保守委託とは?委託のメリットとパートナーの選び方
更新日 : 2024年11月12日
製品の顧客満足度向上のためには、販売だけでなく製品への問い合わせ対応やメンテナンスのサポートを行うことも大切です。しかし自社のみで保守体制を整えようとすると、人材面やコスト面で壁にぶつかってしまうでしょう。企業の成長を図りたいときに保守で手一杯となるのは避けたいところです。
自社で保守体制を維持するのが難しいのであれば「保守業務を外部に委託する」という選択肢が有効です。この記事では、保守委託のメリットや委託業者の選び方についてご紹介します。
保守委託とは
まず、保守の範囲と委託の定義についてご紹介します。
保守とは
保守とは、機器やITシステムなどに発生した障害に対応し、早期復旧を行うことです。機器の場合は平時のメンテナンス業務(正常に動作するための点検・部品交換など)も保守に含まれますが、ITシステムの場合には運用=平時の運用、保守=トラブル対応というように、明確に区別されます。
保守では、機器やITシステムの改善点を検討し、ミドルウェアや仕様のアップデートを行います。機器やITシステムに対するユーザーからの要望に対応することも業務のひとつです。
ほかに下記のようなことが保守業務に挙げられます。
- コールセンター業務
- キッティング(※1)
- リモート監視
- センドバック修理(※2)
- 機器回収
ほか
※1キッティング:PCやタブレットなどのデバイスに各種設定やソフトウェアのインストールを行うなどして、デバイスを使える状態まで準備すること
※2センドバック修理:利用者がメーカーに故障した機器を送り、メーカーが機器の修理や交換を行って機器を返送すること
保守委託とは
保守委託とは、文字通り保守の業務を外部に委託すること、つまりアウトソーシングです。保守サービスは、「メンテナンス代行」や「メーカー保守期間終了後の延長保守」など、さまざまな名称で展開されています。
保守を委託する背景
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保守を委託する背景は、自社内で保守体制を維持する際の課題と重なります。 人材不足を解消したい障害対応は予期せぬときに突然起こるため、リソースを取られがちです。営業や業務改善などを行いたくても、障害の問い合わせへの対応に時間をとられコア業務に集中できない状況になりえます。また保守業務は属人化しやすい傾向があるため、新たな人材が保守業務に参画しても引き継ぎが困難となりやすく、人材育成にも時間がかかってしまいます。 |
新たなエリアへ事業を展開したい
自社での保守体制を維持するには、製品の売れ行きに関わらず、コストがかかります。新たなエリアへ事業を展開し、製品の販売エリアを拡大したいとなった場合、保守対応のための拠点を増やす必要があります。保守業務が可能な人材をすべての拠点に配置するには、時間とコストがかかるでしょう。
専門的な知識が必要
機器の障害は予測が難しく、偶発的に発生する場合があります。機器を迅速に復旧させるには障害の発生源を特定するだけのスキルが必要ですが、昨今のビジネス環境はハードウェア、ネットワーク機器、PCなどのデバイスまでさまざまなベンダーの機器が使われています。そのため保守人員には最新の専門的知識が求められるのです。
保守を外部委託するメリット
保守のアウトソーシングには、コスト削減や拠点確保といったメリットがあります。
コストの削減
保守業務を外部委託すると、自社で保守体制を保つよりもトータルコストを削減できます。たとえば障害が起こった際に無関係の機器に対しては交換を行わないなど、必要な作業を見極めてITコストを最適化できます。外部委託すれば保守業務を行う人材を新たに雇う必要もなくなり、育成コストを削減することも可能です。
自社で拠点を持たずに全国展開できる
外部委託先によりますが、外部委託を行うと自社で拠点を持たずに全国へ自社製品・サービスを展開できます。自社で日本全国に拠点を設置すると多大なコストと人材が必要ですが、スキルを持った人材が確保できなければ十分なサービスを提供できない可能性もあります。その場合は全国に拠点がある外部の専門業者に委託するほうが、メリットが大きくなるでしょう。全国展開でなくても、展開したい地域をカバーしている専門業者を探すことも有効です。
一部だけの保守委託も可能
外部委託先のサービスによりますが、自社で対応しきれないところを外部委託するという使い方もできます。たとえば土日や祝日・夜間のみ、コールセンター業務のみというように、特定の時間帯や保守業務の一部を外部委託することも可能です。
人材をコア業務にあてられる
保守業務を外部委託することで、保守業務を兼務していた人員が本来の業務に集中できるようになります。保守だけでなく利益が見込める業務により人員を割ければ、事業の収益性向上につながるでしょう。
保守品質の向上
特にITシステムの保守においては、IT技術の進歩が早いため社内の人材ではスキル面で不十分となることもあります。外部委託であれば最新技術・情報をキャッチアップしているため、必要な改善に素早く対応できるようになり、保守サービスの品質向上につながるでしょう。
また自社だけの体制では土日や夜間の対応が難しい場合でも、24時間365日対応が可能な外部委託先に依頼すれば、より付加価値の高い保守サービスを生み出せます。
保守委託の注意点とパートナーの選び方
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保守委託をする際は、どのようにパートナーとなる委託先業者を選べば良いのでしょうか。保守委託の注意点と選び方のポイントをご紹介します。 【注意点】保守の範囲・委託する範囲を明確にする保守を委託する前に、委託したい業務を明確にする必要があります。自社が望む「保守」の範囲と、委託先の業者が考える保守の範囲が異なることもありえます。たとえば自社では「保守」に「運用」や「業務改善」も含まれていると考える一方で、委託先業者は「トラブル対応のみ」という認識であるかもしれません。 またすべての保守業務を外部委託すると、自社にノウハウが溜まらない場合もあります。自社に技術的スキルを蓄積したい意向があるのであれば、ある程度委託する範囲を限定することも検討しましょう。 |
【選ぶポイント】対応エリア
委託先業者を選ぶには、製品を展開したいエリアをその企業がカバーしているかどうかがポイントのひとつです。全国に拠点があるのか、それとも一部地域に強みがあるのかを確認しましょう。エリアによって保守を委託する業者が異なるとスキルのばらつきが起こり、業者ごとに教育が必要になります。製品を展開する予定のエリアが広いのであれば、全国に拠点がある業者を選ぶとよいでしょう。
【選ぶポイント】対応時間
委託先業者の対応時間も考慮したいところです。夜間や休日も含め24時間365日対応ができるとアフターサービスの品質向上につながります。年中無休の対応ができない代わりに、AIチャットボットを併用している業者もあります。
【選ぶポイント】対応する人員のスキル
委託先に、自社が属する業界の知見や業務知識を有する人員がいるかどうかは重要です。もし委託先に業界の知見がない場合には、教育の期間やコストが必要となります。既に業界の知見やスキルのある業者を選べば、準備期間の短縮と教育コストの削減が可能です。
JBサービスの保守委託の強み
JBサービスでは、あらゆる機器のメンテナンス代行サービスを行っています。
IT機器や業務用機器、医療機器などさまざまな機器に対応可能。24時間365日体制のコールセンターを有し、障害等の対応が必要になった場合には、全国のサービス拠点からエンジニアが駆け付けます。キッティングから障害受付、テクニカルサポートや修理といったご支援や、メーカー保守期間終了後の延長保守サービスも行っています。
保守業務に悩む方はぜひ一度JBサービスまでお問い合わせください。