コールセンターを無人化するには?アウトソーシングやAIチャットボットなど無人化の方法を解説

更新日 : 2024年01月19日

コールセンターコールセンターといえば、多数のオペレーターが必要というイメージがありました。相次ぐ入電に対し、できるだけ多くの人数で受け付けるという体制が主流だったといえます。

しかし近年ではチャットボットなどが普及し、人による通話に頼らなくても問い合わせ対応が可能な仕組みが増えてきています。

この記事では、コールセンターの無人化についてくわしくご紹介します。「コールセンターの人員不足が深刻」「コールセンターを無人化するなんて可能なの?」などのお悩みをお持ちの方は、ぜひご参考にしてください。

コールセンターの陥りがちな課題

コールセンターを運用する際には、さまざまな課題に陥る可能性があります。

顧客を待たせてしまう

まず挙げられる課題として、特定の時間に入電が集中してしまい受け付けきれなくなる「あふれ呼」があります。不足なくオペレーター人員を備えていても、対応しきれないという事態は想定しておく必要があるでしょう。

人手不足になりやすい

コールセンター業務は、就職後90日以内での離職率が高い職場といわれています。人員の定着率が低くなりすぎると、慢性的な人手不足の状況が生まれてしまい、通常の業務にも対応しにくいという事態を招いてしまうことがあります。また採用が難しい職場でもあることも人手不足に陥りやすい原因です。

(参考:CALLCENTER JAPAN 2019年1月号特集

応答の質に差が出てしまう

オペレーターの習熟度や勤務期間などにより、対応の質にギャップが生まれてしまうことも課題となり得ます。回答レベル・レスポンスに偏りが生じることで、全体的な応答の品質に影響を及ぼしてしまうこともあるでしょう。

24時間の稼働が難しい

自社内のオペレーターによる対応に体制を限定していると、24時間稼働は難しいものとなりがちです。できるだけ多くの人員を確保しなければなりませんし、深夜・早朝の配置はコスト増にもつながります。

属人化が生じやすい

コールセンターの現場では、複雑な業務は習熟度の高い人員に任せるという状況を招きがちになります。特定の対応や作業はできる人が偏ってしまい、その人がいないと業務がうまく回らないということが常態化してしまう可能性があるでしょう。

業務効率が低い

コールセンターでの対応の種類によっては、処理時間が長くなる場合があります。それらを効率化することは難しく、特定の対応が長引くとその分ほかの入電に出られなくなってしまうでしょう。

コールセンターを無人化する目的

利用者の女性

前の項目でご紹介したような課題を解消するためには、さまざまな対策が考えられます。なかでも、有効策となり得るのが「コールセンターの無人化」です。

ここでは、コールセンターを無人化して運用することの目的について、くわしくご紹介します。

人手不足の解消

コールセンターを無人化するといっても、すべての業務において完全に人員ゼロとすることは困難です。しかしそのようななかでも、一部の業務だけを無人化することは可能でしょう。例えば受付や担当窓口への振り分けなど定型業務を無人化するだけでも、必要な対応のみに人員を割くことができるため効率化につながります。新人の教育面でも、少数の人員に対しじっくり時間とコストをかけられるため、離職率の低下も期待できます。

また、営業など他部署の従業員がコールセンターを兼務している場合は、効率化によって本来の業務に集中することが可能となるでしょう。

顧客満足度の向上

コールセンターを無人化して自動応答システムなどを整備することにより、顧客を待たせる時間の削減が期待できます。また、土日など人員が休んでいる日の問い合わせも可能となり、顧客が抱える問題をスムーズに解決できるようになるでしょう。

コールセンターを無人化するには?

チャットボット

現状、多くの人員を割いてコールセンターを運用している企業にとって、無人化を図ることは困難に感じるかもしれません。しかし、コールセンターの無人化をスタートさせるにはさまざまな方法や規模があります。自社で始めやすい方法から検討し、スモールスタートで徐々に実施していくことも1つの手でしょう。

ここでは、コールセンターを無人化するためのおもな方法についてご紹介します。

IVR(音声自動応答)を利用する

音声自動応答は、すでに多くの企業で取り入れられている方法です。自動で流れるアナウンスから問い合わせ内容に応じて適正な選択肢を選んでもらい、適した応答を行えるオペレーターに接続するという手順で行われます。

しかし、自動応答のなかに適した選択肢がないケースがある場合や、オペレーターにつながるまで時間を要する場合もあるため、それらのデメリットを把握した上で運用する必要があります。

SMSを活用する

電話で応答する代わりに、携帯電話のSMS(ショートメッセージサービス)を活用して受け答えをする方法です。時間を問わず連絡を取り合えたり、有人対応を省けたりするメリットがありますが、すべての対応をSMSで行うのは難しいため、ほかの選択肢とあわせて活用することが必要になります。

アウトソーシング(受付代行)を利用する

自社で人員を割かず、受付代行サービスを利用して応答業務を一任する方法です。技術的な問い合わせや、専門的な内容の問い合わせを代行してもらえる利点があります。

また、対応に関してもマニュアル化されているため、オペレーターによって応答品質に差がないこともメリットとなり得ます。

AIチャットボットや自動応答を活用する

いずれも、近年飛躍的に発達しているAI技術を活用した方法です。AIチャットボットは文字入力での受付となり、自動応答はAIが音声認識技術によって会話を自動化します。どちらも、コールセンターの有人対応業務を自動化できるメリットがあります。

問い合わせする顧客側から見ても「24時間いつでも問い合わせができる」「文字を打つだけでスマートに問い合わせできる」など利便性が高く、ストレスを減らせるでしょう。

AIに学習させることでより複雑な問い合わせにも対応できるようになり、回答レベルの均一化も可能です。

自社の環境や課題に合った方法を選ぼう

コールセンターの無人化を始めるにはさまざまな方法がありますが、それぞれ注意点もあります。導入に際してはそれらも押さえておき、対処法を検討した上で取り入れるようにするとよいでしょう。

たとえばアウトソーシングを活用する場合は、コストを確認して自社対応の場合と比較して外注先を選定する必要があるでしょう。またAIチャットボットを取り入れる際には、自社が提供したいサービス内容に合うよう、プランニングをしっかりと行う必要があります。

いずれのケースでも、導入までに準備期間が必要なためスケジュールをしっかり立てましょう。

これらの計画に基づき、自社で有する環境や抱えている課題、割けるコストに見合った方法を選ぶようにしてください。

まとめ

コールセンターを無人化する方法は多岐にわたりますが、いきなり全面的な無人化を図ることは容易ではありません。取り入れられるものから自社に合う方法を慎重に選び、段階的に効率化を実施していく方法がおすすめでしょう。

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また、お問い合わせ対応の自動化に役立つ「AIチャットボットサービス」もご用意しています。有人コールセンター・ヘルプデスクの運用経験を持つAIの専門家がQAデータのチューニングを行うため、回答精度の高い対応が可能。メンテナンス・サポート体制も充実しています。

コールセンター業務の効率化でお悩みであれば、ぜひお気軽にご相談ください。

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