人工知能(AI)・機械学習・ディープラーニングの違い・活用方法

更新日 : 2020年10月08日

第3次AIブーム

第3次AIブームである今、人工知能(AI)が頻繁にメディアで取り上げられています。

また、人工知能(AI)の他にも、機械学習やディープラーニングという言葉を耳にする機会が多いかもしれません。人工知能(AI)・機械学習・ディープラーニングの違いについて疑問に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、人工知能(AI)・機械学習・ディープラーニングの違いや活用方法をご紹介します。

人工知能(AI)

人工知能(AI)とは

人工知能(AI)人工知能(AI)とは、人間のような知能を人工的に作ったシステムまたはソフトウェアのことを指します。ただし、人工知能の定義は定まっておらず、明確な定義がない状況です。

人工知能(AI)に期待されていること

ビジネスでは、定型的なルーティン作業を人工知能(AI)に任せることで、人手不足による労働問題を解消できるといわれています。業務の一部を人工知能(AI)に任せることで、業務の効率化につながります。少ない人的資源を有効に活用できます。

人工知能(AI)の活用場面

家電

近年、人工知能が搭載された家電が増えてきています。ほとんどの家電で利用されているのが、単純な人工知能です。指示されたことに忠実に従い動作します。ただし、自らが学習する機能が備わっているわけではありません。

ゲーム

囲碁や将棋などのゲームの分野でも人工知能が活用されています。人工知能には、ルールを理解し判断できる機能が備わっています。人工知能があらかじめ与えられたルールに従い、ゲームを進めていくシステムです。

機械学習

機械学習

機械学習とは

機械学習とは、人工知能(AI)の技術の1つです。人工知能に大量のデータを学習させ、学習した結果から法則やパターンなどを見つけていきます。

計算式を暗記するだけではなく、たくさんのデータから事象の特徴や傾向を捉えていくのが機械学習です。

機械学習に期待されていること

大量のデータを学習して、法則やパターンを見つけ出します。機械学習は、予測やデータの分析などが得意です。需要予測やビックデータの解析はもちろん、医療ではデータに基づいて診断したり、情報セキュリティではウイルスを発見したりなどさまざまな分野での活用が期待されています。

機械学習の活用場面

異常検知システム

異常検知は、Webサービスへの不正アクセスや、クレジットカードの不正利用などをAIが察知します。他にも、映像で製品状況や、工場の稼働状況から異常を察知してくれる機械学習もあります。

マーケティング

機械学習はマーケティングでも活躍しています。市場データの把握しデータを分析、そこからユーザーニーズを把握します。また、曜日や天気などにより変わりやすい販売予測なども機械学習で行うことが可能です。

ディープラーニング

ディープラーニング

ディープラーニングとは

機械学習の中にもさまざまな技術があり、ディープラーニングはその1つです。ディープラーニングは、大量のデータをもとに、AIが自ら学習していきます。「深層学習」ともいいます。

これまでの機械学習は、大量のデータから結果までを人間が設定する必要がありました。しかし、ディープラーニングは、大量のデータを学習させるだけでAIが自動的に結果や規則などを予測することができます。

データの登録が必要ですが、これまで難しかったAIが自ら学習するということができるようになったのです。

ディープラーニングに期待されていること

機械学習の中でも、自ら学習するため、精度の高いAIシステムの構築が可能です。さまざまな分野にAI活躍させられることが期待できるでしょう。

例えば、自動運転システムの開発に役立つといわれています。これまで難しいとされていた標識や電柱と人などを区別できるようになり、自動運転システムの実現につながるのではないかと考えられています。

ディープラーニングの活用場面

自動言語処理

自動言語処理は、人が会話やメールなどでのやり取りで自然と使っている言語をコンピューターに処理することをいいます。会話はもちろんですが、画像に含まれている文字を認識させることも可能です。

音声認識

音声を認識するシステムです。ディープラーニングでは、事前に音声を登録し、大量のデータから音声のみで本人かどうかを判断することができます。ディープラーニングにより声紋認証の精度がアップしています。

画像認識

これまでも画像認識は可能でしたが、3割程度のエラーがありました。ディープラーニングの登場によりエラー率が減り、精度の向上が示されています。

ディープラーニングによる画像認識では、静止画や動画などから内容を認識させることが可能です。カメラに映し出されたものがどんなものなのかを、私たち人間のように認識します。

目的に合った活用方法

目的に合った活用方法

人工知能(AI)の活用方法

人工知能では、単純な制御プログラムや従来のAIシステムが利用したい場合に適しています。

掃除ロボット

掃除ロボットは、内蔵しているセンサーで、障害物を避けながら掃除していきます。これは、人工機能が搭載されていることにより実現しています。

将棋ソフト

ゲームの分野では、将棋ソフトにAIが搭載されています。AIが何億通りのデータを読み込み、将棋を指すことがコンピューターでできるようになりました。現在では、プロ棋士でも勝てないほどに進化しています。

機械学習の活用方法

機械学習の活用方法

これまでのAIよりもさらに上の技術を用いた人工知能を利用したい場合に利用する必要があります。

スパム検知

スパムメールが届くと自動的に迷惑メールだと認識して迷惑メールとして振り分けられることがあります。これには、機械学習が利用されています。迷惑メールでよく使われる文言をAIに学習させ、届いたメールがスパムかどうかを判断してくれるのです。

需要予測

コンビニやスーパーなど小売業などは、商品の需要予測がとても重要です。機械学習は、過去の売り上げ状況や天気などの大量のデータを覚えさせ、予測することができます。

ディープラーニングの活用方法

ディープラーニングは、機械学習よりも精度が高いAIシステムです。

AIスピーカー

近年普及しているAIスピーカーは、ディープラーニングの音声認識・自動言語処理を活用しています。話し手の指示を音声認識により抽出して、自動言語処理で指示を理解し、実行します。調べ物などがより簡単にできるため、生活を手助けしてくれることでしょう。

無人レジ

まだ、実験段階ではありますが、コンビニやスーパーなどお店で、顔パスで買い物ができるようになるかもしれません。出入り口や店内にAIが搭載されたカメラを設置。誰がどの商品を買ったのかをAIが把握し、手にとった商品を自動的に会計してくれます。混雑の緩和はもちろん、人と人との接触を減らせるので、感染症予防対策としても期待されるでしょう。

これもディープラーニングを活用することで実現することができます。

まとめ

今回は、人工知能(AI)・機械学習・ディープラーニングの違いや活用方法についてご紹介しました。

知能的な機能を持ったコンピューターのことを人工知能(AI)といいます。機械学習は、人工知能の技術の1つで、ディープラーニングはさらに機械学習の中の1つです。

最近のAIトレンドは、機械学習とディープラーニングですが、「どのようなことを実現したいか」を考え、最適なものを選ぶことが重要です。

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