
ビジネスの現場においてAI技術の活用が急速に進んでいる中、「AIエージェント」は業務効率化や顧客対応の高度化を実現する手段として注目を集めています。今後AIエージェントの活用を検討している場合、企業の事例を参考にすることでより具体的なイメージを掴めるでしょう。
本記事では、AIエージェントの基本概念から6つの活用事例、導入によるメリット、そして導入時の注意点までを詳しく解説します。
AIエージェントとは
AIエージェントとは、設定された目標を達成するために、自律的に状況を理解して判断・行動するAIシステムです。従来の生成AIと違って単に指示に応えるだけでなく、さまざまな外部ツールと連携しながら業務を遂行できる点が特徴です。AIエージェントを導入することで、業務効率化や意思決定の支援、対応品質の均一化に貢献します。
AIエージェントでできること
AIエージェントは役割や機能の違いから、自律型・対話型・予測分析型・業務自動化型の4つに分類されます。以下に、それぞれの活用シーン別にできることを解説します。
自律型
自律型AIエージェントは、設定された目標を達成するために自ら状況を判断し、計画を立てて行動するAIシステムです。カスタマーサービスや社内業務における複雑な業務プロセスの自動化業務、マーケティングや営業での情報収集などで活用されています。
対話型
対話型AIエージェントは、人との自然な対話を通じて、質問に対する回答や情報提供を支援するAIシステムです。ヘルプデスクやカスタマーサポートにおける問い合わせ対応、案内サポートのほか、社内の問い合わせ業務にも活用されています。
予測分析型
予測分析型AIエージェントは、蓄積されたデータを分析し、将来の傾向やリスクを予測することに特化したAIシステムです。物流の最適化やマーケティング戦略における需要予測、顧客行動分析、異常検知などに活用され、データに基づいた意思決定を可能にします。
業務自動化型
業務自動化型AIエージェントは、定型業務・反復業務の自動化や、ワークフローの実行を担います。データ入力、書類作成、請求書・経費処理など、特定の順序で繰り返し発生するタスクを効率的に処理します。
AIエージェントの活用事例
AIエージェントは、実際にさまざまな企業での導入が進んでいます。ここでは、AIエージェントの6つの活用事例をご紹介します。
楽天トラベル「楽天トラベルAIホテル探索」
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楽天トラベルは、旅行者のニーズに合わせた宿泊施設選びをサポートするAIエージェント「楽天トラベルAIホテル探索」を提供しています。ユーザーが希望条件を入力すると、AIが膨大なデータベースから最適な宿泊施設を提案します。AIとの対話形式で、複雑な条件や抽象的な要望も汲み取ったうえで最大30軒の候補を表示するため、比較検討や再検索の手間を削減することが可能です。これにより、旅行計画の時間短縮と満足度向上を同時に実現しています。 |
出典:楽天トラベル:楽天トラベルAIホテル探索の機能がリリースされました
パナソニック コネクト「ConnectAI」
パナソニック コネクト株式会社は、全社員向けのAIアシスタント「ConnectAI」を導入し、年間44.8万時間の業務時間削減を達成しました。AIを「聞く」存在から「頼む」存在へと位置づけ、作業手順書の作成やプログラミング、情報分析などの日常的な業務をAIに任せられる仕組みを運用しています。全社員が気軽にAIを活用できる環境を整えることで、社員のAI活用スキルの向上と組織全体の生産性向上を実現しています。
出典:パナソニックコネクト、「聞く」から「頼む」へシフトしたAI活用で年間44.8万時間の削減を達成
富士通「Fujitsu Kozuchi AI Agent」
富士通は、AIが人と協調して自律的に高度な業務を推進する「Fujitsu Kozuchi AI Agent」を提供しています。選択した複数のAIにタスクを指示し、各AIが得られた結果をもとに課題解決策を整理し、最適なタイミングで人々に提案する仕組みです。商談などの打合せに、AIが自ら参加して適切な情報共有や施策提案を行う会議AIエージェントのほか、生産管理や物流、マーケティング分野などでのAIエージェントの活用を見込んでいます。
出典:富士通株式会社:AIが人と協調して自律的に高度な業務を推進する「Fujitsu Kozuchi AI Agent」を提供開始
