オンサイト保守において、「人手が足りない」「遠方の顧客への対応が遅れがち」といった悩みはよく聞かれます。保守業務の人材確保や品質向上は重大な課題となっており、従来の自社対応だけでは限界を感じている担当者も多いのではないでしょうか。こうした課題を解決する有効な選択肢として注目されているのが「オンサイト保守のアウトソーシング」です。
本記事では、オンサイト保守の現状と企業が抱える課題を整理した上で、保守業務をアウトソーシングするメリットについて詳しく解説します。
オンサイト保守の現状と、多くの企業が抱える3大課題
オンサイト保守は企業の競争力を左右する重要な要素となっている一方で、多くの企業が保守業務に関して深刻な課題を抱えているのが実情です。まずは、オンサイト保守の基本的な定義と企業が直面している主な課題を見ていきましょう。
そもそもオンサイト保守とは?
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オンサイト保守とは、顧客先や機器の設置場所に技術者が直接訪問して修理・点検を行う保守サービスのことです。「オンサイト」は「現場で」という意味を持ち、機器やシステムが実際に稼働している場所で作業を行うことを指します。IT業界でよく使われる用語ですが、製造業などにおける「訪問保守」「出張保守」も同様の概念に含まれます。 機器の複雑化やシステムの高度化が進む現代において、迅速かつ確実なオンサイト保守の重要性はますます高まっています。 |
課題①:深刻化する「人手不足」と採用・育成コスト
製造業をはじめとする多くの業界で、技術者の人手不足が深刻な問題となっています。採用市場における競争は激化しており、求人を出しても応募者が集まらない、または採用に至らないケースが多く見られます。特にオンサイト保守の分野では、単なる人手の確保だけでなく、専門知識と実務経験を兼ね備えた人材の獲得が極めて困難です。仮に採用できたとしても、新入社員が即戦力となるには、研修やOJT、現場での実務経験などかなりの時間とコストが必要となります。
課題②:技術の「属人化」とサービス品質のばらつき
オンサイト保守における重要な課題の一つが、特定の技術者にのみノウハウが蓄積されてしまう「属人化」です。属人化が進むと、担当者のスキルレベルや経験によってサービス品質にばらつきが生じ、顧客満足度の低下や企業の信用低下につながる可能性があります。また、技術者が退職した場合に貴重なノウハウが失われてしまうリスクも存在します。
課題③:全国展開の壁となる地理的・時間的制約
事業の全国展開を目指す企業にとって、地理的・時間的制約は大きな障壁となります。遠隔地の顧客から修理依頼があった場合、自社の技術者が現地に到着するまでに時間がかかり、迅速な対応が困難になります。特に緊急性の高い故障の場合、対応の遅れは顧客の事業活動に深刻な影響を与える可能性もあるでしょう。
また、遠方への出張には移動に伴う交通費や宿泊費などのコストが発生し、保守サービスの収益を圧迫する要因となりかねません。さらに人手不足の状況下では、限られたリソースを遠方の案件に投入することで、他の顧客への対応が遅れるという悪循環も発生しやすくなります。
オンサイト保守の課題解決方法
オンサイト保守の課題に対して、自社内で解決を試みる方法もあります。ここでは、自社で行える解決方法とその効果について解説します。
自社での採用強化と教育体制の整備
もっとも一般的なアプローチとして、自社での採用活動を強化し、社内の教育体制を充実させる方法があります。この方法の最大のメリットは、社内に技術やノウハウを蓄積できることです。採用と教育を強化することで、長期的に安定したサービス提供が可能になります。
ただし、上述したように採用した人材を即戦力レベルまで育成するには時間とコストが必要です。加えて、保守業務の繁閑差に合わせた人員確保は難しく、根本的な人手不足の解消は困難な場合が多いでしょう。
サービス拠点の全国増設
地理的制約を解決するために、全国各地にサービス拠点を増設する方法もあります。拠点増設のメリットは、地方顧客への対応スピードが格段に向上することです。各地域に技術者を配置することで、移動時間を大幅に短縮し、緊急時にも迅速な対応が可能になります。
