保守サービスの属人化によるリスクと回避方法

更新日 : 2019年11月17日

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「あの人はいつも大変そうに仕事をしているけれど、いったいどんな業務をしているのだろう?」社内で1人奮闘する人に、こんな疑問を持ったことはありませんか?これは、いわゆる業務の「属人化」です。

経団連が2017年7月に発表した「2017年労働時間等実態調査 集計結果」によると、長時間労働につながりやすい職場慣行として挙げられた選択肢のうち、最も多くの票が集まったのは「業務の属人化」でした。業務の属人化には、長時間労働の他にもさまざまなリスクがあります。

保守サービスの現場でも、属人化は発生しています。そこで今回は、保守サービスが属人化することで発生するリスクや、それを回避する方法についてご紹介します。

属人化とは?

属人化とは、ある業務を特定の担当者のみが担っていて、その担当者に業務の負荷やノウハウが集中している状態を指します。

業務の進め方がその担当者個人がやりやすいように最適化されており、業務内容によっては属人化する方が効率の良い場合もあります。一方で企業側から見ると、リスクやデメリットが存在します。

保守サービスが属人化することによるリスク・デメリット

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さまざまな業界・業種において属人化は発生していますが、保守サービスの現場においても人材不足などを背景に属人化が発生しており、問題となっています。
では保守サービスが属人化することによって、企業側にはどのようなリスク・デメリットが発生するのでしょうか。

特定の担当者しか対応できず緊急のトラブルに遅れが生じる

保守サービスは24時間365日の対応が求められることもあります。属人化が発生している現場の担当者が休みの日にトラブルがあると、迅速な対応が行えません。

トラブル・ミスに気付きにくい

保守サービスに何らかの問題があったとしても担当者しか認識できず、また他者からのチェック体制がないために重大なミスに気付きにくい面もあります。また、担当者が多忙を極めている場合、ミスに気付いていても手が回らずに放置されてしまう可能性も否定できません。

生産性向上・サービス改善がなされない

ミスが見逃されやすい、今後の課題が共有されにくい状況であるために、生産性向上や保守サービスの改善の機会も逃しているかもしれません。

新たな人員が配置されても十分な引き継ぎが行われない

特定の担当者に業務ノウハウが集中し、なおかつ業務ノウハウが明文化されていない場合は、新しく人が入っても引き継ぎに漏れが生じる可能性があります。また突然の退職などで担当者がいなくなれば、業務ノウハウを失うことにもなりかねません。

担当者の人事評価が適正になされない恐れがある

属人化によって、人事評価にもリスクが及びます。評価を行う管理者としては、たとえ担当者が高度な知識・技術をもって業務を行っているとしても、詳細が見えなければ担当者の能力・成果に応じた評価を適切に行えない可能性もあるのです。

保守サービスの属人化が発生する要因は?

属人化が発生する要因としては、たとえば下記が挙げられます。

人材不足からの個人最適化

保守サービスだけに限らず製造業全体で、人材不足が深刻化しています。

人材不足は属人化の要因のひとつです。業務量に対して人手が足りない場合、担当者は自分に特化した業務改善を行うことになります。

業務効率の向上を図るための施策ではありますが、結果的に属人化を招くことにもなりえるのです。

マニュアルの不整備

担当者が日々の業務に忙殺されて標準化のためのマニュアル作成に手を付けられず、属人化を加速させることもあります。

「マニュアル整備=仕事を他の人に譲ること」と認識していて、「自分にしかできない業務を手放したくない」と自己保身を考え、あえてマニュアル作成に着手していない人もいるかもしれません。

また、作業自体はすべて把握していて完璧にこなせても、マニュアル資料を作成するのは苦手という人もいます。

保守サービスの属人化を回避する方法

このような要因を踏まえて、属人化の解消を図るには下記のようなことが考えられます

業務のマニュアル化

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マニュアル化を薦めるには、まずは管理者側が業務の全体像を把握するところからです。管理者が担当者へマニュアルを作るよう、担当者にとってのメリットを提示しながら、ある程度の強制力をもって指示するのが良いでしょう。

担当者を増やし、PDCAを回す

属人化した業務が可視化できれば、担当者を増やし、誰が行っても同じ成果が出るようにします。業務のPDCAを回し、属人化の予防の継続を目指したいところです。

保守サービスをアウトソーシングする

もし担当者を増やす余裕がないのであれば、保守サービスをアウトソーシングするのも1つの手です。アウトソーシングによって、新たな人材を採用するよりも安価に、保守サービスの運用ができる場合もあります。

まとめ

今回は、保守サービスが属人化すると起こり得るリスクや、その回避方法についてご紹介しました。

保守サービスが属人化することによって、緊急時の対応ができないことがあったり、作業上のミスの見逃しが発生したりといったリスクがあります。
専門知識を持った人材が十分にいるのであれば属人化は起こりにくいでしょうが、企業ごとの事情で難しい場合もあります。社内だけでの対応が厳しい場合は保守サービスのアウトソーシングも検討していただくことをおすすめいたします。

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