生成AIチャットボット「まなぶくん」でコールセンター・ヘルプデスクの業務改善を実現!
更新日 : 2025年04月07日
コールセンター・ヘルプデスクの課題
JBサービス株式会社では、24時間365日で稼働する運用センターSMACにて、ITIL®に準拠したコールセンターサービスとヘルプデスクサービスを提供しています。これらのサービスを提供するにあたり、お客様ごとに異なる対応や回答を行うため、いくつかの課題が存在していました。主な課題としては次の3点です。
- お客様ごとにナレッジや手順書が複数に分かれており、確認に時間がかかる
- メンバーのスキルや経験値により回答時間や回答内容にばらつきが生じてしまう
- ナレッジの入手や更新が遅いことにより、オペレーター自身での解決率が低い
これらの課題を解決するために、生成AI型チャットボットツールを活用し、回答の平準化、解決率の向上を図ることでサービス品質の向上を目指しました。
生成AI型チャットボット「まなぶくん」
![]() |
JBサービス株式会社のコールセンターおよびヘルプデスクにおいて、2024年10月からオペレーター回答支援として利用している生成AI型チャットボットは「まなぶくん」です。マネジメントサービス本部内での愛称募集の結果「まなぶくん」と名付けました。 キャラクター画像はGoogleの生成AI Geminiを使用して生成しました。ここでのお披露目は諸般の事情により難しいため、イメージ画像でご紹介します。 |
生成AI型チャットボット導入に関する目標設定と活用指標
対応メンバーが生成AI型チャットボットを活用し、実対応の解決率向上を実現するために、以下の項目でKPIを設定しました。(目標値は社外秘のため、具体的な数値は非公開とさせていただきます。)
利用率
利用率を高めることで回答レベルの平準化を目指します。生成AI型チャットボットが利用されているかどうかをKPIとして定め、利用率を達成できるよう週次でオペレーターへ利用の啓発活動を継続的におこないます。
回答解決率
回答精度を上げることで顧客満足度向上につなげることを目的に設定しました。生成AI型チャットボットで生成できなかった質問や、解決できなかった質問を週次で確認します。正しい回答を生成AI型チャットボットに学習させることで解決率の向上を図ります。
生成AIチャットボット導入の工夫
生成AI型チャットボットの効果を高めるため、工夫した点の一部をご紹介します。
利活用教育と啓蒙活動、利用状況の週次チェック
2024年11月から生成AIチャットボットの利用を開始したところ、利用率が低いチャットボットや利用率の低いオペレーターがいることが判明しました。そのため、以下2つの対策を実行しました。
1つ目は、利活用教育の実施と利用の啓蒙です。コールセンターおよびヘルプデスク全メンバーを対象に生成AI型チャットボットの利活用教育を行いました。今後の改善ポイントとして、ユーザーからのお問い合わせ内容を生成AI型チャットボットに入力することで、生成AI型チャットボットの利用数を増やしました。利用していない場合、不足しているQAの把握やチャットボットの育成が行えないことを説明し、利用の重要性を説明しました。また、理解度テストや生成AI型チャットボット利用のアンケートを実施しました。
2つ目は、週次で利用数をチェックし、利用を促進することです。顧客ごとの生成AI型チャットボット育成係が週次でインシデント数と生成AI型チャットボットの利用数をチェックし、利用が少ないメンバーに利用を促しました。
育成委員会の発足
お客様からの問い合わせ解決率を向上させるには、生成AI型チャットボットの利用率を高めることに加えて、誤った回答の修正や新規問い合わせへの追加対応を継続的に行う必要があります。しかし、生成AIは自動で成長しないため人による育成が必要です。生成AI型チャットボットの育成は専任化せず(属人化を防止)、各顧客の対応を熟知した複数のメンバーを育成係として任命し、育成委員会を発足しました。これにより、顧客ごとにタイムリーなQAのブラッシュアップが可能になりました。
生成AIチャットボット導入の効果
![]() |
2024年12月からデータの集計を行った結果、2025年2月時点で全顧客平均の利用率および解決率が目標値を達成しました。ただし、一部の顧客では目標を達成できていないケースもあり、育成委員会メンバーを中心に生成AI型チャットボットの利用促進および育成を継続して行っていきます。 ※数値の社外公開は控えているため、掲載グラフはイメージです。実数値ではありませんのでご了承ください。 |
まとめ
これまでマネジメントサービス本部のコールセンターやヘルプデスクでは、電話で受けた内容を各担当者にエスカレーションする窓口が多くありました。今後は生成AI型チャットボットを活用し、オペレーター自身が直接回答できる解決型窓口への変革を進めていきます。生成AI型チャットボットを活用することで、回答の品質向上を図り、解決型窓口の実現を目指し、お客様へのさらなるサービス品質の向上を目指していきます。
JBサービス株式会社では、サービス品質向上に取り組むコールセンター受付代行サービスおよびヘルプデスクサービスを提供しています。またコールセンターやヘルプデスクサービスに特化した生成AI型チャットボットの育成や運用にお困りであればJBサービス株式会社にお任せください。