コールセンター代行(委託)は価格の安さで決めていい?アウトソーシング先の選び方とは
更新日 : 2022年12月13日
業務が軌道に乗ってくると、顧客などからの受注や問い合わせに専従で対応するコールセンターの必要性を感じる企業も多くなるでしょう。しかし、コールセンターを新規で設けるとなれば、設置コストのほか従業員の確保や手引書の作成など、さまざまな手間もかかります。
そこで今回は、コールセンター業務の代行サービスについてご紹介します。上手に活用することで、自社内にコールセンター部署を構えることは現実的ではないと思っていた方も、業務委託によって的確な電話対応を実現できます。
コールセンター業務とは
コールセンターは、電話で顧客対応を行う窓口のことを指します。
顧客は対応を行ったオペレーターの接し方によって企業の印象や姿勢を感じ取るため、とても重要な業務です。顧客と直接やり取りをする場所のため、企業の顔とも言えるでしょう。
コールセンター業務には、インバウンドとアウトバウンドの2つに分かれます。
インバウンドとは受信のことで、お客様からの電話を受ける受電業務です。インバウンドコールセンターの業務は、お客様からの問い合わせ対応をしたり、申し込みや解約の受付を行ったりします。
アウトバウンドは発信のことで、企業からお客様へ連絡する架電業務のことです。アウトバウンドは、コールセンターから見込み客へのセールスを行ったり、顧客へのお知らせを行ったりします。
一般的にコールセンターというと、受電をするインバウンド業務を思い浮かべる方が多いでしょう。本記事では、基本的にはインバウンドのコールセンター業務にフォーカスして解説していきます。
コールセンターの代行とは
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コールセンター代行サービスとは、顧客からの電話対応を外部の専門業者が代行するサービスを指します。コールセンター代行サービスで委託できるインバウンド業務は、主に以下の通りです。
現在、これらの対応業務を営業や事務などの従業員が兼任で行っている企業なら、まとめて外部へ委託することで業務に集中して取り組めます。 |
コールセンター代行の料金
コールセンター代行を利用する場合、どのくらいの料金がかかるのでしょうか。ここでは、料金形態と併せて、相場を解説します。
コールセンター代行の料金形態(課金形態)
料金形態は、月額固定型と従量課金型、成果報酬型があります。
月額固定型
月額固定は、毎月の費用が定額で決められている料金形態です。ただし、決められているコール数をオーバーすると追加料金が発生する場合があるため、注意しなければなりません。
従量課金型
従量課金型は、1件の受電または架電をするごとに料金が発生する料金形態です。コール数が少ない場合は金額が抑えられますが、コール数が多い場合は費用が膨らみます。
成果報酬型
成果報酬型は、アポイントや受注といった成果に応じて料金が発生する料金形態です。一般的には、売り上げの一部を代行会社へ支払います。ただし、最低月額料金が決められていることも多く、売り上げが立っていなくても料金が発生する場合があります。
コールセンター代行の料金相場
料金相場は、料金形態によって異なります。
月額固定型の場合は、月に10~30万円が相場と言われています。
従量課金型は、1件あたり250円以上のケースが多いでしょう。
成果報酬型は、前述の通り、売り上げの一部を代行会社へ支払うのが一般的です。
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コールセンター業務を外部委託するメリット
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ここでは、コールセンターの業務について外部業者へ委託することのメリットをご紹介します。 |
【メリット1】コストを抑えられ、スピーディーに運用開始できる
社内コールセンターを新たに設立するには、場所や従業員の確保が必要です。場合によっては建物の建設など、さらに大きな費用や時間的な負担を強いられることもあるでしょう。
コールセンター業務を外部に委託すれば、導入時のコスト負担を抑えてすぐに運用を始められます。
【メリット2】自社従業員が本来の業務に集中できる
従来、電話対応をさまざまな部署の社員が兼務していた場合には、その時間的・労力的負担が本来の業務に影響しているケースも少なくありません。
電話対応業務をプロに一任することで、自社の従業員が各自の仕事に集中して取り組めるようになります。
【メリット3】柔軟な運用が可能
電話対応の案件数が時期によって変動しても、それに応じて業務量を柔軟に調整することが可能です。忙しい時期は多めに、忙しくなくなったら少なめにするなどその都度臨機応変に対応ができ、コストの調整にもつながります。
【メリット4】営業時間外の対応が可能
コールセンターを外部委託することで、自社の社員だけでは対応が難しかった夜間や土日・祝日といった営業時間外の対応も可能になります。
