サービスロボットとは

更新日 : 2024年04月10日

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「ロボット」というと、アニメやSF映画に登場するキャラクターや工場の生産ラインで動く大型のものを思い浮かべる方も多いと思いますが、近年のAIや自動化技術の目覚ましい進歩により、私たちの身近な日常生活やビジネスシーンに急速な勢いで浸透しはじめています。

今回は、ロボットの中でも、今後も大きな期待が寄せられている「サービスロボット」について、活用事例やメリットなどをご紹介します。

目次

    1. ロボットの語源と発展の歴史
    2. サービスロボットとは - 産業用ロボットとの違い ー
    3. サービスロボットが必要とされている理由
    4. サービスロボット導入のメリット
    5. サービスロボット導入の注意点
    6. サービスロボットのメンテナンスの必要性
    7. まとめ

 

ロボットの語源と発展の歴史

ロボットの語源は、チェコ語で労働を意味する「robota(ロボタ)」や、スロバキア語で労働者を意味する「robotnik(ロボトニーク)」などから作った造語で、チェコの作家カレル・チャペックが1920年に発表した戯曲「R.U.R.(ロッサム万能ロボット会社)」の中で初めて登場しました。

小説の話でしかなかったロボットが実用化されたのは1954年にアメリカで発表されたプレイバックロボットで、動作を記録し、再生させる事によって作業を行う装置でした。

日本に輸入されたのは高度成長期であった1960年代後半で、労働力不足を解消を目的として急速に普及していきました。現在のロボットの定義は、2006年に経済産業省が定めたもので、「センサ、駆動系、知能・制御系の3つの技術要素(ロボットテクノロジー)を有する機械システム」を指します。

 

サービスロボットとは -産業用ロボットとの違い-

①産業用ロボット

ロボットには大きく分けると2つの種類があります。

1つは「産業用ロボット」です。

産業用ロボット

産業ロボットとは、工場などの生産現場で、加工、組立、溶接、搬送、検査、洗浄などを人間の代わって行う機械装置です。食品や電気・電子デバイス、自動車など多種多様な業界で導入されており、日本は世界で最も産業用ロボットを生産し、稼働させている国の一つです。

ロボットの構造は、日本工業規格(JIS)により明確に定義付けされていて、基本的に人間の腕に似た「マニピュレータ」という可動軸(関節)を備えた本体と、制御ボックス、プログラムなどの操作・調整を行う「ティーチングペンダント」の3つで構成され、教えた動作を繰り返し行うという方法で動作します。

②サービスロボット

もう1つが「サービスロボット」です。

サービスロボット産業用ロボットが、人間に代わって作業するのに対して、サービスロボットは、人間が行う作業や動作を支援を行うことを目的としています。具体的な構造的定義は決められていませんが、教えた動作を繰り返し行う産業用ロボットとは異なり、音声対話や画像認識によって人間とコミュニケーションを取ったり、日常生活のサポートをしてくれたりします。

サービスロボットと産業用ロボットとの大きな違いは働く場所です。人間と近い距離で動作することが求められるため、安全性が重視されます。

最近では、主に公共施設や会社の受付、飲食店やショッピングセンター、ホテル、一般家庭にも導入されており、清掃や接客、警備、運搬、介護などのサービスを提供しています。

  

サービスロボットが必要とされている理由

サービスロボットは、AI、自立移動などの技術の向上、少子高齢化による深刻な労働力不足を背景に、新型コロナウイルス感染予防策としての非接触、遠隔操作・モニタリニーズの高まりが後押しとなり、大手電機系から、ベンチャー系、欧米や中国などの海外メーカーまで、各社が製品開発に凌ぎを削り、一気に市場が拡大しました。

従来から研究開発や実用化の取り組みがなされていたサービス分野や介護・医療分野に加え、流通業、金融業、観光業等の幅広い業種でも、顧客満足度向上、付加価値向上を目的とした活用が模索され始め、ロボットの活躍の場がますます広がりつつあります。

 

サービスロボット導入のメリット

1.労働力不足の解消

サービスロボットは、夜間、休日も休むことなく人間に代わって動いてくれるため、労働力不足、人手不足を解消することができ、人材募集の手間やコスト、残業代などの人件費も削減することができます。

2.生産性の向上

サービスロボットは、人間では困難な重い物の搬送や、過酷な環境での作業も可能なため、生産性の向上が期待できます。また熟練者を単純作業に従事させることがなく、他業務に注力させることが可能になります。

