AIチャットボットの運用は難しい?運用後の課題と解決策

更新日 : 2024年06月21日

AIチャットボット

デジタル化の推進やAI技術の進化を背景に、社内外の問い合わせ対応窓口としてAIチャットボットを採用する企業が増えています。AIチャットボットの導入によって、従来電話やメールで行っていた問い合わせ業務の自動化・効率化や回答の平準化が実現し、顧客満足度や生産性の向上が期待できます。しかし、AIチャットボットを導入したものの、うまく運用できていないと感じている場合もあるでしょう。

今回は、AIチャットボットの運用後の課題と解決策についてご紹介します。

AIチャットボットの導入が増加している

AI技術

AIチャットボットとは、AIを利用し、ユーザーからの質問に対して回答を行うプログラムやシステムのことです。自然言語処理(NLP)や機械学習などの高度なアルゴリズムを活用して会話を理解し、適切な応答を自動的に生成します。

近年、国内外問わずさまざまな業界・分野でAI技術が採用されています。情報通信白書(令和5年版)によると、日本のAI市場規模は2027年には1兆1,034億7,700万円まで拡大すると予測されています。また、2022年に新たに資金調達を受けた国内のAI企業数は32社と、AI企業への投資の動きも続いている状況です。

この背景としては、デジタル化の進展とともにAI技術の進化による「生成AI」の需要が高まっていることが要因とされます。そもそもチャットボットには、「ルールベース型(シナリオ型)」の通常のチャットボットと「自動学習機能型(機械学習型、人工知能型)」のAIチャットボットがあります。通常のチャットボットは予め設定されたルールに従って決まった回答を行うのに対し、AIチャットボットは過去の対話のデータやログ、蓄積されたQAデータから学習して自動的に回答を行うのが特徴です。そのため、AIチャットボットは通常のチャットボットよりも広範囲で複雑な質問にも対応でき、業務の自動化・効率化やオペレーターの負荷軽減、コスト削減、顧客満足度向上に大きく関与することが期待されます。

今後もAI市場規模は成長を続けて、ますます多くの企業へのAIチャットボット導入が進められるでしょう。

参考:総務省 令和5年度 情報通信白書「第9節 AIの動向」

AIチャットボット運用後の課題

AIチャットボットを導入し運用開始した後、どのような課題に直面する可能性があるのでしょうか。

効果を実感できていない

AIチャットボットを運用していく中で課題として挙げられるのが、効果を実感できていないということです。AIチャットボットを導入したものの、効果測定が正しく行われていなかったり、適切な目標設定が定められていなかったりするケースがあります。運用後にどのくらい効果が出ているのかを確認できなければ、何が課題なのかが分からずにその後の改善へつなげられません。

運用体制が構築できていない

AIチャットボット運用後は、回答できなかった質問を分析・見直しして改善につなげる必要があります。導入前に運用体制が構築できていないと、このPDCAサイクルが上手く回らず効率的に業務を進めることが難しくなります。

AIチャットボットの利用率が上がらない

AIチャットボットを運用していても、ユーザーに利用してもらえなければ意味がありません。AIチャットボットの利用率が上がらない要因として、ユーザーにAIチャットボットの存在が認知されていない、AIチャットボットをユーザーが上手く使いこなせないといったことが考えられます。

AIチャットボットからの離脱率が高い

ユーザーがAIチャットボットの利用を途中で中断し、離脱してしまう場合があります。離脱率が高いということは顧客満足を得られておらず、AIチャットボットの利用率の低下にもつながってしまうでしょう。この要因としては、AIチャットボットから適切な回答が得られなかったといった理由が考えられます。

チューニングやメンテナンスなどの運用負荷がかかる

AIチャットボットの回答精度を上げるためには、定期的なチューニングやメンテナンスが重要です。しかし、AIチャットボットの導入時に運用体制をしっかりと構築できていないと、これらの業務負荷がかかってスムーズに作業を進められないという問題が発生してしまいます。

AIチャットボットの運用精度を上げるには

AIチャットボット運用後の課題を解決するためには、ツール・システムを上手く活用して最適化していくことが重要です。AIチャットボットの運用精度を上げる方法をご紹介します。

導入後の変化や課題を見える化する

AIチャットボットの運用精度を上げるためには、導入前後における効果検証が欠かせません。問い合わせ数、解決率、平均応答時間など、設定した指標の数値を見える化してどのような変化が見られたかを検証し、課題に対して改善していきましょう。そのためにもAIチャットボットを導入する際は、適切な目標設定を明確にして運用することが重要です。

AIチャットボットのユーザー

AIチャットボットの回答精度を上げる

AIチャットボットの効果的な運用には、回答精度を上げることが重要です。回答精度が低いままではユーザーからの質問に対して適切な回答ができず、電話やメールでの問い合わせが増加してしまいます。定期的にメンテナンスを行って過去のデータを見直し、精度の高い回答を生成できるよう追加学習を行いましょう。

AIチャットボットの回答精度を上げることはユーザーの満足度を向上し、離脱率を下げることにもつながります。

運用体制を複数人にする

AIチャットボットの運用体制は企業や組織の規模やニーズに応じて異なりますが、一人ではなく複数人のチームで運用することがおすすめです。どの組織においても、ナレッジ共有がされずに知識やスキルが属人化してしまうことは避けたいものです。専門知識を持つ複数人のチームとして運用することで業務を分担でき、運用の効率化や生産性向上を図ることができます。また、AIチャットボットがユーザーからの質問に対して回答できないケースを想定し、電話オペレーターとの連携も作っておくと良いでしょう。

運用をアウトソーシングする・運用支援サポートを利用する

AIチャットボットを導入・運用する際は、運用担当者への業務負荷や専門知識のある人材の育成などさまざまなコストがかかります。導入後からスムーズな運用を行い、運用精度を上げられるよう、運用のアウトソーシングや運用支援サポ-トの利用を検討してみるのもおすすめです。

AIチャットボットの運用後支援はJBサービスにご相談ください

近年AIチャットボットは世界中で注目を集めており、今後ますます普及していくことが予想されます。AIチャットボットの導入によって、コールセンターや社内ヘルプデスクなどあらゆる問い合わせ対応の自動化・効率化が可能となり、本来のコア業務に集中することができます。AIチャットボット導入を成功させるためには、導入して終わりではなく、導入後に効果的な運用ができるかが重要です。

JBサービスでは、QAの作成・育成から、運用開始後の回答精度向上、利用促進・定着化のサポートまでフルサポートが可能です。AI認定技術者がこれまでに培った豊富なヘルプデスクの運用経験やAIチャットボットの知見を総合して、問い合わせ業務における課題解決の提案を行います。

また、AIによる回答が難しい質問やクレーム対応などもオペレーターにエスカレーションすることができ、顧客満足度の向上が図れます。

AIチャットボットを活用して業務効率化を図りたいとお考えのお客様は、JBサービスにお気軽にご相談ください。

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JBサービスでは、AI認定技術者がこれまでに培った豊富なヘルプデスクの運用経験や社内やお客様に導入したAIチャットボットの知見を総合して、お客様のAIヘルプデスク構築を成功に導きます。また運用負荷の高い維持・メンテナンス作業を代行するとともに、分析結果から問合せ精度向上のための助言・サポート・課題解決の提案を行います。JBサービス(JBS)は企業の情報セキュリティ対策・ITシステム運用をご提供いたします

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