夜間や休日もコールセンター対応を行っていると、いつでも問い合わせができる安心感からお客様の満足度や企業への信頼につながります。
【メリット5】BCP対策
コールセンター業務の代行を依頼することはBCP対策にもなります。地震や台風といった災害により業務が停止すると、大きな損失を生むことがあります。特にインフラ関係の業種であれば、災害が原因でお客様からの問い合わせが殺到することも考えられるでしょう。
そこで外部委託先でも対応できるようにして自社のコールセンターと分散させておくことで、業務の全面停止を防ぐことができます。
コールセンター業務を外部委託するデメリット
では、コールセンター業務を外部委託することによるデメリットはあるのでしょうか。
【デメリット1】専門案件への対応は業者によって差がある
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電話対応のプロがそろっている代行業者とはいえ、得意とする分野とそうでない分野があることがあります。そのため、専門性の高い用件への対応は委託する業者によって、品質にばらつきが生じることもあるでしょう。 |
【デメリット2】社内従業員に技能やノウハウが身につかない
コールセンター業務を社外に業務委託した場合、電話対応の技能やノウハウは自社の従業員には伝わりません。業務委託によって品質の高い電話対応が実現できても、それが社内の資産として残らないという点もデメリットとして挙げられます。
【デメリット3】情報漏えいリスクがある
業務委託する場合、外部の従業員が自社の顧客情報や機密情報などを扱うことになります。情報が外部に渡ることで、情報漏えいのリスクが出てくるでしょう。機密情報や個人情報の扱いについては厳しいルールが設けられていることが多いですが、自社で取り扱うよりもセキュリティレベルが低いケースも考えられます。
外部委託を利用する際は、導入企業や創業年数といった実績を確認して信頼できるかどうか確認することをおすすめします。
【デメリット4】スピーディーな対応が難しい場合がある
イレギュラーな問い合わせやトラブルが発生すると、確認が必要となり、回答に時間がかかったりトラブルへの対応が遅れてしまったりする場合があります。
対応にスピード感がないと、顧客満足度の低下につながる恐れもあります。業務委託を依頼する場合は、柔軟に情報共有ができるかどうかを確認すると良いでしょう。
コールセンター代行サービスの選び方・注意点
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コールセンター業務の代行を検討する際には、どのような点に注意して業者を選定すると良いのでしょうか。ここでは、コールセンター代行サービスの選び方や、選定時の注意点についてご紹介します。 |
【選び方1】コストで比較する方法
単純に、初期費用やランニングコストなどの費用面で比較する方法です。
ただし「単に安いこと」だけで選定せず、価格そのものよりはコストパフォーマンス(費用対効果)を重視して選ぶことが大切でしょう。
【選び方2】業務内容で比較する方法
自社で望むサービスを提供してもらえるかどうかで、コールセンター代行サービスを選ぶ方法です。自社で取り扱う製品やサービスを理解し、見合った対応が可能な代行サービスを選ぶことがポイントと言えます。
【選び方3】品質・サービスで比較する方法
スタッフ数などの人員体制や、対応可能な時間・日程など、提供サービスそのもののクオリティーやニーズとの合致でコールセンター代行サービスを選ぶ方法です。
【選び方4】セキュリティで選ぶ方法
外部に業務を委託することで、情報漏えいのリスクを危惧する企業も多いでしょう。
預かった機密情報について、責任を持って取り扱ってくれるかどうかが重要です。セキュリティに関するガイドラインが、適正に設けられているコールセンター代行サービスを選ぶことをおすすめします。
【選び方5】専門性で選ぶ方法
専門性の高い製品やサービスを取り扱っているなら、専門的な案件にも強みを持ったコールセンター代行サービスを選定しましょう。
コストを抑えられることが業務委託のメリットでもあるので、つい価格で業者を選びたくなるものです。しかし、特徴ある製品やサービスに関する、専門性の高い内容に対応できるかどうかは無視できないポイントです。
まとめ
今回は、コールセンター代行サービスに関する概要をご説明し、コールセンター代行サービスを選定する際の注意点についてもご紹介しました。
「コールセンターを社内に作ることは現実的ではない」と思っていた企業も、コールセンター代行サービスをうまく活用することで高品質な顧客対応を低コストで実現できるかもしれません。
ただしコールセンター代行サービスには、対応範囲や得意分野、対応品質などに差があります。代行先を選ぶ際に、価格の安さだけで決めるのは危険です。専門的な案件に対応しているサービスもあるため、さまざまな要素で比較検討して最適なコールセンター代行サービスを見つけましょう。