株式会社MILIZE「MILIZE Financial AGENT」
株式会社MILIZEは、金融業務の効率化を実現する「MILIZE Financial AGENT」を開発しました。単なるチャットAIではなく、複数の大規模言語モデル(LLM)を適材適所で活用し、金融業務における顧客対応や事務処理業務、口座開設の案内などを支援します。これにより、業務負荷の軽減と正確性の向上を両立し、従業員はより高度なコンサルティング業務に集中できる環境が整いました。規制が厳しい金融業界においても、AIエージェントの活用が進んでいることを示す事例です。
出典:株式会社MILIZE:MILIZEが、最新のAI技術であるエージェントモデルを搭載した「MILIZE Financial AGENT」を発表
トヨタ自動車株式会社「OーBeya」
トヨタ自動車は、AIエージェント「OーBeya」を導入しています。トヨタ独自の経営手法である「大部屋制度」に由来し、実際のエンジニアが持つ設計データや知識をもとに構成された9つのAIエージェントが、分野ごとの業務・開発を支援する仕組みです。社内に蓄積された知識やノウハウをデジタル化することで、開発スピードの向上や若手人材への技術継承を実現し、人材の流動化が進む中でも組織の知的資産を次世代へつなぐ取り組みとして活用されています。
博報堂テクノロジーズ「マルチエージェント ブレストAI」
博報堂テクノロジーズは、商品開発におけるアイデア創出を支援するAIサービス「マルチエージェント ブレストAI」を活用しています。市場・製造・物流・営業などの専門知識を与えた複数のAIに役割を分担させ、AI同士が自立議論することで多様な発想と意思決定を実現する仕組みです。これにより、人の手による工数削減や市場投入までの時間短縮を図り、クライアント企業の商品開発全体の効率化を支援しています。
AIエージェントのメリット
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実際の活用事例を踏まえて、AIエージェントが企業にもたらす主なメリットをご紹介します。 |
業務効率化・生産性アップ
AIエージェント導入の最大のメリットは、業務効率化と生産性の向上です。データ入力、情報収集、レポート作成といった定型・反復作業をAIエージェントが担うことで、従業員はより付加価値の高い業務に集中できます。パナソニック コネクトの事例では年間44.8万時間の業務時間削減を実現しており、業務プロセスの効率化によって、組織全体の生産性が底上げされる効果も期待できます。
顧客満足度向上
顧客対応の質とスピード向上は、AIエージェントがもたらす重要なメリットです。楽天トラベルのホテル探索システムは、問い合わせに対して即座に応答し、的確な情報提供を実現しています。さらに24時間365日稼働させることで、顧客の待ち時間を削減しつつ安定したサービスを提供できるため、顧客満足度の向上につながります。
意思決定の質・スピードの向上
意思決定の質とスピードが同時に改善される点が、AIエージェントの大きな強みです。博報堂テクノロジーズでは、多角的な視点からアイデアを創出し、迅速な意思決定につなげています。また、富士通の会議AIエージェントの事例では、商談や打合せの場で適切なデータ分析結果を即座に反映し、建設的な議論を支援します。
このようにAIエージェントは、大量のデータに基づいた傾向や予測から検討できるため、経験や勘だけに頼らない意思決定が可能になります。
AIエージェントの導入にあたって
AIエージェントを導入する際は、脆弱性やクレーム発生のリスクに十分注意が必要です。不適切な判断や回答は、顧客との信頼関係を損なうおそれがあります。また、AIへの過度な依存により、従業員のスキル向上や人材育成が停滞するリスクも考慮しなければなりません。さらに、システム構築やデータ整備、継続的な運用・保守には相応のコストが発生します。加えて、機密情報を扱う場合のセキュリティ対策や情報漏洩防止も重要な検討事項です。
導入を成功させるには、事前のシナリオ設計やデータ整備、適切なガバナンス策定が不可欠であり、運用開始後も継続的なモニタリングと改善を行うことで、精度向上とリスク管理を両立させることが求められます。
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