ネクストGIGAとは?円滑なICT運用のための予備機の重要性
更新日 : 2025年04月01日
デジタル技術の活用による学習環境の充実化を目指すGIGAスクール構想。第一期では、全国の児童生徒に対して1人1台の学習者用端末と通信ネットワークを提供する取り組みが実施されました。そして第一期で浮き彫りとなった課題を解決するため、第二期である「ネクストGIGA」への移行が進んでいます。
今回は、ネクストGIGAが目指す取り組みや円滑なICT運用のための予備機の重要性について解説します。
ネクストGIGAとは
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ネクストGIGAとは、文部科学省による「GIGAスクール構想」の第二期を表す言葉で、より効果的なICT環境を提供するための取り組みを指します。第一期GIGAスクール構想で浮き彫りとなった課題への解決を目的としており、自治体によっては2024年度から端末の更新などの取り組みが開始されています。 |
GIGAスクール構想の現状と課題
GIGAスクール構想では、1人1台の学習者用端末と高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備することにより、充実した教育ICT環境を実現させる取り組みが進められました。現状では、義務教育段階における1人1台端末の整備状況は全1,812自治体等(100.0%)で学習者用端末を活用できる環境整備が完了している状態です。その一方で、端末の利活用が進むにつれて故障の増加やバッテリーの劣化など、運用管理に関する課題が浮き彫りとなってきました。その他、自治体や学校間での格差や、ICT活用に向けた教職員の理解不足も問題として挙げられています。
参考:文部科学省「義務教育段階における1人1台端末の整備状況(令和4年度末時点)」
ネクストGIGAが目指す新たな教育DX
ネクストGIGAでは、GIGAスクール構想第一期で浮き彫りとなった課題を解決するとともに、全自治体等における新たな教育DXの実現を目指します。具体的には、学習者用端末のスペック向上やICT環境の継続的な整備など、ICT活用の質向上のための取り組みが実施される方針です。
また、従来の紙ベースの業務をデジタル技術の活用によって刷新するなど、教職員の負担を軽減させる校務DXへの取り組みも必要とされています。さらに、校務全般のDX化に伴うセキュリティ対策の強化も、ネクストGIGAの一環として新たに求められている状況です。
ネクストGIGAにおいて必要な取り組み
ネクストGIGAにおいて必要な取り組みとしては、「端末の更新と整備」、「ICT活用の質向上」が挙げられます。それぞれ詳しく解説します。
端末の更新と整備
一般的にICT端末の寿命は4~5年程度とされており、その間に端末に不具合が生じてしまうことがあります。特に端末を毎日活用する教育環境では、早期に故障したりバッテリーの耐用年数が迫ったりするものです。このような状況を受けて文部科学省では、今後5年程度をかけて端末の更新と整備、及び予備機の整備を進める取り組みが推進されています。
すべての端末に対して、計画的かつ継続的な端末の更新と整備を実施することが必要です。
ICT活用の質向上
学習者用端末や通信ネットワークを整備するだけでなく、教育ソフトウェアやデジタル教材を充実させることも欠かせない取り組みのひとつです。児童生徒一人ひとりの理解度や学習進捗に応じて最適な学びを提供することにより、すべての児童生徒に対して効果的な学習環境を整備することにつながります。
また、自治体や学校によって教職員のICTへの理解度に差が生まれているため、ICTを授業に活用する事例などの情報共有や、教職員のITリテラシーの向上に向けた研修を実施することも重要です。
参考:文部科学省「令和5年度学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果(概要)」
GIGAスクールにおける予備機運用の重要性
GIGAスクール構想では、全国の児童生徒に対して1人1台の端末を提供し、教育ICT環境を整備することを目指しています。しかし、端末の利活用が広がるにつれて、故障や紛失、破損、劣化といったさまざまなトラブルのリスクも増加している傾向です。
何らかの問題が生じた場合、端末の修理や交換を行う必要があります。特に授業中に端末が使用できなくなると、少なからず学習の進行に影響が出てしまうでしょう。このような場合に予備機があることで代替機として使用でき、学習を中断することなく進めることが可能です。また、急な端末トラブルへの対応による教職員の負担軽減にもつながります。円滑なICT運用を実現するためには、GIGAスクール構想における予備機運用の重要性は非常に高いといえます。
円滑な端末管理のポイント
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ネクストGIGAの実現において、学習環境の質を向上させるためには端末の管理が欠かせません。ここからは、円滑な端末管理のポイントについてご紹介します。 |
予備機の事前準備
端末の故障や劣化によるトラブルが発生した場合、迅速に対応できるよう予備機を準備しておくことが重要です。万が一のときにすぐに使用できるようキッティング(PCやスマートフォン、タブレットなどのデバイスを使用できる状態にするために行う各種設定やソフトウェアのインストールなどの作業)を終えて、OSは常に最新バージョンにアップデートされている状態で保管しておきましょう。
予備機が何台貸し出されているか、どの予備機が利用可能かをリスト化しておくと、効率的に管理できます。また、すべての端末において定期的なメンテナンスや点検を行うことも大切です。端末の動作性やバッテリーの状態、ネットワークの接続状況などを定期的に確認しておきましょう。
キッティングサービスの代行業者に依頼する
すべての端末のキッティングを教職員が対応するには負担が大きく、完了するまでに時間もかかります。専門知識をもつ教職員がいないために、正しい状態でキッティングができているか確認ができないというケースもあるでしょう。
現場での対応が難しい場合は、キッティングサービスの代行業者に依頼することもひとつの方法です。外部の専門のプロに一業務を任せることで、円滑なICT運用の推進へとつながるでしょう。
キッティングだけでなく、端末の修理や交換を迅速に対応するためには、円滑な運用管理が可能な体制を整えておくことが重要となります。
まとめ
世界中で急速にすすむデジタル化の加速や、児童生徒をとりまく環境の変化に伴い、現代の教育現場におけるICT活用への対応は非常に重要性の高い取り組みとなっています。教育現場にタブレット等学習者用端末を提供する企業や自治体においては、円滑なICT運用を実現するための教育現場との連携や環境整備が求められるでしょう。
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