あらゆるものを把持するロボットハンドの開発に3Dプリンターが活躍

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お客様:ASPINA(シナノケンシ株式会社)

URL : https://jp.aspina-group.com/ja/

事業内容:精密モータ、ドライバ、アクチュエータ、および関連製品、産業ソリューション機器、福祉・生活支援機器の製造、販売

ご協力:開発技術本部
(左)臼井 弘明 氏 
(右)船津 磨耀 氏、市川 尚美 氏

インタビュー:イグアス株式会社(JBサービスビジネスパートナー)

シナノケンシ株式会社様は、1918年の創立以来、研究開発から営業、製品設計、生産、製品やサービスの供給までグローバルなネットワークを構築し、世界各地のお客様のニーズに合わせた幅広いソリューションを提供している企業です。

現在は精密モータやドライバ、アクチュエータなどのモータソリューション、動作検証・解析ツールをはじめとする産業ソリューション、デジタル録音図書読書機器や補聴器などの福祉・生活支援機器の3つの事業を展開されています。

2015年より製品開発に3DSYSTEMS社製の3Dプリンターを使用しており、現在は最新機種であるProJet® 2500Plusを使用されています。

新規技術、事業開発にも積極的に取り組む ASPINA(シナノケンシ株式会社)

船津氏:ASPINA(シナノケンシ株式会社)は、1918年に信濃絹糸紡績株式会社として設立し創立100周年を迎えました。

軸となるモータ事業は売上の大半を占めていて、これまでに家電・車載など多様な分野の精密モータを開発してきました。従業員全体の半数がエンジニアで構成されているので、お客様固有のカスタム設計を強みに事業展開を行っています。また近年は、産業用ロボット(ロボットハンド)の開発など、全社共通の技術開発や将来に向けた新規技術、事業開発にも積極的に取り組んでいます。

------ これまで培った技術力を最先端技術開発に生かされているのですね。3Dプリンターはどのように活用されていますか?

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3Dプリンターで「ロボットハンド」の試作を100パターン以上製作

船津氏:3Dプリンターはロボットハンド開発の中で、ロボットの指先部分やケース、アタッチメントなどの試作に活用しています。ロボットハンドは工場ライン上で物を把持する産業用ロボットなのですが、お客様によって把持する対象物が異なり、種類も多岐にわたるので、カスタム要素が色濃く出る製品になります。理屈や数式だけでは本当に掴めるのか分からない難しさがあり、実際は設計者の経験の元「ここを掴むのが良いのか」「中から開いて掴むのが良いのか」など様々なシーンを想定して何度も試作を繰り返しています。

------ 3Dプリンターと設計者様のノウハウで、お客様固有の把持を実現するロボットハンドが誕生しているのですね。では、御社にとっての3Dプリンターの魅力とはどんなものでしょうか。



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わたしたちの強みを伝える手段、それが3Dプリンター

臼井氏:私たちの強みとするカスタム品開発は、お客様とのコミュニケーションが欠かせません。3Dプリンターの導入で試作スピードが格段に向上し、サンプルを即時にお客様先へ持ち込んでコミュニケーションをとることで、迅速かつ明確な意思疎通ができるようになりました。手戻りが減り、納期も縮まり、お客様の求める製品をより早く届けられるようになっています。一方では時代の変化に伴って、これからはスタートアップ企業様や新しいビジネスを立ち上げようとする企業様と共に新しい価値を作り出していくことになっていくと思います。


------ その中で私たちが「やりたいこと」「提案したいこと」「価値にしたいこと」を新しいお客様に伝えていく手段としても3Dプリンターがあると思っています。

御社が創造する価値を具現化してお客様に伝える重要な役割を果たしているのだと感じます。
話題が変わりますが、御社は長年3Dプリンターを活用されていらっしゃいます。その中ProJet 2500Plusを導入されました。御社が考えるProJet 2500Plusの魅力を教えてください。

買い替えを機にProJet 2500Plusを2台導入へ

市川氏:ProJet 2500Plusの魅力は、以前使用していたProJet® 3500HDMAXが持つ高度な造形精度を保ちながらも造形時間が半減したこと、そして耐熱素材です。造形のリードタイムが削減できたので、より一層お客様へ早くサンプルを提供できています。

また、材料を変えたことでモータを耐熱ギリギリまで稼働させベアリングなどに異常が出ないか確認する耐熱試験でも使えるようになりました。活用の幅は部門を超えてどんどん広がっています。
現在はより開発スピードを速めるため2500Plusを2台活用し、効率的な運用を行っています。

------ ありがとうございます。このように評価いただけてとても嬉しいです。では最後に今後3Dプリンターに期待することがありましたら教えてください。

ProJet 2500Plusの選定ポイント

  • 従来の1/2まで半減した造形スピード
  • 耐熱試験に耐えられる材料
  • 造形品質(精度)

更なる高精度・短時間造形に期待

船津氏:ロボット産業や医療、航空宇宙分野など、今後の更なる成長や変化の期待される分野へ、弊社の強みとする「小・軽・静」を実現するモータ技術で、引き続き挑戦をしていくつもりです。
そのためには、3Dプリンターを活用した短期間での開発サイクルを続けていく必要があります。
今後も、3Dプリンターによる高精度で短時間の造形技術が実現されることに期待しています。

------ 本日は貴重なお話しをいただき、誠にありがとうございました。
私たちもお客様が満足のいく造形ができるよう、サポートしていきたいと思います。

JBサービス技術員のコメント

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3Dカスタマーサービス部
徳山 大輔

シナノケンシ株式会社様は、空調管理された3Dプリンター専用ルームで、ProJet MJP 2500plsを複数台で運用していらっしゃいます。冷えこみの厳しい冬場の寒さ対策も実施していただき、3Dプリンターにとって理想的な稼働環境です。

メンテナンスの際は、長野県上田市まで東京から2時間ほどかけて訪問していますが、最先端技術開発に弊社が導入した3Dプリンターをご活用いただいていることを、大変うれしく思っております。今後もお客様の業務への影響を最小限に抑えるよう、効率的で高品質な作業に尽力してまいります。


シナノケンシ株式会社様ご使用 ProJet® MJP 2500/2500 plus のご紹介

ProJet-2500Plus_front_printer-image.png紫外線硬化樹脂をインクジェット方式で一層ずつ積層させるMJP(Multi Jet Printing)3Dプリンターです。

筐体はコンパクトながらも、微細な造形を可能とする操作性に優れたコストパフォーマンスの高い機種です。
豊富なマテリアルラインナップで、造形の幅が広がります。 

製品の詳細はこちら

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