GIGAスクール構想における課題とは?端末の故障や管理方法はどうするべきか
更新日 : 2024年09月17日
全国の小中学校で取り組まれている「GIGAスクール構想」。すでに取り入れている学校がほとんどかと思いますが、端末の見直しや環境の再整備に手間取っているという場合もあるかもしれません。
そこでこの記事では、GIGAスクール構想の概要を改めてご説明しながら、GIGAスクールの課題や注意点、端末入れ替え時のポイントなどについてご紹介します。「GIGAスクール端末の故障が多いが、保守をどう強化すべきか」「2024年からの入れ替えに備えて、何を準備しておけば良いか」など、お悩みをお持ちの方はぜひご参考にしてください。
GIGAスクール構想とは?
GIGAスクール構想とは、ICT環境整備のために文部科学省から打ち出された計画のことです。
- 児童・生徒に1人1台のGIGA端末を持たせる
- GIGA端末を高速大容量通信ネットワークで接続できる環境を学校内に整える
- それらを活用し、各児童・生徒に個別最適化した創造性をはぐくむ教育を、全国の学校で持続的にかなえる
上記のような構想であると考えると、わかりやすいでしょう。
GIGAスクール構想の状況ですが、令和3年7月のデータによると全国の公立小学校で84.8%、中学校で91.3%が全学年で活用を開始しているとされます。また、端末の整備に関しても96.2%の自治体が整備済みとなっています。
参照:端末利活用状況等の実態調査 令和3年10月 文部科学省初等中等教育局
GIGAスクール構想については、以下の記事でくわしくご紹介していますのでぜひご参照ください。
GIGAスクール構想における課題
GIGAスクール構想をすでに取り入れており、目下さまざまな課題に直面しているという学校も少なくないのではないでしょうか。ここでは、GIGAスクール構想において確認が必要な課題についてご紹介します。 |
校内環境に問題はないか
GIGAスクール構想を学校内で実現するには、校内にLAN環境が整備されていることが必要です。さらに、授業では大容量通信が必須となるため、高速で安定した通信環境が整っていなければなりません。授業時間は全校の生徒が一斉に通信を行うため、大量のトラフィックが発生するという状況が想定されます。
特に動画を用いる授業やオンライン試験、プログラミングなど、カリキュラムには大量のデータをやりとりする必要のある科目が山積しています。このときにWi-Fiの接続状況が不安定になると、授業が進まない事態となる可能性もあるため、高速で安定したネットワークの整備が求められています。
校内でこれらの環境が整備されており、日々の授業で大容量高速通信を活用することが全校的に可能かどうかを確認しておくことが重要になります。
セキュリティ対策は万全にできているか
GIGAスクール端末は、インターネットやクラウドサービスに頻繁に接続する機会があります。それを踏まえると、万全なセキュリティ対策の実施は必須といえるでしょう。
GIGA端末に保存するデータや、通信を介してやりとりされる情報には、児童や生徒の成績情報や保護者の連絡先など、個人情報を含むものも少なくありません。
膨大な情報資産を守るには外部からのサイバー攻撃や、内部におけるミスによる情報漏えいの防止も徹底する必要があります。
またGIGA端末は、学校内で使用するだけでなく、児童・生徒が持ち帰って家庭学習で使う機会も多くなります。端末そのものの紛失や盗難のリスクも想定した対策を講じておかなければなりません。
端末の管理・保守の体制は整っているか
端末に万一故障や不具合が生じると、即学習の遅れにつながってしまいます。不具合にすぐ対応できる管理・保守の体制を整えておくことはもちろん、状況によっては代替端末を用意できる仕組みなども準備しておく必要があります。
GIGA端末の故障や紛失が多い
GIGAスクール構想で用いるGIGA端末は、日ごろ子どもたちが毎日扱うものです。また持ち帰って家庭学習に使う機会もあるため、故障・紛失の確率は高いものとなってしまいます。
スマートフォンなどのモバイル保険「スマホケ」を提供するワランティ少額短期保険株式会社が2023年に行った調査によると、私立小学校に通う児童のうち、タブレット端末の破損・紛失経験ありと回答した子どもは実に約7割という結果でした。
出典:スマホケhttps://sumahoke.jp
故障・紛失した場合の対応
GIGA端末が故障・紛失してしまった場合に、どう迅速に対応するかが学習の遅れなどを防ぐための重要な対策になります。
特に修理にかかる費用や、故障・紛失にともなう保険の有無を確認することは必須です。万一端末が故障で使えなくなってしまった場合や、盗難・紛失が生じた場合、すぐに新しい端末が来なければ授業の遅れを招いてしまうためです。
GIGA端末の更新時期を確認しよう
GIGAスクール構想においては、2024年以降からGIGA端末の更新・入れ替えが始まります。 文部科学省の調査によると、GIGAスクール構想で配備済みの1人1台端末の使用が可能となっている最終年度は以下のとおりです。
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こちらは計1,712自治体に対して行った調査ですが、このうち約1,035自治体(60.1%)について、2025年度末(2026年3月末)までに更新が必要になることが分かっています。
この結果に加え、GIGAスクール導入後から端末の故障率が多い点も大きな課題となっています。これらを踏まえ、国は2024年度予算でGIGA端末更新費用の一部補助に踏み切りました。しかし補助対象となる台数は、児童・生徒数全体の3分の2、予備機分としてその5%以内と決して潤沢ではありません。なお補助上限額ですが、こちらはGIGAスクール構想初期においての補助と同じく1台当たりの上限4.5万円となっています。
上記を考慮し、国の補助のみでスムーズな端末更新が可能かというと難しいかもしれません。更新時期にスムーズな対応ができるよう準備をしておくことが必要となるでしょう。
まとめ
この記事では、GIGAスクール構想の概要や課題点、今後GIGA端末の更新を踏まえて必要な対応などをご紹介しました。
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