅に向上

──「コールセンター受付代行サービス」を導入して3カ月ほど経ちましたが、どのような変化を感じていますか?

佐伯氏:

やはり、問い合わせ業務にあたる人員を調整する必要がなくなったのが一番大きいです。これまでは当番制のような形で、スタッフ全員に業務が回る仕組みをつくっていました。ただ、スタッフによってお客様への対応の差が生まれたり、エンジニアに趣旨がうまく伝わらなかったりと、業務改善の必要性を感じていました。

ですが、JBサービスさんに「コールセンター受付代行サービス」をお願いするようになってからは仕組みそのものが変わりました。とくに、お客様への対応の質が向上したことは大きな収穫でした。エンジニアとのコミュニケーションもスムーズにいくようになり、いろいろな部分に生じていた"ムラ"が一気に解消したと感じています。

また、弊社で保守対応をしていた際は、休日に問い合わせがあるかどうか分からない中で、電話が鳴れば即座に対応しなければなりませんでした。そのような条件下では、スタッフの負担も大きくなってしまいます。とくに事業の根幹を担うエンジニアたちが、サポート業務に時間を割かれるのはよくないと感じていました。JBサービスさんに今お願いしているサービスは、訓練を積んだ方々が電話対応をしてくださるので安心して任せられますし、自社の課題が早々に解決し、本当に助かっています。

SEQSENSE佐伯様

──JBサービスに業務を委託したことで、お客様の反応も変わってきたのでしょうか?

佐伯氏:

そうですね。やはり、電話対応に慣れないスタッフが対応すると、苦手な雰囲気や慌てている様子などがお客様にも伝わっていたと思います。とくに弊社は技術者として働いているエンジニアが多く、また問い合わせの受付を担当していたスタッフにも、ITやロボットのようなものを扱った経験が少ない人がいたため、このような対応が得意というわけではありませんでした。そこはJBサービスさんのようなプロに頼んだほうが、経験値も圧倒的に高く、経験の浅い弊社スタッフがサポート対応するより、顧客の満足度は上がっていると思います。

また最近では、土日祝日だけでなく平日も対応をお願いすることになりました。これにより、弊社スタッフがお客様からの電話を受ける必要がなくなりました。問い合わせ内容は自社で管理しているチャットツールで確認しできる仕組みにしているので、スタッフが既存のフローの中で対応することができるようになりました。結果業務に集中して取り組める環境になったことを嬉しく思っています。

──反対に、JBサービスに業務を委託する際に苦労した点などはありますか?

佐伯氏:

苦労というより試行錯誤している段階ではあるのですが、こちらで用意したマニュアルでカバーしきれているのかどうか、不足していないかどうかを気にしています。機能の追加やそれに伴うマニュアルの改訂が多いため、もっと分かりやすくするにはどうすればよいのかを常に考えています。今後より対応いただく領域を増やすためにも、しばらくは相談しながら進めていきたいと思います。

リモートだけでなく、オンサイト保守サービスにも期待

──今後、JBサービスに期待していることはありますか?

佐伯氏:

現在JBサービスさんにお任せしているのは、我々が抱える業務の一部です。まだ始まったばかりですし、最初から全部をお願いするのは物理的にも難しいと思います。ただ今後は、委託する業務の範囲を広げていきたいと考えています。

例えば、問い合わせやトラブルなどがあったときにロボットの状態確認や操作ができるツールがあるのですが、今は社内の者でないと使えない仕様になっています。それらを利用したお客様対応の部分は、弊社にご連絡をいただかなくても対応が完結する形に出来ればと考えています。そうすると社内のエンジニアも業務に集中でき、お客様としても一度の問い合わせで済み、ロボットもすぐに使える状態になるので、より良い形になると思います。さらに、ゆくゆくは弊社のロボットも操作していただいて、お客様が困らないレベルで動かせるところまでお願いしたいと思っています。

SEQSENSE佐伯様

──それは現地での対応も含めてということでしょうか?

佐伯氏:

そうですね。最終的には「初期設定のロボットを提供する」ところから、不具合が発生した場合の交換など一連の業務を全てお任せできるのが理想です。

その前段階として、まずは遠隔での復旧操作からご対応をお願いしたいと考えています。例えば、リモートでロボットを再起動したり、エレベーターに乗れなかったときに乗車操作をリセットするなど、非常に細かいことではありますが、ロボットやITに強く、全国展開もされているJBサービスさんなら柔軟に対応していただけると期待しています。

──最後に、貴社の今後の展望がありましたら教えてください。

佐伯氏:

現在はロボットも機体のバリエーションが増えています。屋内専用のもの、屋外対応も可能なもの、電光掲示板付きのものなど、実にさまざまな種類が展開されるようになりました。今後は、これらの機体バリエーションに合わせて、お客様への使い方の提案も含めてさらに充実させていく予定です。

我々の製品開発サイクルは、他社と比べると比較的速いほうだと思っています。機能の追加や操作手順の改訂などの頻度も高いですから、それにともなってJBサービスさんにも柔軟な対応を求めていくことになると思っています。まだお互い手探りの状態ではありますが、今後もより強固なパートナーシップを築いていきたいです。

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