「スマートグラス」は、昔からSF映画やアニメーションの世界ではよく登場していたアイテムですが、近年、企業向け製品が数多くリリースされ、人手不足の解消、働き方改革の実現、新型コロナウイルス対策としても、さまざまな業界から注目を集めています。
そこでスマートグラスはどんなことができるのか、活用法と企業における導入のメリットなどについて解説していきます。
スマートグラスとは?

「スマートグラス」は、ディスプレイ、カメラ、マイク、スピーカー、WiFi通信、GPSなどのセンサーを搭載したメガネ型のウェアラブルデバイスです。
視力を矯正する機能はありませんが、レンズ部分がディスプレイになっていて、メガネのように頭部に装着し、実際に目で見ている光景に映像やメッセージなどの情報を重ねて表示させることができます。
スマートグラスとARグラスとの違い

スマートグラスと混同されやすいものに、「ARグラス」があります。
ARとはAugmented Reality(拡張現実)の略で、ARグラスもウェラブルデバイスですが、単純に現実の空間に補足情報を重ねて表示するスマートグラスとは異なり、レンズを通じて見た現実の空間を認識し、それにあわせて、仮想的なデジタル情報を映し出すことができます。モンスターのキャラクターが登場するゲームをイメージするとわかりやすいでしょう。
スマートグラスの導入メリットとは
企業においてスマートグラスを導入することで、次のような導入効果の実現が期待できます。
1.ハンズフリーで情報を閲覧できる

スマートグラスの最大のメリットは、PCや紙のマニュアルを開かなくてもハンズフリーで情報を閲覧しながら作業ができることです。
両手が塞がっていると作業がしにくい製造業の生産ラインや、危険を伴う高所での保守点検など、現場の作業員がスマートグラスを装着することで、安全性を確保しながら、作業の効率化が図れます。
2.遠隔地から作業指示やアドバイスができる

スマートグラスは、カメラを通じて装着している人が見ている画像をPCに転送することができるため、遠隔地にいながら作業者と視界を共有し、あたかも現場にいるかのようなコミュニケーションが可能です。
人に依存した業務や熟練のスキルが必要な作業などは、熟練技術者がわざわざ現場に行かなくても、リモートから映像を確認しながら作業者に音声で指示を出したり、適切な動画やメッセージを表示させたりできるため、作業時間の短縮、正確性の向上が図れるだけでなく、若手作業員への技術伝承・人材育成、熟練作業者の不足、労働人口減少といった問題を解決します。
3.出張費や移動時間が削減できる

スマートグラスは、遠隔地や海外拠点などの現場で緊急性が高い問題が発生した場合も、責任者が現地に出向かなくても、リモートからリアルタイムに状況を確認し作業指示が行えるので、移動のための時間やコストの削減が可能です。
昨今、コロナ禍で人々の移動が難しくなったため、感染対策として、スマートグラスによる遠隔作業支援のニーズが急増しています。
4.作業状況を記録できる

スマートグラスは、現場の作業状況を録画・閲覧することができるため、トレーサビリティを確保することで作業現場での品質、管理が向上します。また、研修・教育教材として再利用可能することも可能です。
スマートグラスの活用例
このようなさまざまなメリットから、スマートグラスは幅広い業種・業務で活用が進んでいます。
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製造
- 組立てや点検方法のトレーニング
- 熟練技術者からの技術伝承
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建築・土木
- 建設現場の遠隔臨場
- 作業員の安全教育
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医療機関
- 離島などでの遠隔診療、手術、教育支援
- コロナ対策としての診療支援
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品質管理・メンテナンス
- 点検業務の遠隔支援
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物流・倉庫
- 倉庫でのピッキングや検品などの作業支援
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警備
- イベント会場、ビル・施設の夜間警備などの遠隔指示
スマートグラスの選び方
スマートグラスにはさまざまな機種があり、商品によって搭載されている機能が異なるため、購入時には注意が必要です。通話機能、バッテリー容量、防水機能など、利用する用途や場所に必要な機能がしっかり備わっているかを確認しましょう。また実際の業務に適用し、メリットが得られるかどうか、事前に検証(PoC:Proof of Concept)を行うことも重要です。スマートグラス導入を検討する場合には、企業への導入実績が豊富な信頼できるベンダーに相談することをおすすめします。
JBサービスは、弊社が提供する機器メンテナンス代行サービスにおいて、スマートグラスによる作業の効率化やサービス品質の向上に積極的に取り組んでいます。
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