スマートグラスを活用した遠隔作業支援で保守サービスのDXを実現

更新日 : 2022年09月08日

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サービス事業部 AIoTサービス本部 AIoTサービス推進部

(右)AIoTサービス推進課 課長 沖二 優
(左)AIoTサービス推進課 宇佐見 陽三

ITからNon-ITへ、マルチベンダー保守サービスの拡大に伴う課題とは?

------ JBサービスのサービス事業について教えてください。

沖二氏:JBサービスは、旧日本ビジネスコンピューター(現JBCC株式会社)のサービス事業部門を分社化した企業で、1964年の設立当初から自社で開発・製造・販売を行っていたオフィス・コンピュータの修理業務を行っておりました。その後は徐々にエンジニアの人員とサービス拠点を増やし、障害受付を行うコールセンターと部品センターも開設して、PCやプリンター、サーバー等を対象としたマルチベンダー保守サービスを全国に展開しました。

2022年現在は、約350名のフィールドエンジニアを43か所のサービス拠点と、江東区の豊洲ソリューションセンターに配置して、ITだけではなく3Dプリンターや医療機器、配膳ロボットなどのNon-IT分野まで、さまざまな業務用機器を対象とした導入・保守サービスを提供しています。

保守サービスの課題とスマートグラス導入の背景

------ スマートグラス導入前の保守サービスにおける課題について教えてください。

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①フィールドエンジニアの教育期間の短縮

沖二氏:保守対象のメーカーや機種が拡大するにつれ、エンジニアの教育が課題となっていました。通常新たな機器の保守サービスを開始する際は、まずサポートリーダーがメーカー担当者から直接レクチャーを受けます。

次にサポートリーダーが全国のフィールドエンジニアを集めて研修を行い、製品知識やメンテナンス技術をしっかり教育します。

さらに現場でのOJTを繰り返し行うため、全国のフィールドエンジニアが単独でお客様先に出動できるようになるには、最低でも1~2カ月程度の時間が必要となります。

しかし、ビジネスの変化が激しい昨今は、早急に保守体制を確立してサービスを開始してほしいというメーカー様も多いので、教育をいかに効率的に行うか、サポートリーダーはいつも頭を悩ませていましたね。

②コロナ禍での教育の実施

またこの数年は、コロナ禍で集合研修の開催自体が困難になってしまい、フィールドエンジニアの育成計画が途中でストップしてしまうことも多々ありました。それでもメーカー様との契約上、サービス開始時期を延期することもできず、サポートリーダーが開始当初は自ら出張して全国を回っていたりしたので、移動時間やコストの負担も大きくなっていました。

③作業支援の効率化

宇佐見氏:集合研修やOJTを予定どおり修了していても、現場では予期せぬトラブルが発生することが多々あります。

その場合、サポートリーダーが、フィールドエンジニアを電話やチャットでリモートから支援しますが、現場の状況を把握するのがかなり大変で、解決するまでに平均10~30分はかかっていました。

支援依頼が重なってしまうと、現場でエンジニアを待たせることになってしまうので、お客様にも迷惑をおかけしてしまいます。いかに状況を早く理解して的確な指示を出せるかということもサポートリーダーの課題でした。

④熟練エンジニアの高齢化と技術継承

沖二氏:あとは当社に限った話ではありませんが、エンジニアの高齢化問題ですね。長年現場で培ってきた熟練エンジニアのスキルやノウハウをどうやって蓄積し、継承していくかは、サービス会社として早急に取り組む必要がありました。

------ スマートグラス導入のきっかけを教えてください。

沖二氏:スマートグラスの導入は、2018年にサービス事業部で立ち上げたサービスイノベーションタスクがきっかけでした。

Non-IT分野を含めた保守対象機器の拡大や熟練エンジニアの高齢化などを背景に、「匠の技のDX(デジタルトランスフォーメーション)」というテーマでアイディアを出し合い、動画マニュアルやAIチャットボットなど、サービス品質の向上や、作業の効率化、技術継承につながるいろいろなツールの研究を始めました。

スマートグラスのPOC(Proof of Concept:概念実証)を開始したのは、2020年の2月頃です。ある国産メーカーのスマートグラスを利用して、フィールドエンジニアの遠隔支援の検証を何度か行いましたが、当時の製品はデバイスと遠隔サポートツールが分離されていて、作業現場で使用する際にいろいろな設定をする必要がありました。またカメラの画質や音声、作業記録の方法や重量などの課題があり、実用化に踏み切れませんでした。

現在利用しているウエストユニティス社の InfoLinker3 の紹介を受けたのは2020年11月頃です。この製品はスマートグラスと遠隔サポートツール(LinkerWorks)が同じメーカーから提供されているため複雑な設定が不要で、本体の重量も軽く、フィールドエンジニアが装着しても全く作業の妨げにはなりませんでした。またルーターなどを使わずにSIMカードで直接LTE通信ができること、画像や音声もクリアで使い勝手がよいことなどから、サポートリーダー、フィールドエンジニア双方から、「我々が求めていたツールはこれだ!」という声が上がり、短期間で購入を決め実用化に取り組みました。

スマートグラスを装着した保守作業

遠隔サポートツールの画面

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リアルタイムな映像と音声でエンジニアの育成期間・作業時間を大幅に短縮

------ スマートグラスの導入効果について教えてください。

沖二氏:導入効果としては、エンジニアの育成期間が大幅に短縮できたことが大きいと思います。オンサイトで集合研修やOJTを行う必要がなくなったため、サポートリーダーの移動時間やコストも半分以下になりました。

宇佐見氏:現場のエンジニアへのサポート時間も従来の半分ぐらいになっていると思います。スマートグラスの作業映像を、リモートにいるサポートリーダーがリアルタイムに共有できるので、一目で状況が把握でき、的確な指示が出せるようになったので、非常に便利です。

フィールドエンジニアもわざわざ電話をかけなくてもそのまま会話もできますし、スマートグラスのディスプレイに資料を映してハンズフリーで作業ができるので、作業漏れやミスの発生を防ぐことができ、作業効率が向上しています。

作業を行いながら、作業履歴として撮影した写真や動画も保存できるので、報告書やマニュアル作成の工数も削減できました。

フィールドエンジニアの育成期間の違い

今後の展望について

------ 今後の取り組みやサービスの展望についてお聞かせください。

宇佐見氏:今後はスマートグラスの活用範囲をもっと拡大していきたいですね。

現在はまだ社内の限定されたメンバーで使用していますが、遠隔サポート画面を複数のエンジニアやお客様と共有して、コミュニケーションをとりながら作業を行うことができれば、今まで経験のなかった業種の機械もメンテナンスできるようになり、弊社エンジニアの活躍の場も広がると思います。

ただし、どうしてもスマートグラスを現場に持ち込んで作業するには、個人情報や機密情報保護の観点からお客様の許可が必要になってきますので、ご理解をいただきながら利活用を進めていきたいと考えています。

沖二氏:サービスを提供する企業として、我々エンジニアは常に高品質なサービス提供を心掛け、技術力の維持・向上に努めています。

これからも長年培った現場のノウハウと新しいデジタル技術を融合し、さらなるお客様満足度向上をめざして活動していきたいと思います。

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