企業はWindows 11を導入すべき?導入メリットや注意点などを解説
更新日 : 2023年08月10日
Windows 11とは、Windows 10の後継となるOSの最新バージョンのことです。2021年10月から提供が始まりました。 Windows 11へのアップグレードは多くのメリットがある一方で、注意すべき点もあります。特に企業においては、Windows 11に「どういう機能があるのか」「メリットや注意点は何か」などを把握して、導入を検討することが大切です。 この記事では、Windows 11の基本的なポイントやWindows 10との違い、導入する際の注意点など、導入の是非を判断する際に役立つ情報を解説します。 |
目次 |
Windows 11とは
Windows 11とは、2021年10月5日から提供が始まったWindowsのOSの最新版のことです。Windows 10からデザインや画面レイアウトが一新され、便利な機能が追加されています。
ここでは、Windows 11へのアップグレードを検討する際に、前提の知識となる無償アップグレード期間とWindows 10のサポート期間について解説します。
無償アップグレード期間について
現在は、Windows 10から無償でWindows 11へのアップグレードが可能です。無償アップグレード期間について、Microsoft社の公式ホームページでは以下のように説明されています。(※2023年8月時点)
対象となるシステムに対する無料アップグレードに特定の終了日は設けていません。しかし、Microsoft は無料アップグレードに対するサポートをいずれ終了する権利を留保します。出典:Microsoft「互換性のあるPC用のWindows 11を入手する方法 | Microsoft」
上記の通り、現時点では無償アップグレードの終期は明示されていません。ただし「無料アップグレードに対するサポートをいずれ終了する権利を留保」とあるので、いつでも有料になる可能性はあります。企業での導入を検討している場合は、早めに導入に向けて動き出しておくと安心です。
Windows 10のサポート期間について
Windows 10のサポート期間とは、OSアップデートによるサポートを受けられる期間のことです。サポート期間であれば、セキュリティ上で必要なパッチや便利な新機能などの提供を受けられます。
Microsoft社によると、Windows 10のサポート期間は「2025年10月14日まで」とアナウンスされています。Windows 11移行を判断する期日の目安として覚えておきましょう。
Windows 11とWindows 10との違い
Windows 11とWindows 10は、主にシステム要件と機能面の2つのポイントで違いがあります。それぞれ、どのように違うのか順番に見ていきましょう。
システム要件の違い
システム要件とは、Windows 11を使うために必要とされる最低限のスペックのことです。Windows 10と比べると、以下のように変わっています。
Windows 11 | Windows 10 | |
---|---|---|
CPU |
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ストレージ |
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メモリ |
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Windows 10と比べると、Windows 11ではCPUやストレージ・メモリなどのシステム要件で要求されるスペックが上がっています。
機能面の違い
Windows 11には、Windows 10から新しくなったUIや追加された機能、廃止・削除される機能などがあります。一例を確認しておきましょう。
- 追加される機能などの例
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- 画面レイアウトやUI、アイコンのデザインなどが一新
- ニュースなどの最新情報を確認できるウィジェット追加
- 離席時の画面ロックや、着席時のスリープ解除の自動化
- テキストの音声読み上げ機能追加などアクセシビリティ向上
- スナップ機能追加で複数ウィンドウでの使いやすさ向上
など
- 廃止・削除される機能の例
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- Internet Explorerが廃止されMicrosoft Edgeに移行
- Cortanaが立ち上げ時に起動しなくなる
- 数式入力パネルが削除
- 「ニュースと関心」がウィジェットへ移行
- ウォレット削除
など
企業がWindows 11を導入するメリット
企業がWindows 11を導入する主なメリットは、以下の通りです。
