Windows 11への移行はまだ間に合う?導入メリットや注意点などを解説

UPGRADEと書かれたパズルピース

Windows 11とは、Windows 10の後継となるOSの最新バージョンのことで、2021年10月から提供が開始されました。Windows 10のサポート終了が近づく中、Windows 11への移行はお済みでしょうか。

Windows 11へのアップグレードは多くのメリットがある一方で、注意すべき点もあります。特に企業においては、Windows 11に「どういう機能があるのか」「メリットや注意点は何か」などを把握して、導入を検討することが大切です。

この記事では、Windows 11の基本的なポイントやWindows 10との違い、導入する際の注意点など、導入の是非を判断する際に役立つ情報を解説します。

Windows 11とは

Windows 11とは、2021年10月5日から提供が始まったWindows OSの最新版のことです。Windows 10からデザインや画面レイアウトが一新され、便利な機能が追加されています。

ここでは、Windows 11へのアップグレードを検討する際に、前提の知識となる無償アップグレード期間とWindows 10のサポート期間について解説します。

無償アップグレード期間について

現在は、Windows 10から無償でWindows 11へのアップグレードが可能です。無償アップグレード期間について、Microsoft社の公式ホームページでは以下のように説明されています。(※2025年8月時点)

"対象となるシステムに対する無料アップグレードに特定の終了日は設けていません。しかし、Microsoft は無料アップグレードに対するサポートをいずれ終了する権利を留保します。"

出典:Microsoft「互換性のあるPC用のWindows 11を入手する方法 | Microsoft

上記の通り、現時点では無償アップグレードの終期は明示されていません。ただし「無料アップグレードに対するサポートをいずれ終了する権利を留保」とあるので、いつでも有料になる可能性はあります。企業での導入を検討している場合は、早めに導入に向けて動き出しておくと安心です。

Windows 10のサポート期間について

Windows 10のサポート期間とは、OSアップデートによるサポートを受けられる期間のことです。サポート期間であれば、セキュリティ上で必要なパッチや便利な新機能などの提供を受けられます。

Microsoft社によると、Windows 10のサポート期間は「2025年10月14日まで」とアナウンスされており、その期限はすでに目前に迫っています。サポートが終了するとセキュリティリスクが高まるため、サポート期間中にWindows 11への移行を進めることをおすすめします。

出典元
Microsoft社ホームページ「Windows 10 Home and Pro - Microsoft Lifecycle

Windows 11とWindows 10との違い

Windows 11とWindows 10は、主にシステム要件と機能面の2つのポイントで違いがあります。それぞれ、どのように違うのか順番に見ていきましょう。

システム要件の違い

システム要件とは、Windows 11を使うために必要とされる最低限のスペックのことです。Windows 10と比べると、以下のように変わっています。

Windows 11Windows 10
CPU
  • 1GHz以上かつ2コア以上の64ビット互換プロセッサ
  • または System on a Chip
  • 1Ghz以上のプロセッサ
  • またはSystem on a Chip
ストレージ
  • 64GB以上
  • 32ビット版では16GB
  • 64ビット版では32GB
メモリ
  • 4GB
  • 32ビット版では1GB
  • 64ビット版では2GB

Windows 10と比べると、Windows 11ではCPUやストレージ・メモリなどのシステム要件で要求されるスペックが上がっています。

機能面の違い

Windows 11には、Windows 10から新しくなったUIや追加された機能、廃止・削除される機能などがあります。一例を確認しておきましょう。

追加される機能などの例

  • 画面レイアウトやUI、アイコンのデザインなどが一新
  • ニュースなどの最新情報を確認できるウィジェット追加
  • 離席時の画面ロックや、着席時のスリープ解除の自動化
  • テキストの音声読み上げ機能追加などアクセシビリティ向上
  • スナップ機能追加で複数ウィンドウでの使いやすさ向上

    など

廃止・削除される機能の例

  • Internet Explorerが廃止されMicrosoft Edgeに移行
  • Cortanaが立ち上げ時に起動しなくなる
  • 数式入力パネルが削除
  • 「ニュースと関心」がウィジェットへ移行
  • ウォレット削除

    など

企業がWindows 11を導入するメリット

更新マークが記載された基盤

企業がWindows 11を導入する主なメリットは、以下の通りです。

  • 性能面の向上
  • 作業の効率化
  • セキュリティの強化

性能面の向上

Windows 11は要求されるシステム要件が厳しくなった分、OSとしての性能が向上しています。そのため、「できることが増える」「利便性が上がる」といった恩恵を受けられるでしょう。

例えば、スタートメニューをカスタマイズしたり、モニターの再接続時にウィンドウ位置を記憶したりすることも可能です。さらに、動作がスムーズなので、ストレスフリーな業務環境を実現できます。

作業の効率化

Windows 11を導入することで、作業の効率化が期待できます。これは、操作性や使い勝手を上げる機能の追加・拡充が豊富だからです。

刷新されたUIやスナップ機能で使いやすさが向上し、従来のマルチディスプレイやタッチ操作などに追加された新機能やウィジェット機能などにより、PC作業の効率化が大いに期待できます。

