
お客様:A社様
事業内容:医療・衛生分野関連製品の開発、製造、販売
話者:JBサービス株式会社 サービス事業部 松内 由隆
事例の背景
医療・衛生分野関連製品の開発、製造、販売を行うA社様では、主に小売店や飲食店などに向けに提供しているIoT温湿度計において、電池交換作業に伴う業務負荷の増大への対応が大きな課題となっていました。
関連会社や外部企業への相談、見積依頼も行われていましたが、業務内容や進め方の面で折り合いがつかず、パートナー選定が進まない状況が続いていた中で、JBサービスへご相談をいただくことになりました。
本記事では、A社様へのサービス提供窓口として調整・対応を行ってきたJBサービス担当の松内が、A社様が抱えていた課題と、その解決に至るまでのプロセスについて紹介します。
ケース概要

A社様からJBサービスの豊洲ソリューションセンターに製品が納品され、納品後は製品の電源投入・動作確認を行ったうえで、データ収集機とのペアリングを実施し、出荷しています。これにより、これまでA社様の社員が対応していた実務負担が軽減され、サービス品質を維持したまま製品販売が可能となりました。その結果、A社様では本来注力すべき営業サポートなどの業務に、より多くの時間を割けるようになっています。
JBサービスならではのポイント
- 業務を整理・標準化したうえで引き受け、属人化を防ぐ進め方
- 「できる・できない」を明確にし、検討を実行につなげた点
- トラブルが起きた際も、原因を振り返り改善につなげてきた姿勢
インタビュー内容
―A社様の当時の課題や背景はどのようなものだったのでしょうか?
松内:A社様で当時大きな課題となっていたのは、電池交換業務を中心とした実務負荷が急激に増大していた点だったと伺っています。事業開始から数年が経過し、大口顧客が導入から2~3年目を迎える中で、電池交換のタイミングが一斉に重なり、想定を大きく上回る対応量が発生していたそうです。営業部門側から相談が持ち込まれ、社内で検討が始まったことが、最初にご相談をいただくきっかけでした。
当初は内製で対応し続ける前提だったものの、売上が伸びるほど現場の負担も増え、最終的には支店総出で対応せざるを得ない状況に陥っていたと聞いています。営業部門だけでなく、事業推進を担うチーム側でも余裕がなくなり、本来注力すべき企画や改善の業務が後回しになっていたとのことです。このままでは事業を安定して回し続けるのが難しくなるのではないか、という危機感があったようです。
―課題解決に向けて、A社様ではどのような解決策を検討されたのでしょうか?
松内:まず検討されたのは、これまで通り内製で対応を続けるという選択肢だったそうです。ただ、売上が伸びるほど現場の負荷が増え、支店の応援を前提にしないと回らない状況が続いていたため、内製前提では限界があるという認識に至ったと伺っています。
次に、関連会社やグループ会社への委託も検討されましたが、業務内容の共有や調整が思うように進まず、実行には至らなかったそうです。また、他の外部企業にも相見積もりを取られましたが、コストや実現性、対応スピードの面で決定打に欠ける状況だったと聞いています。
そうした検討を踏まえ、業務を整理・標準化したうえで外部に委託するという方向性が、最も現実的だと判断されたようです。
―JBサービスからはどのような提案をしましたか。
松内:JBサービスからは、全国に展開したIoTセンサーのオンサイト作業の実務オペレーションを「業務」として引き受けるという提案を行いました。年数や台数の見通しが立つ業務だったため、標準化すれば安定して対応できるという前提のもと、社内で抱え続けるよりも切り出した方が現実的だという考え方でした。
また、キッティングや出荷前作業まで含めて一連の流れをまとめて対応できること、将来的には業務範囲を段階的に広げられる点も魅力だったと伺いました。見積や判断も比較的スピーディで、「できる・できない」が明確だったことから、検討にとどまらず実行に移せる現実的な提案だと感じていただけたそうです。
―A社様がパートナー選定にあたり、重視されたポイントは何でしたか。
松内:A社様が最も重視されていたのは、「検討で終わらず、実務として本当に回せるか」という実行可能性だったと伺っています。これまでにも関連会社や他の外部企業を検討したものの、見積が出てこなかったり、調整が長引いたりと、「できるのかどうか」が最後まで見えないケースが多かったため、「できそう」ではなく「できると判断できるか」を重要な判断軸としていたそうです。
また、単に人手を出すのではなく、業務内容を正しく理解し、属人的になっている作業や"コツ"を言語化・標準化できるかどうかも重視されていました。マニュアルが整っていない状態で委託すると手戻りが起きやすいため、業務整理まで含めて対応できるパートナーであることが重要だったとのことです。
加えて、業務量の増減や不確実性に柔軟に対応できる体制があるか、トラブルが起きた際に原因を一緒に振り返り、改善まで並走してくれる姿勢があるかどうかも判断材料でした。将来的な業務範囲の拡張も見据え、「長期的に安心して任せられ、一緒に成長できるパートナーかどうか」を総合的に見て選定されたと伺っています。
―最終的にA社様がJBサービスを選ばれた決め手はなんだったのでしょうか?
