システム監視とは?監視の種類やアウトソーシングサービスのメリットについて

更新日 : 2024年01月19日


システム監視のイメージ

企業活動に欠かせないものとなった、社内システムやサーバー、ネットワークなどのITツール。企業が円滑に業務を進めていくためには、それらが常時正常に稼働していることが求められます。そのために必要となる取り組みが「システム監視」です。

この記事では、システム監視の概要や種類、またその目的や災害対策としての役割などをご説明します。

システム監視とは

システム監視とは、企業のシステム内で動作しているサーバー、アプリケーション、ネットワークなどの各種ITツールが正常に稼働しているかを定期的に(もしくは常時)確認することを指します。

システム監視のおもな目的

システム監視を行う目的を端的にいうと、「システム障害の発生を防止し、もし異常があればすぐに対処するため」です。

企業内のIT環境においてシステム障害が発生すると、業務の遅延や中断を余儀なくされる場合があります。万一そのような事態を招くと、巨額の損失を引き起こしたり顧客の信用を失ったりする可能性があり、事業継続の大きなリスクとなる場合もあります。

システム監視は、ITツールの障害や異常が大きな問題に発展することを防ぐための取り組みです。監視により何らかの異常が検知されれば、早急にインシデント解決に動きます。

システム監視の種類

システム監視は、いくつかの種類に細分化が可能です。ここでは、システム監視のおもな種類とそれらの特徴についてご紹介します。

インフラ監視

インフラ監視とは、OSやサーバー、ネットワークといったインフラ機器に異常や障害が起こっていないか確かめ、稼働状況をチェックすることです。各種機器の使用率や負荷が必要以上に高まると、処理速度の低下やエラー表示を招いてしまうため、監視によってそれを防ぎます。

またインフラ監視は、以下の5つに細分化できます。

システムエンジニア

・死活監視

ネットワーク機器やサーバーに指示を送り、応答があるかどうか確認する監視方法です。応答があれば正常、なければ異常とみなし、異常が確認された場合は対処を行います。

・リソース監視

リソース監視とは、サーバーを構成するCPUやメモリなどの稼働状況をチェックする作業です。おもにメモリ使用量やCPUの処理速度などで稼働状況が判断され、障害や不具合が発生する可能性をそれによって推し量ります。

その結果、負荷が大きすぎると判断された場合、増強や交換などの対応を行います。

・SNMP監視

SNMPとは「Simple Network Management Protocol」の略で、各種ネットワーク機器が正常に稼働しているかどうかを確認する作業がSNMP監視です。この場合に対象となるネットワーク機器とは、ルーターやスイッチなどが含まれます。

「SNMPマネージャー」「SNMPエージェント」という2つのソフトウェアを常駐させて通信状況をチェックすることにより、各機器にかかる負荷の程度を確かめています。

・ログ監視(メッセージ監視)

ログ監視とは、サーバーから集めたログを監視する作業を指します。社内システムを構成する各種ハードウェア・ソフトウェアの稼働状況を履歴として可視化したものが「ログ」で、それをチェックします。ログの記録を基に「どこで、何が、いつごろ起こったか」あるいは「誰が、何を、いつごろ実施したか」をチェックし、異常ログがあれば対処を行います。

・パブリッククラウド監視

自社のITインフラがパブリッククラウドで構築される場合、監視対象としてパブリッククラウドも加わります。パブリッククラウドとは、いわゆるクラウドサービスのなかでも、特に利用者を限定せずオープンに共用されるサービスを指します。

クラウドサービスは自社でアップデートなどを行わなくて良いメリットがあります。しかし、不具合が起こっていないか、正常に稼働しているかなどのチェックは利用者が行わなければなりません。

ただし、サービスの提供元がクラウドサービスとセットで監視ツールを提供する場合もあります。月額プランなどに監視ツールの料金が含まれていることも一般的ですから、その場合は導入しておくのが得策でしょう。

サービス監視

サービス監視とは、システムの正常な稼働を支えている各種プログラムが正しく動作しているかどうかをチェックする作業です。監視対象はDNSやアプリケーション、ロードバランサーなど多岐にわたります。

なおサービス監視は、さらに以下の2種類に細分化できます。

・外形監視

外形監視とは、ユーザーがいつも実際に行っている手順通りにシステムへアクセスした上で、システムの稼働状況が正常かをチェックすることを指します。その際の応答時間や速度、表示の内容などから、不具合や負荷増大などの兆候を検知するものです。

外形監視を行うことには、顧客などの外部ユーザーに品質の高いサービスを提供できているかどうかを推し量れるメリットもあります。

・プロセス監視

プロセス監視とは、サーバー上の各種アプリケーションやデータベース等の稼働状況をチェックする作業です。動作や負荷状況が異常なしだったとしても、それが必ずしもオペレーション上の正常性を示すとは限りません。システムの構成機器にもし異常が発生してしまっていれば、エラーや障害が起こることもあり得ます。予期せぬトラブルで業務の遅滞や停止を招くことがないよう、ユーザーインターフェースをはじめとするプロセスをチェックすることが大切になるのです。

BCP対策としてのシステム監視の役割

昨今は度重なる自然災害や大規模な感染症禍に見舞われたこともあり、緊急事態におけるリスクマネジメントが重要視されています。企業単位でBCP対策をすでに策定しているケースも多いと思いますが、なかでも「IT-BCP(ITシステムに特化したBCPの考え)」が注目されています。

IT-BCPの考え方においては、特に平時からのチェック体制が重要とされています。日ごろのシステム稼働状況に異常がないかを監視することで、障害発生時にもリスクを最小限に抑えることができるという観点です。

BCP対策の一環としてシステム監視ツールを利用する方法も、もちろん一案です。しかし、ツールによっては緊急時を含めた対応として十分とはいえないケースもあるでしょう。

そこで次の項目からは、ITシステムを含めたBCP対策を踏まえた、システム監視体制のアウトソーシングについてご紹介します。

システム監視をアウトソーシングするメリット

システム監視のアウトソーシング

システム監視の作業をアウトソーシングすることには、以下のようなメリットがあります。

専門的な知識をもつプロに任せられる

外注先のスタッフは、システム監視業務に特化された専門的な知識や技術をもつプロ集団です。自社のスタッフが別途コア業務を抱えながら対応することと比較すると、その安心感は大きくなるでしょう。

夜間や休日の障害発生時にも対応できる

自社のシステム管理者が夜間や休日などで不在のときも、アウトソーシング先で専任のスタッフが対応します。自社スタッフがいないタイミングで万一障害や不具合が発生したときも、外注先スタッフによる対応が可能です。

人材コストの削減・リソースの最適化が図れる

自社のネットワーク管理者の運用負荷を、外注によって抑えることができ、監視以外の業務にリソースを充てることが可能となります。

リアルタイム監視と迅速な対応が可能になる

24時間365日、リアルタイムでの監視が可能となるため、万一異常が発生した際もインシデント発生~解決までの対応を短時間で行えます。

まとめ

システム監視を自社内で行っている方にとっては、「24時間対応が難しい」「障害発生から復旧対応まで時間がかかってしまう」などのお悩みが尽きないかもしれません。そのような場合は、システム監視を専任で行えるプロのスタッフによるアウトソーシングを検討してみてはいかがでしょうか。

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