Power AutomateのCopilot機能を使ってみた
更新日 : 2025年02月10日
Microsoft社が提供するAIアシスタントツール「Copilot」は、さまざまなMicrosoft 365アプリケーションと連携し、生産性向上および業務効率化に役立ちます。本記事では、RPA製品であるPower AutomateのCopilot機能について、システム開発の経験がないスタッフでもどの程度活用できるのか、使ってみた流れや感想をまとめました。
Power AutomateのCopilot機能
Power AutomateにおけるCopilot機能には、クラウドフローのCopilot、Process MiningのCopilot(プレビュー)、デスクトップフローのCopilot(プレビュー)の3つが提供されます。クラウドフローのCopilotでは、プログラミング用語を使用せずに、簡単な自然言語を用いてワークフローを作成可能です。複数の会話ステップを通じて必要な機能を説明することで、フローの作成が簡単に実現できます。今回は、このクラウドフローのCopilotを試してみます。
前提条件
Power Automateが利用できる有効なライセンスが必要です。また、組織IDを持たないMSAユーザーは使用できません。
YouTube動画でも紹介しています
実際に操作している様子などをご覧いただけますので、動画も合わせてご覧ください。
検証するフロー
クラウドフローのCopilot機能の検証に利用するフローについて説明します。指定した時間になったら、あらかじめ指定した送信先へMicrosoft Teamsでチャットを送信するというシンプルなフローです。
Copilotに指示するために、フローの要素を細分化していきます。
フローの要素
- 繰り返し(Recurrence)
- 繰り返しの間隔は毎日
- 開始時刻は9時
- タイムゾーンは日本(GMT+9)
- Microsoft Teamsのチャット送信設定
- チャットの投稿者はユーザー
- 投稿先はチャネル
- チーム、チャネル、メッセージを指定
それでは実際にCopilotへ指示をしていきます。
Copilotへ指示してみる
1.Power Automateにログイン
まず、Power Automateにログインします。画面には「Copilotで自動化を作成する」と表示されます。注釈にある通り2025年2月時点では英語が最適化されているため、英語で指示を入力します。(今回は翻訳ツールを使用しています)
2.どんなアクションを自動化したいのかを簡潔に伝える
まずは、「チャットで定期的なメッセージをスケジュールする」と英語で入力します。入力が完了したら、生成ボタンをクリックします。しばらくすると提案されたフローが表示されました。
3.追加の指示を簡潔に伝える
ここからは追加の指示を伝えていきます。
- 「タイムゾーンはGMT+9の毎日9時に実行してください」と英語で指示を入力し、追加ボタンをクリックします。提案されたフローに変更はありませんが、バージョンの数値が増えています。
- 「チャットの投稿者はユーザーです」と英語で指示を入力し、追加ボタンをクリックします。
- 「投稿先はチャネルです」と英語で指示を入力し、追加ボタンをクリックします。
- 投稿先のチームを指示します。ここでチーム名を英語にすると正しく伝わるか不安だったので、IDを入力しました。
- チャネルを指示します。ここは"一般"というチャネルですが、試しに"General"と入力しました。
4.「保持して続行する」ボタンをクリック
5回追加の指示をしたところで、入力ができなくなりました。「保持して続行する」ボタンをクリックします。
5.Copilotからの指示が反映されているか確認
フローが表示されましたので、プロンプトから指示された結果が反映されているか確認します。
- Recurrence
プロンプトから指示したとおり、繰り返しの頻度が"毎日"、タイムゾーンが日本、設定時間が9時になっています。開始時刻の指示までできませんでしたので、適当に入力しておきます。 - Microsoft Teams
「チャットまたはチャネルでメッセージを投稿する」をクリックします。こちらも指示した通り設定が反映されていそうです。投稿内容の指示ができていなかったため、こちらも適当に入力しておきます。
6.テスト
正しく機能するかテストをしてみます。右上のテストをクリックし、手動をクリックし、テストボタンをクリックします。フローの実行ボタンをクリックし、完了ボタンをクリックします。
テストを実行しましたが、エラーになってしまいました。
7.修正
確認したところ、チャネルの指定が上手く指示できていないようでした。
チャネルの項目をブランクにし、選択肢から「一般」を選択します。
8.テスト
再度テストを実行したところ無事にMicrosoft Teamsの指定したチャネルへ投稿が完了しました。
触ってみた感想
プロンプトを活用することで、Power AutomateのUIが変更された場合でも、どのボタンを押せばよいかを考えなくてよくなるため便利だと感じました。英語による指示はハードルが高いと感じましたが、日本語で指示内容を考え、翻訳サービスを利用して出力結果を貼り付けるだけで問題なく対応できました。
今回のフローはシンプルなものでしたが、Microsoft Teamsのチャネルやチームを指定する際にIDを確認するなどひと手間が必要だったり、Copilotへ指示できる回数に上限があったり、フローの妥当性をユーザー自身が確認する必要がある点がネックに感じました。
この機能は、Power Automateを初めて使用する人向けというよりも、既にPower Automateを活用しているユーザーが、さらに効率的に活用するための便利な機能という位置づけなのかもしれません。
まとめ
本記事は、エンジニア経験のないスタッフが体験した記録ですが、JBサービス株式会社ではMicrosoft製品の導入および運用に精通したエンジニアが多数在籍しています。Microsoft製品の導入や運用会社をお探しであればお気軽にご相談ください。これまでの導入実績や運用事例については、下記ページをご覧ください。