松内:電池交換業務の相談をした段階から、「この会社ならできそうだ」、「具体的に話が進みそうだ」という感触があったとご評価いただけました。
また、A社様側でも業務がある程度整理されていたことが、立ち上げを後押ししました。マニュアルが整備されていており、現場で培った"コツ"を言語化できていました。業務を丸投げするのではなく、お互いに理解した上で役割分担できたことが、スムーズな移行につながりました。
―これまで自社で行っていた業務をアウトソーシングするにあたり、不安や課題、苦労された点はありましたか。
松内:正直に言うと、不安や課題は多くあったと伺っています。特に大きかったのは、業務が長年の経験に基づくノウハウに支えられており、外部に正しく伝えられるのかという点だったそうです。マニュアルに書ききれない"コツ"も多く、そのまま委託すると手戻りが起きるのではないかという懸念があったとのことでした。
また、品質面への不安もあったそうです。これまで自社で対応してきた業務を外に任せることで、品質が落ちないか、細かな判断が必要な場面でも適切に対応してもらえるのか、トラブルが起きた際にきちんと対処してもらえるのかといった点は、最後まで気にされていたと伺っています。
実際の立ち上げ段階では、業務内容の説明や手順・判断基準のすり合わせ、マニュアル作成など、初期の調整にも一定の工数がかかったそうです。加えて、出荷業務は月ごとの波が大きいため、繁忙期にきちんと対応してもらえるかという点も現実的な課題でした。
もう一つ苦労された点として、社内側の意識の切り替えも挙げられていました。これまで当たり前のように自分たちで対応してきた業務を「任せる」立場になるまでには、時間が必要だったそうです。ただ、こうした不安や課題を一つずつ整理し、調整しながら進めていったことで、徐々にアウトソーシングの形が定着していったと伺っています。
―導入後、どのような効果や変化があったのでしょうか?
松内:一つ目は、対応スピードと処理量の向上です。事業開始当初は年間2,000台程度だった出荷量が、現在では年間4,000〜5,000台規模まで対応可能となりました。この変化は営業力の強化というより、「対応体制が整ったことでチャンスを逃さなくなった」という変化が大きいと感じていらっしゃいました。対応スピードの向上で顧客を待たせることが減り、顧客満足度の向上にもつながったそうです。出荷量が増加しても現場が疲弊せず、「売れれば売れるほど苦しくなる」状態から抜け出せたことは、非常に大きな改善だったと伺っています。
2つ目は、業務をアウトソースしたことでチームの残業時間が減った点です。業務負荷が均等になり、働き方も改善しました。オンサイト作業や出荷などのルーチン業務から解放され、事業推進や企画など本来取り組むべき業務に集中できるようになっています。
―導入前後で、A社様内での評価や現場の反応に変化はありましたか。
松内:導入前は、社内には慎重な見方もあったと伺っています。本当に費用対効果が出るのか、これまで内製でやってきた業務を外に出して大丈夫なのか、といった声があり、特に出荷のような"見えにくい業務"については、効果を説明しづらい部分もあったそうです。
一方で、導入後は評価が大きく変わりました。出荷台数が明確に増え、業務も滞ることなくスムーズに回るようになったことで、「きちんと成果が出ている」「このやり方は意味があった」という認識が社内に広がっていったと伺っています。年間2,000台も出せなかった時期から、4,000〜5,000台規模まで対応できるようになったことは、社内でも非常に分かりやすい成果だったそうです。
現場の反応も前向きでした。残業が減り、繁忙期でも「何とかなる」という安心感が生まれ、無理に人を集めて対応する必要がなくなりました。「売れれば売れるほど苦しくなる」状態ではなくなったことは、現場にとって大きな変化だったと伺っています。
結果として、費用対効果について厳しく見られていたアウトソーシングが、導入後は「事業を支える基盤」「ないと回らない仕組み」として評価されるようになったと感じていらっしゃいました。
―今後、A社様からJBサービスに期待することや要望はあったのでしょうか。
松内:今後については、現在お願いしている業務範囲にとどまらず、より上流から下流まで一貫して任せられる体制に広がっていくことを期待されていると伺っています。キッティングだけでなく、出荷前工程全体や、場合によっては拠点・支店への対応まで含めて、「最初から最後まで」まとめてお願いできる形になると、さらに助かるとのことでした。
また、リファービッシュ(再生・再利用)といった新しい取り組みについても、まだ十分に活用しきれていない部分があるため、今後は業務としてどう回していくか、どう展開していくかを一緒に形にしていけると嬉しい、というお話もありました。
今後、新しい製品や取り組みが出てきた際にも、柔軟に相談できる相手であってほしい、というお話がありました。これまでと同様に、トラブルが起きた際には原因を振り返り、改善につなげていく関係であり続けたい、という期待が語られていました。
JBサービスとしても、単なる外注先ではなく、事業が伸びたときや新しい取り組みが始まったときにも安心して相談できる、長期的なパートナーであり続けるよう頑張っていきたいと思います。