テレワークにおける隠れ残業(ステルス残業)のリスクは?対策方法も紹介

更新日 : 2025年01月07日

テレワーク

隠れ残業(ステルス残業)は、従業員が自ら勤務時間外に仕事を行うことをいい、正確な残業時間を把握できないことが近年問題となっています。企業としては隠れ残業を発生させないために、従業員の労働時間を適切に管理し、働きやすい環境を整える対策を講じることが重要な課題とされます。

今回の記事では、隠れ残業が増加している理由とともに、テレワークにおける隠れ残業のリスクや企業ができる対策方法についてご紹介します。

隠れ残業・ステルス残業とは

頭を抱えるビジネスマン

隠れ残業・ステルス残業とは、従業員が職場に申告せずに休日や勤務時間以外に自主的に業務を行うことをいいます。具体的には、退勤の打刻後に業務を行う、残業時間を過少報告する、職場に黙って自宅に仕事を持ち帰って作業するなどが挙げられます。

近年では、情報通信技術(ICT)の進展やテレワークの普及により、場所を問わない働き方が広く浸透しました。職場以外の場所でも柔軟に働けるようになった一方で、隠れ残業を引き起こしやすい環境を作り出しているのが現状です。

隠れ残業とサービス残業の違い

隠れ残業と似た言葉として、サービス残業があります。どちらも無償で従業員が働くという点で似ていますが、それぞれ明確な違いがあります。サービス残業とは、上司や職場からの指示もしくは圧力によって従業員に勤務時間外労働をさせることです。一方で隠れ残業とは、上司や職場からの指示ではなく、従業員が「自主的に」勤務時間外労働を行うことです。どちらにしても、企業側はこの問題に対してしっかりと対策を講じる必要があるといえます。

隠れ残業が増加している理由

まずは、隠れ残業が増加している理由について見ていきましょう。

「働き方改革」による労働時間の制限

働き方改革は、労働環境を整えて従業員のワークライフバランスを確保することを目的とした取り組みです。これにより、多くの企業で労働時間の制限や長時間労働の是正が進められています。ただし、従業員に求められる業務量が減ったというわけではありません。企業からは残業時間を削減するよう呼びかけられている一方で、勤務時間内に業務が終わらず、隠れ残業が発生するケースが多くなっています。

リモートワークやテレワークの普及

昨今、働き方の多様化によってリモートワークやテレワークを導入している企業が増えています。しかし、リモートワークやテレワークは従業員の労働時間やリソース状況を把握することが難しく、なかなかマネージャーの目が行き届きません。このように職場以外の場所でいつでも作業できる環境は、従業員の自己管理能力に委ねてしまう部分もあるため、隠れ残業に対する対策が困難となりやすいです。

業務効率化ができていない

勤務時間内に対して明らかに業務量が多い場合、企業全体で業務の削減・改善を行って効率化を図らなければなりません。業務効率化を目指すには、適切なツールの導入や外注委託といった方法があります。しかし、このような取り組みが実施されていない職場では、隠れ残業が蔓延化する原因となるでしょう。

隠れ残業で発生するリスク

隠れ残業は、企業側と従業員側の双方に以下のようなリスクを引き起こす可能性があります。

企業側のリスク

隠れ残業は、従業員からの申告がないため企業側が把握できていないことが多く、残業分の給与が支払われません。しかし、法定労働時間を超えたら、企業は従業員に対して残業代を支払うことが義務付けられています。たとえ従業員が自主的に隠れ残業を行っていたとしても、残業代の未払いは労働基準法違反として企業側への責任が問われてしまいます。また、隠れ残業を行っている従業員は、体調不良やモチベーションの低下から離職するケースもあるでしょう。隠れ残業が発覚すれば、企業の社会的信用やブランドイメージの低下に大きく影響する可能性が高いです。

従業員側のリスク

隠れ残業は、長時間労働によってさまざまな健康被害を及ぼすリスクがあります。過剰な労働が続くと十分な休息がとれず、ストレスの蓄積によって身体的・精神的な問題から休職や退職へと繋がるケースも少なくありません。隠れ残業している従業員は、勤務時間外に働かなければならない、職場に残業申告しにくいといった理由から自分の時間を削って仕事をしている状況です。周囲になかなか相談できず、一人で仕事を背負っている場合も多いでしょう。

また、隠れ残業に関して企業側は把握が難しいため、隠れ残業を行っている従業員への残業分の賃金の支払いがありません。これにより、従業員の仕事に対する意欲やモチベーションが低下してしまう可能性もあります。

企業ができる隠れ残業対策

企業が隠れ残業を防止するためには、適切な労働環境を整えることが非常に重要です。ここでは、企業ができる具体的な隠れ残業対策をご紹介します。

労働時間についてのルールの徹底化

時計 法定労働時間を超えないようルールを徹底することは企業の法的義務であり、従業員の健康を守るためにも必要不可欠な対策です。改めて従業員に対して労働時間についてのルールを周知し、隠れ残業によるリスクについて認識してもらいましょう。どうしても残業が必要な場合には、上司への申告方法や残業時間の上限を明確にし、無断で残業が行われないようにすることが大切です。

PCログ管理などによる勤怠管理の導入

隠れ残業を防止するためには、従業員の勤怠管理方法について見直し、適切な勤怠管理システムを導入することも重要です。勤怠管理システムには、タイムカードや生体認証の他、PCの利用状況を取得できるPCログ管理などが挙げられます。これにより正確な残業時間を把握することができ、隠れ残業を防止することが可能です。

業務量や目標の見直し

隠れ残業を行う従業員の特徴として、労働時間と業務量が見合っていないケースが非常に多いです。従業員一人ひとりが担っている業務量や目標設定が適切かどうかを見直すとともに、無駄な作業があれば改善・効率化することで、残業時間を削減することができます。また、業務内容やタスク管理については上司やチームと共有し、状況に応じて業務量を配分することも大切です。

ノンコア業務のアウトソーシング(外部委託)

社内の人員や体制と業務量のバランスが適切でないことで、隠れ残業やサービス残業が発生している状況は、多くの企業に見られる課題です。しかし、現有のビジネスの維持や将来のビジネス拡大を考慮すると、容易に人員増強に踏み切れない企業も存在するでしょう。

サービス品質と従業員のワークライフバランスを保ちつつ、業務効率化とビジネス拡大を両立させる方法として、アウトソーシングの導入もおすすめです。

現在の人員リソースでは対応しきれない業務や、バックオフィス業務などのいわゆるノンコア業務をアウトソーシングすることにより、従業員はコア業務に集中することができます。

まとめ

隠れ残業およびサービス残業が蔓延化してしまうと、企業にとっても従業員にとってもさまざまな悪影響を及ぼす可能性があります。この問題は決して放置せずに、労働環境の整備に向けた対策を講じることが必要です。

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