セキュリティの強化

Windows 11の導入は、セキュリティ強化につながることも大きなメリットです。

マルウェア対策の最新機能や、フィッシング保護などの強固なセキュリティ対策が標準装備されています。さらに、ディスプレイを離れるだけで画面ロックがかかるようにできるなど、セキュリティ対策を確実に実践できる機能があることも嬉しいポイントです。

サポート終了後もWindows 10を使用するリスク

サポート終了後もWindows 10を継続して使用することは、あらゆるリスクを伴います。以下に、主なリスクについて解説します。

セキュリティリスクが増大する

サポート終了後の最も深刻な懸念事項は、セキュリティ面での脆弱性です。Microsoftからのセキュリティ更新プログラムや、Windows Updateからの無料ソフトウェア更新プログラムの提供が完全に停止されるため、新たに発見される脆弱性に対する修正パッチが適用されなくなります。

この状況下では、既存のウイルス対策ソフトウェアが機能しなくなり、マルウェア、ランサムウェア、その他の悪意あるソフトウェアに対する防御能力が大幅に低下する恐れがあります。

互換性の問題が生じる

技術の進歩に伴い、サポート終了後にリリースされる最新のアプリケーションやソフトウェア、周辺機器は、Windows 10との互換性を保証されなくなります。これにより、業務効率の向上を図る新しいツールや機器の導入が困難となり、競争力の維持に支障をきたす恐れがあります。

また、既存のソフトウェア、ハードウェア、システム等も段階的にWindows 10向けのサポートを終了するため、現在使用中のアプリケーションにおいても将来的に使用できなくなる可能性もあります。

不具合が発生した場合の対応が遅れる

サポート終了と同時に、Microsoftの公式テクニカルサポートが完全に停止されることがアナウンスされています。そのため、システム障害や予期せぬ不具合が発生した際、迅速な技術支援を受けられなくなるため、問題解決までの時間が大幅に延長される場合があります。

このような事態は企業に深刻な影響を及ぼし、業務停止や顧客サービスの品質低下、生産性低下、さらには収益機会の逸失など、経営上の重大なリスクに直結する可能性が高いと考えられます。

Windows 11を導入する際の注意点

企業がWindows 11を導入する際には、以下の4つに注意しましょう。

  • システム要件を確認する
  • 移行計画を策定する
  • 従業員への対応
  • 既存ソフトウェアとの互換性

システム要件を確認する

Windows 11を導入する際は、対象のPCがシステム要件を満たしているか、必ず確認しましょう。

Windows 11は、Windows 10より要求されるシステム要件が上がっています。システム要件を満たしていなければ、パーツ拡張や新しいPCの購入が必要になり、導入の手間やコストが増します。したがって、前提条件として導入対象のPCのスペックを確認してから、移行を検討しましょう。

移行計画を策定する

システム要件を満たしており、移行できる環境が整っているのであれば、移行を実施する前にスケジュールを調整しましょう。

Windows 11への移行には、一定の時間とリソースが必要になります。無用のトラブルや混乱を避けるためには、組織や業務に支障が出ないよう余裕を持った計画を立て、着実に進めていくことが大切です。

従業員への対応

Windows 11への移行時・移行後は、従業員がスムーズに使いこなせるように必要に応じてサポートしましょう。

Windows 11では、UIや画面レイアウト・機能などが変更されているので、動作に慣れるまで時間がかかります。使い方のレクチャーの要望や、OSに関する質問があったときに対応できるように体制を整えておくと良いでしょう。

既存ソフトウェアとの互換性

Windows 10の環境下で使用しているソフトウェアなどがWindows 11に対応しているか、事前に確認しておくことも大切です。

特にMicrosoft社以外が提供するソフトウェアや、バージョンの古いアプリケーションはWindows 11との互換性がない可能性があります。各ソフトウェアのパッケージや公式ホームページなどで、互換性の有無を把握しておきましょう。

スムーズにWindows 11への移行を進めるには

クエスチョンマークが表示されているノートパソコン

Windows 11への移行は、企業にとって避けて通れない課題となっています。Windows 10はいずれサポート期間が終了することから、導入する体制や環境が整っているのであれば、サポート期間の終了前にアップグレードを行ったほうが良いでしょう。

一方で、すべての企業が十分な準備やリソースを確保できているとは限りません。移行計画の策定が難航している、社内に十分なIT体制が整っていないなど、Windows 11の導入・移行がスムーズにできない場合は、早期に外部の導入支援サービスを活用することを推奨します。

導入支援サービスを利用することで、移行にかかる負担を大幅に軽減できるだけでなく、導入後の運用やサポートまで一貫して対応してもらえることが多く、Windows 11の安定した導入・運用を実現できます。サポート終了が迫る今、対応の遅れによって生じるリスクを最小限に抑えるためにも、必要に応じて外部の力を積極的に取り入れることが賢明な選択といえるでしょう。

JBサービス株式会社では、Windows 11の導入・移行計画の策定から導入後の技術支援まで、一貫してサポートを提供しております。Windows 11の導入に関する課題や、運用におけるお悩みなどあれば、ぜひJBサービス株式会社までご相談ください。

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