3.業務水準の統一

サービスロボットは、人間のようなうっかりミスや疲労による品質の低下、熟練度の違いやモチベーションなどによる品質のばらつきが発生しないため、作業品質・業務水準を一定に保つことが可能になります。

4.データとの連携

サービスロボットは、ロボット間や作業場所に設置されたカメラや様々なIoTデバイスとのリアルタイムなデータ連携が可能なため、これらのデータを収集・分析を行うことで、業務の最適化や利用者の利便性向上、サービス品質の改善などにに役立てることが可能になります。

5.顧客満足度向上

従来行っていた単純な作業をサービスロボットに任せ、人間はより細やかな接客や高度なサービス提供に時間を費やすことが可能になるため、サービスレベル、顧客満足度の向上が期待できます。またサービスロボットは、可愛らしい見た目や、おしゃべりなどのエンターテイメント性により、利用者に楽しみや安らぎを与えることもできるため、売上拡大や新規顧客獲得効果も期待できます。

 

サービスロボット導入時の注意点

非常に多くのメリットが期待できるサービスロボットですが、導入する際は、以下のような点について十分な検討が必要です。

1.導入目的の明確化

サービスロボットを導入する前に、まずは何のためにロボットを導入するのか、目的を明確化する必要があります。ロボットの展示会やショールームなどに足を運び、どのような業務で、どのような用途に、どのような効果を期待するかを十分検討したうえで、最適な機種を選択すべきです。

2.導入コスト

サービスロボットの導入には、ロボット本体以外にも周辺装置や安全対策費、保守・運用費(メンテナンスや故障対応)技術者の育成などの費用も必要です。

経済産業省や地方自治体、民間団体などから、さまざまな助成金・補助金制度が発表されていますので、活用するとよいでしょう。また、予算の限られる中小企業のために、レンタルやリースだけでなく、必要な期間、必要な台数だけのロボットを手軽な価格で導入できるサブスクリプションや RaaS(Robotics as a Service)といった新しい利用形態も広まってきています。

3.稼働環境の整備

サービスロボットが円滑に稼働し、業務を遂行できるようにするには、段差や通路の幅、床の材質、照度、Wi-Fi、別フロアへの移動手段などのロボットフレンドリーな施設環境の整備も必要です。

4.協働する現場スタッフの理解

人間による長年のノウハウやオペレーションが既に確立されている現場に、サービスロボットを導入する際には、現場のスタッフの理解や事前の情報共有が重要になります。人間がやっていた作業をロボットに取られてしまうという危機感から、ロボット導入への反発も想定されます。ロボットに対する違和感・嫌悪感を取り除くための十分な説明と期間を設け、受入れ体制を確立した上で導入を進めましょう。

5.PDCAサイクル

サービスロボットに対し、導入前に過度な期待を持っていたために、実際にできる作業との間に大きなギャップが生じ、目に見える効果が短期間で得られず、継続利用を断念してしまう企業も多いと言われています。サービスロボットは、人間の作業を丸ごと代替させるものではなく、人間との協働によって作業効率を上げるものと捉え、人間がロボットとうまく協働できるか、ロボットが人間の妨げにならないか、導入効果が得られるかを検証しながら、PDCAサイクルを回していくことが必要です。

 

サービスロボットのメンテナンスの必要性

サービスロボットは、機械である以上、経年劣化による動作不良や、人間なら気にならないようなちょっとした作業環境の変化でも、正常稼働が難しくなるケースがあります。導入後もを安全かつ安定的に稼働させるために日常点検や定期点検の実施が不可欠です。

そのためには、自社内に運用管理者を設置し、基本的な運用技術を習得させる必要があります。また誤動作や故障が発生した場合に、すぐに修理や交換などのサポートが受けられるかを確認しておきましょう。

 

まとめ

サービスロボットは、労働力不足解消や感染症対策などの社会課題の解決と、新たなビジネス創出の切り札として、今後ますます活躍の場を広げていくと思われます。

JBサービスでは、さらなるサービスロボットの活用・普及に貢献するために、サービスロボットの導入・メンテナンス代行サービスを提供しています。配膳ロボット、搬送ロボットなどの導入前検証サポートから、障害受付コールセンター、定期点検、予備機保管・配送、現地での修理、交換作業などをサービスロボットメーカーやSier様に代わって実施いたします。

サービスロボットを活用した新たなビジネス展開をご検討されているお客様は、JBサービスまでお気軽にお問い合わせください。

RobiZy弊社はロボットビジネス支援機構(Robizy)の正会員です。

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