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性能面の向上
Windows 11は要求されるシステム要件が厳しくなった分、OSとしての性能が向上しています。そのため、「できることが増える」「利便性が上がる」といった恩恵を受けられるでしょう。
例えば、スタートメニューをカスタマイズしたり、モニターの再接続時にウィンドウ位置を記憶したりすることも可能です。さらに、動作がスムーズなので、ストレスフリーな業務環境を実現できます。
作業の効率化
Windows 11を導入することで、作業の効率化が期待できます。これは、操作性や使い勝手を上げる機能の追加・拡充が豊富だからです。
刷新されたUIやスナップ機能で使いやすさが向上し、従来のマルチディスプレイやタッチ操作などに追加された新機能やウィジェット機能などにより、PC作業の効率化が大いに期待できます。
セキュリティの強化
Windows 11の導入は、セキュリティ強化につながることも大きなメリットです。
マルウェア対策の最新機能や、フィッシング保護などの強固なセキュリティ対策が標準装備されています。さらに、ディスプレイを離れるだけで画面ロックがかかるようにできるなど、セキュリティ対策を確実に実践できる機能があることも嬉しいポイントです。
Windows 11を導入する際の注意点
企業がWindows 11を導入する際には、以下の4つに注意しましょう。
- システム要件を確認する
- 移行計画を策定する
- 従業員への対応
- 既存ソフトウェアとの互換性
システム要件を確認する
Windows 11を導入する際は、対象のPCがシステム要件を満たしているか、必ず確認しましょう。
Windows 11は、Windows 10より要求されるシステム要件が上がっています。システム要件を満たしていなければ、パーツ拡張や新しいPCの購入が必要になり、導入の手間やコストが増します。したがって、前提条件として導入対象のPCのスペックを確認してから、移行を検討しましょう。
移行計画を策定する
システム要件を満たしており、移行できる環境が整っているのであれば、移行を実施する前にスケジュールを調整しましょう。
Windows 11への移行には、一定の時間とリソースが必要になります。無用のトラブルや混乱を避けるためには、組織や業務に支障が出ないよう余裕を持った計画を立て、着実と進めていくことが大切です。
従業員への対応
Windows 11に移行時・移行後は、従業員がスムーズに使いこなせるように必要に応じてサポートしましょう。
Windows 11では、UIや画面レイアウト・機能などが変更されているので、動作に慣れるまで時間がかかります。使い方のレクチャーの要望や、OSに関する質問があったときに対応できるように体制を整えておくと良いでしょう。
既存ソフトウェアとの互換性
Windows 10の環境下で使用しているソフトウェアなどがWindows 11に対応しているか、事前に確認しておくことも大切です。
特にMicrosoft社以外が提供するソフトウェアや、バージョンの古いアプリケーションはWindows 11との互換性がない可能性があります。各ソフトウェアのパッケージや公式ホームページなどで、互換性の有無を把握しておきましょう。
企業はWindows 11を導入すべきか
企業がWindows 11を導入すべきかどうかは、移行に関する計画や体制が整っているか、導入する恩恵を享受できる環境なのかなど、企業の置かれている状況などによって異なります。 しかし、Windows 10はいずれサポート期間が終了することから、導入する準備や環境が整っているのであれば、サポート期間が終了する前にアップグレードを行ったほうが良いでしょう。 |
また、導入計画の策定に難航していたり、移行する上でのリソースが不足していたりなど、Windows 11の導入・移行がスムーズにできない場合は、外部の導入支援サービスを利用することも有効です。Windows 11の導入・移行にかかる負担を軽減できるほか、運用後のサポートもサービスに含まれていることが多く、Windows 11の安定した運用を実現できます。
まとめ
Windows 11を企業で導入することには、業務の効率化やセキュリティの向上など、多くのメリットがあります。移行が可能な環境であれば、無償アップグレード期間中に速やかに移行を検討するのがおすすめです。
ただし、要件を満たしていても、移行計画の策定に労力がかかるほか、導入後は安定した運用・稼働が必要です。計画策定や導入後の運用などに悩んでいる企業様は、Windows 11の導入・運用支援サービスの利用を検討してみてはいかがでしょうか。
JBサービス株式会社では、Windows 11の導入・移行計画の策定から導入後の技術支援まで、一貫してサポートしております。Windows 11の導入に関する課題や、運用におけるお悩みなどあれば、ぜひJBサービス株式会社までご相談ください。