サポート終了後もWindows 10を安全に使い続ける方法とは?
更新日 : 2025年01月28日
2025年10月14日にサポートが終了するWindows 10について、Windows 11への移行準備は順調に進んでいますか。各企業の状況によってはサポート終了日までに移行が間に合わないケースも考えられますが、Windows 11への移行が遅れるとさまざまなリスクが発生する可能性があります。
本記事では、Windows 10のサポート終了までに移行が完了しなかった場合の影響、移行が遅延する要因、並びにサポート終了後もWindows 10を継続して使用する方法についてご紹介します。まだWindows 11への移行を完了していない企業のシステムご担当者様は、ぜひご覧ください。
サポート終了後にWindows 10を使い続けるリスク
Windows 10に限らず、サポート終了後の製品を使用し続けるリスクは大きく3点あります。
1.業務への支障
一部のデバイスには、Windows 10のサポート終了に関する通知が表示されることがあり、それによりユーザーが不便を感じる場合があります。またサポート終了後は、機能更新プログラムおよび新機能、品質更新プログラム(セキュリティおよび信頼性の修正を含む)の提供が停止されます。それに伴い、サポート終了後のOSは多くのアプリケーションのサポートが終了することが考えられます。このため、業務上利用していたアプリケーションが使用できなくなる可能性があります。さらに、テクニカルサポートも提供されなくなるため、将来発生しうる不具合に対して、技術的なサポートを受けられません。
これらの要因から、サポート終了後にWindows 10を使い続けることで、社員一人ひとりの生産性の低下が懸念されます。
2.取引先からの信頼が低下
取引先によっては、サポートが終了したOSを使用している企業をセキュリティ意識の低い企業とみなす可能性があります。また、セキュリティ対策が不十分な企業を経由したサプライチェーン攻撃などのサイバー攻撃も考えられることから、取引に影響が出る恐れもあります。
3.サイバー攻撃の被害にあうリスクが高まる
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サポートが終了したOSでは、新たな脆弱性や不具合が発見された場合でも、Microsoft社からセキュリティ更新プログラムは発行されません。新たな脆弱性が発見されても対処ができないため、その脆弱性を狙ったサイバー攻撃の被害を受ける可能性が高まります。脆弱性を放置することは重大なセキュリティリスクを伴うため、別途脆弱性対策が必要になります。 |
Windows 11への移行が遅れる理由
上記のような観点からサポート期限内の移行が求められる一方で、さまざまな理由により移行が難航するケースもあります。その一例をご紹介します。
1.Windows 10など過去のバージョンでしか動作しないシステムがある
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Windows 11はWindows 10と高い互換性を有しており、Microsoft社はWindows 10対応のアプリケーションのうち99.7%以上がWindows 11上でも正常に動作することを発表しています。しかし、OSのアップデートによってアプリケーションが不具合を起こすリスクはゼロではありません。そのため、アプリケーションの互換性テストを含む包括的な検証が必要となる場合があります。 この解決策の一つとして、Microsoft社ではソフトウェアの互換性に関する問題を解決するための支援サービス「App Assureプログラム」を提供しています。また、アプリケーションのWindows 11対応までサポートする導入支援企業に相談することもおすすめします。 |
2.Windows 11へ移行する価値が分からない
セキュリティ的な要因があることを把握しながらも、Windows 11への移行価値について懐疑的な見解を持つ方もいます。Windows 11の移行・導入には多くの利点があります。例えば、OSのパフォーマンスの向上、セキュリティの強化、およびユーザーインターフェースデザインの改善などが挙げられます。詳細は「Windows 11で業務を効率化!ビジネスに役立つ機能を解説」をご覧ください。
サポート終了後もWindows 10を使いつづける方法
サポート終了日以降もWindows 10は利用できますが、安全性を考慮したうえでWindows 10を使用し続ける方法として、以下の3つを紹介します。
1. Windows 10拡張セキュリティ更新(ESU)プログラム
1つ目は、Windows 10の拡張セキュリティ更新プログラム(ESU)の購入です。ESUとは、Windows 10のサポート終了後に登録済みのPCに重要かつ重大なセキュリティ更新プログラムを継続して受け取れる有償のプログラムです。ESUは、製品延長サポート終了日から3年以内における緊急または重大なセキュリティ更新プログラムを含み、Windows 7サポート終了時にも提供されていました。ESUには、他の更新プログラムやテクニカルサポートは含まれません。
前提条件
ESUプログラムから更新プログラムをインストールするには、デバイスがバージョン22H2 Windows 10を実行している必要があります。詳しくはMicrosoft社のウェブページをご覧ください。
価格、購入方法
ESUはデバイスあたり年間61米ドルで提供され、最大3年間連続して2倍の料金がかかることが発表されています。日本での価格は2024年1月時点で発表されていませんが、Windows 10のESUはWindows 10のサポート終了日の約12か月前、または2024年後半からボリュームライセンスで利用可能になる予定です。
ESUは最低1台からライセンス購入が可能です。また、ESUは年単位での購入が必要で、半年間など部分的に購入できません。ESUの1年目は2025年11月に開始しますが、例えば2年目のプログラムが必要になった場合、ESUが累積されるため1年分も購入が必要です。
2.Azure Virtual Desktop
2つ目は、Azure Virtual DesktopでWindows 10をホストする方法です。この手法は、Windows 7のサポート終了時にも活用されました。Azure Virtual DesktopでWindows 10インスタンスを稼働させている場合、これらの仮想マシンに対してもESUが追加料金なしで提供されます。(Consumptionは含まれません)
JBサービス株式会社が提供するAzure Virtual Desktopに関するサービスについては、こちらをご覧ください。
3. Windows 365
3つ目の方法は、Windows 365上で実行される仮想マシン上でWindows 10を利用することです。Windows 365クラウドPCに接続されたWindows 10エンドポイントには、アクティブなWindows 365サブスクリプションライセンスを適用することで、最大3年間のESUの権利が付与されます。これにより、追加費用なしでセキュリティが強化され、古いデバイスの保護およびWindows 10の延命が実現します。
JBサービス株式会社が提供するWindows 365に関するサービスについては、こちらをご覧ください。
まとめ
Windows 10のサポート終了までに移行が完了しなかった場合の影響や、サポート終了後に安全性を考慮して継続利用する方法についてご紹介しました。もしもサポート終了までに移行が難しい場合は、安全性を確保するための一時的な措置を検討・実施することを推奨します。
お客様に合わせたWindows 11への移行支援、Azure Virtual DesktopやWindows 365の構築・導入サービスを提供しています。Windows 11への移行やWindows 10の利用継続について、JBサービス株式会社にお任せください。これまでMicrosoft製品の構築や運用など過去の実績は、下記ページにて紹介しています。併せてご覧ください。