一方で、拠点増設には莫大な初期投資と維持コストが発生し、各拠点で十分な人員を確保することも大きな課題です。拠点を増やしたものの、十分な人員を配置できずにサービス品質が低下してしまうリスクもあります。
これらの自社努力による解決策は、一定の効果は期待できるものの限界があり、根本的な解決には至らないケースが少なくありません。では、どうすれば効率的かつ効果的に課題を解決できるのでしょうか。
オンサイト保守をアウトソーシング企業に委託するメリット
専門のアウトソーシング企業への委託は、保守業務における課題を効率的に解決できる有効な選択肢です。なぜアウトソーシングが効果的な解決策となるのか、具体的なメリットをご紹介します。
人手不足の解消
アウトソーシングの最大のメリットは、慢性的な人手不足を即座に解消できることです。アウトソーシング企業は、既に豊富な経験と専門スキルを持つ技術者を多数抱えています。自社で採用・育成する手間やコストをかける必要がなく、即戦力となる技術者を確保することが可能です。特に全国規模のネットワークを持つアウトソーシング企業を選択すれば、これまで自社だけでは対応が困難だった遠方エリアもカバーできるようになります。
属人化の防止と安定したサービス品質
アウトソーシング企業の多くは、長年にわたって保守サービスを提供してきた経験から、高度に標準化された業務プロセスを確立しています。定期的な技術研修や資格取得支援、最新の技術動向に対応した知識更新も組織的に行われているため、担当者によるサービス品質のばらつきが生じにくく、高品質なサービス提供を維持することが可能です。
場所や時間にとらわれない、迅速な駆けつけとコストの最適化
全国規模のアウトソーシング企業は、戦略的に配置された拠点ネットワークを活用して、効率的なサービス提供を実現しています。顧客にもっとも近い拠点から技術者が駆けつけるシステムにより、移動時間が短縮し、対応スピードが劇的に向上する点が大きな強みです。自社で同様の体制を構築するには、交通費や宿泊費、人件費といった膨大なコストが必要ですが、アウトソーシングにより費用対効果の高いサービスを受けることができます。
アウトソーシングは「企業の新たな成長」にも効果的
オンサイト保守のアウトソーシングは、単なる課題解決だけでなく、企業の戦略的な成長にも大きく貢献します。
自社のリソースを「コア業務」に集中
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保守業務をアウトソーシングすることで、保守業務の管理や運営から解放された人材やコストを、本来注力すべきコア業務に再配置することができます。 製品開発やマーケティング活動、新規事業開発といった付加価値の高い業務に貴重な技術人材を集中させることは、競争力向上の観点において極めて重要です。リソースを企業の成長に直結する重要な業務に割けるようになると、より効率的な組織運営の実現が期待できます。 |
顧客満足度の向上による、企業競争力の強化
迅速かつ高品質な保守サービスは、製品やサービスの大きな付加価値となり、長期的な取引関係の構築につながります。顧客満足度が向上することで、既存顧客からの紹介や口コミを通じた新たな市場への展開も期待でき、新規顧客の獲得や事業拡大にも寄与するでしょう。さらに、自社の人的リソースを保守業務から解放することでより戦略的な業務に集中できるようになり、競合他社との差別化を図る高付加価値の提案や対応が可能となります。
オンサイト保守のアウトソーシングはJBサービスへ
オンサイト保守のアウトソーシングは、単なる人手不足解消やコスト削減策ではなく、企業の持続的成長を支える重要な経営戦略の一つとして位置付けることができます。保守業務の課題に悩まれている企業の担当者の方は、自社の保守体制を見直す第一歩として、まずは専門のアウトソーシング企業に相談してみてはいかがでしょうか。
JBサービスでは、全国40か所以上のサービス拠点から技術員がスピーディに現地駆け付けできる、オンサイト保守サービスをご提供しています。修理・部品交換、障害復旧を迅速かつ適切に実施します。
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