Azure AI Foundryとは?企業のAI活用を支える仕組みとPoC止まりを脱却するポイント

AIの活用イメージ

企業の生成AI導入・運用に伴う課題の解決策として注目されているのが、「Azure AI Foundry」です。Azure AI Foundryは、AIのライフサイクル全体を支える強力なプラットフォームとして機能します。この記事では、AI導入・運用の課題や、Azure AI Foundryの主要機能・特徴についてご紹介します。

Microsoftが提供する「Azure AI Foundry」とは?

Azure AI Foundryは、Microsoftが提供するAI開発・運用のための統合プラットフォームです。Microsoft が提供する複数のAI関連サービスを一元管理でき、企業内AIアプリ開発、生成AI活用、データ分析、意思決定支援などに活用できます。

Azure AI Foundryは、企業のAI活用を包括的に支援するために設計されています。では、なぜこのような「統合プラットフォーム」が必要とされているのでしょうか。

その背景には、多くの企業が陥っている「PoC止まり」という深刻な課題があります。AI導入のハードルがどこにあるのか、まずは現状の課題から紐解いていきましょう。

なぜAI導入は「PoC止まり」になるのか?

会議しているビジネスマン

総務省の情報通信白書によると、生成AIを「積極的に活用する」もしくは「活用する領域を限定して利用する」と定めている企業の割合が、2024年度の調査では49.7%に達しました。これは2023年度の調査(42.7%)と比べて増加しています。しかし、今回の調査で他の国と比較した場合、日本の割合は依然として他国より低い傾向にあります。

このような情勢のなか、生成AI導入の第一歩として企業が取り組んでいるのが、PoC(Proof of Concept:概念実証)です。PoCとは、新しいアイデアやビジネスなどにおける実現可能性、期待される効果などを検証する取り組みです。PoCの結果をもとに、実際の導入フェーズへ進めていくことになります。しかし生成AIの導入においては、PoCの結果が良好であるにもかかわらず、実際には本格的な導入や事業化に進められない、いわゆる「PoC止まり」が起こりえます。AI導入・運用のハードルはどのようなシーンで高くなるのでしょうか。

AI導入・運用の課題1:モデル構築と社内データ整備の難しさ

生成AIの導入にあたっては、どのAIモデルを選定すべきか、既存のシステムにどのように組み込むかの判断が難しい点が課題となります。加えて、社内データの品質や安全性を維持することも欠かせません。生成AIの出力精度は、学習に用いるデータの質と量に左右されます。高品質なデータが十分に整っていない場合、期待した成果を得ることは難しくなるでしょう。データによっては、生成AIで利用するための加工が必要となる場合があり、期待通りの成果を得られない可能性があります。

AI導入・運用の課題2:セキュリティ・情報漏えい対策への不安

生成AIの活用にあたっては、セキュリティやコンプライアンス面でのリスクにも注意が必要です。生成AIに機密情報を入力した場合、それらのデータが外部に漏えいする可能性があります。学習データや入力内容に個人情報のように機密性の高い情報が含まれていた場合、情報漏えいによって企業の信用が損なわれたり、法的責任を問われたりする可能性があります。

また生成AIの利用によって、著作権侵害などの法律違反が生じるリスクがあることは否めません。こうしたリスクが顕在化すれば、顧客や取引先からの信頼低下につながるでしょう。生成AIを安全に活用するには、セキュリティ対策や法律の知識を十分に踏まえて運用しなければなりません。

AI導入・運用の課題3:専門知識を有する人員の不足

導入、開発、運用のいずれのフェーズにも、AIとセキュリティの専門知識を持つ人材の確保が重要です。従業員を育成する方法としては、AIや機械学習、セキュリティに関する専門的な講習・トレーニングの受講が挙げられます。もしくはITベンダー・AIベンダーやコンサルティング会社、研究機関と連携あるいは外部委託を行うことで、専門知識を有する人員を確保できるでしょう。

Azure AI Foundryの主要機能と特徴

AIインテグレーションのイメージ

MicrosoftのAI製品は、「責任あるAI」を前提として公平性、信頼性と安全性、プライバシーとセキュリティなど6つの原則に基づき実装されています。Azure AI Foundryにおいても、「責任あるAI」を遵守して、下記の機能を備えています。

※AIは万能ではなく、人による判断は欠かせないことにご注意ください。

統合プラットフォーム機能でモデル選定~実装まで一元化

Azure AI Foundryで、Azure上で統合的にモデル選定・評価・実装を行えます。

モデルカタログには、各種OpenAIモデルや、他社が提供するAIモデルを備えています。主なAIモデルはAzure OpenAI、Meta、NVIDIA、Hugging Face、DeepSeek、MicrosoftによるPhiなどです。「コストパフォーマンスが高い」「適切なスペック」など、用途に応じて複数のモデルを比較・検証しながら、要件にマッチした選定ができます。

またモデルの評価機能に加え、ガバナンスに関するツールが標準で備わっており、生成AIの出力内容のモニタリングやリスク管理を行うことが可能です。

さらにMicrosoft製品との親和性が高く、既存の業務環境に組み込みやすいこともメリットとなります。Azure OpenAI Service、Azure Machine Learning、検索サービスのAzure AI Searchなど、AI関連サービスを横断的に活用しやすくなります。

ノーコード・ローコード開発・モニタリング機能で運用が容易に

Azure AI Foundry に統合されているAzure AI Foundry Agent Serviceを利用して、コードを書かない、もしくは少量のコーディングでプロトタイプを迅速に構築することが可能です。

またプロンプトフローというツールを使えば、複数のプロンプトやデータ処理を視覚的に組み合わせて実行可能な命令セットとし、設計・実行ができます。

生成AIアプリケーションの利用状況や出力の傾向、コストなどを監視するためのモニタリング機能も提供されています。品質・安全性・パフォーマンスに関する分析情報を継続的に評価することにより、アプリケーションの精度や費用対効果、パフォーマンスチューニングと改善につなげることが可能です。

企業利用に必須のセキュリティ・内部統制対応

Azure AI Foundryはアクセス制御や資格情報の保護、ネットワーク通信の分離、接続されたリソース全体の可視性維持といった複数の対策による保護が推奨されています。

また内部統制対応の一環として、AIの意思決定プロセスやリスクを可視化することで、社内ガイドラインに沿ってAIを利用できているかを確認できます。

Azure AI Foundryの活用はJBサービスへ

Azure AI Foundry の導入・活用で業務の効率化や新たなビジネスの創出が可能です。ただし既存システムとの連携や学習データの構築、最終的な意思決定や内容の精査など、人の手で行うべき場面は多くあります。そのためには専門的知見を持ったエンジニアが不可欠です。

Azure AI Foundryの導入支援または運用支援会社をお探しであればJBサービスまでお問い合わせください。JBサービスではMicrosoft製品のPoCや導入から運用まで経験豊富なエンジニアがサポートします。

これまでの導入運用実績は下記をご覧ください。

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