社用携帯やPC、社員証の紛失リスクは?紛失時に必要な対応方法を解説

鞄の中を探す女性

社員が紛失してしまうリスクのあるものに、会社が貸与した社用携帯・スマートフォンやPC、社員証が挙げられます。これらの紛失や盗難は、会社にとって重要機密となる情報や社員の個人情報を流出させる可能性があり、会社に大きな損失を与えることになりかねません。情シス担当者にとって、紛失発生時にどのようなリスクが生じ、どのような初動対応が求められるかを把握しておくことは、重要な業務の一つです。

今回は、社用携帯やPC、社員証の紛失リスクや、紛失時に必要な対応方法についてご紹介します。

【この記事で分かること】
  • 社用デバイスや社員証の紛失が情報漏洩の原因になる根拠
  • 社用デバイスや社員証の紛失によって発生するリスク
  • 紛失時に当事者・管理者に求められる初動対応
  • 紛失によるリスクを低減する方法

情報漏洩は社用デバイスや社員証の紛失からも起こりえる

社員による社用デバイスや社員証の紛失が懸念されている背景として、社用デバイスの多様化や日常的な使用頻度の高さが影響していると考えられます。昨今では、業務で用いる社用デバイスはPCだけでなく、スマートフォンやタブレットなど多様化し、会社から社員へ貸与される台数も増えました。

加えて、テレワークが普及したことから自宅や会社以外の場所で業務を行う機会が増え、出張などの機会がなくても社用デバイスを外に持ち歩く場面が日常的になっています。

社員証は、勤怠管理システムと紐づけられるICカードを採用する会社もあり、鞄から出し入れすることが多くなっています。

そのため、「社員証を電車やバス、タクシーに置き忘れてしまった」「社用携帯をテーブルに置いたまま離れてしまい、盗難に遭った」「社用PCの入った鞄をどこかに置き忘れた」などの紛失・盗難リスクが高くなっています。

東京商工リサーチの「2025年『上場企業の個人情報漏えい・紛失事故』調査」によると、情報漏洩・紛失事故は180件にのぼり、原因別では「紛失・誤廃棄」が18件(構成比10%)を占めました。また、媒体別では「パソコン・携帯端末」が23件(同12.7%)となっています。サイバー攻撃だけでなく、社用デバイスそのものの紛失も情報漏洩の直接的な引き金になりえるため、デバイスの紛失リスクへの備えが欠かせません。

出典:東京商工リサーチ TSRデータインサイト

社員が社用携帯やPC、社員証を紛失することで起こりえるリスク

社用デバイスの紛失リスク 社用デバイスや社員証の紛失・盗難は、情報漏洩、悪用、サイバー攻撃、社会的信用の低下という4つの重大なリスクにつながるため、厳重な管理体制が求められます。

個人情報・機密情報の漏洩

社用携帯やPCには、会社の機密情報や顧客情報など膨大なデータが保存されているため、第三者による情報漏洩のリスクがあります。

また、社員証には社員の名前や社員番号、メールアドレスなどが記載されているため、個人情報の流出につながるおそれがあるでしょう。

個人情報・機密情報の悪用

会社の機密情報や社員の個人情報が第三者に知られてしまうと、情報を売却されたり詐欺などの犯罪に利用されたりする可能性があります。もし手元に戻ってきたとしても、データをコピーされていたら取り返しのつかない事態になりかねません。

サイバー攻撃

第三者によって社用携帯やPCから社内サーバーへアクセスされ、サイバー攻撃を受ける可能性もあります。

また、社員証を使って社員になりすまし、会社のオフィスへ侵入されることも考えられるでしょう。サイバー攻撃を受けると、機密情報の流出やデータの削除、金銭被害、営業妨害などさまざまな被害に遭うリスクが高くなります。

社会的信用の低下

社用携帯やPC、社員証の紛失による情報漏洩や悪用が発覚した場合、取引先や顧客からの社会的信用が失われてしまいます。

さらに、インシデント対応や原因調査、再発防止策の実施などに多くの工数が発生するほか、場合によっては損害賠償や行政対応が必要になるケースもあります。これは会社にとって大きなダメージとなり、業績悪化や経営不振に陥る事態につながるでしょう。

社用デバイスや社員証の紛失は、単なる物品の紛失ではなく、企業の事業継続や社会的信用にも影響を及ぼすセキュリティインシデントとして捉え、迅速な報告・対応体制を整備することが重要です。

紛失した際に求められる対応方法

社用携帯やPC、社員証を紛失してしまった際は、リスクを最小限に抑えるための早急な対応が求められます。従業員と会社(管理者・情シス)それぞれが行うべき対応方法を把握しておきましょう。

対応内容具体的な方法
従業員:会社の報告 いつ、どこで、どのような状況で紛失したかを報告する
従業員:遺失届の提出

警察へ遺失届を提出する

従業員:顧客への報告・謝罪対応 取引先情報や顧客情報が保存されていた場合、取引先・顧客に状況を説明し謝罪する
会社(管理者・情シス):紛失データの確認 紛失したデバイスに保存されている情報や、被害範囲を調査する
会社(管理者・情シス):位置情報の検索 GPS機能を用いて位置情報を確認する
会社(管理者・情シス):遠隔ロックの設定 遠隔操作でデバイスの利用をロックする
会社(管理者・情シス):関係各所への報告・謝罪対応 データ流出の可能性がある場合、顧客など関係先へ情報開示と謝罪を行う

従業員の対応

まず、従業員がとるべき対応は「会社への報告」、「遺失届の提出」、「顧客への報告や謝罪対応」です。

会社への報告

社用デバイスや社員証を紛失したことが発覚したら、すぐに会社へ報告しましょう。早急に報告することで適切な対処ができ、その後に起こりうるリスクを最小限に抑えられます。

記憶が新しいうちにいつ、どこで、どのような状況で紛失したかを正確に報告することが重要です。

遺失届の提出

紛失後は会社だけでなく、警察にも「遺失届」を提出してください。

遺失届を提出することで警察に届けられた場合に連絡をもらうことができます。

また、悪用された場合には不正利用を証明する材料にもなります。紛失した社用デバイスや社員証を利用できないよう対応していても、必ず遺失届を提出しましょう。盗難の場合は、被害届を提出します。

顧客への報告や謝罪対応

紛失したデバイスに取引先情報や顧客情報が保存されている場合は、速やかに取引先・顧客に報告し、謝罪をします。流出や悪用の被害に遭うと取引先や顧客にも損害を与えてしまいかねないため、きちんと状況を説明して謝罪の意を伝えることが大切です。

会社(管理者・情シス)の対応

会社がとるべき対応は「紛失データの確認」、「位置情報の検索」、「遠隔ロックの設定」、「顧客など関係各所への報告・謝罪対応」です。

紛失データの確認

従業員による紛失が発覚したら、会社としてまずは情報を正確に調査しましょう。従業員に紛失したデバイスにどのようなデータが保存されていたかを聞き取ります。情報の内容やデータの範囲を聴取し、紛失による被害影響について確認してください。

位置情報の検索

位置情報検索

GPS機能からデバイス等の位置情報を検索しましょう。電源オフ時も最後に確認された位置(最終位置)を表示できる場合があります。

遠隔ロックの設定

遠隔ロックを設定することで、遠隔から操作して社用デバイスの利用をロックすることが可能です。

また、ICカード型の社員証は入退室権限を無効化できる場合があります。紛失した社用デバイスや社員証が第三者に操作・悪用されないよう、遠隔ロックで不正利用や情報漏洩のリスクを防ぎましょう。

顧客など関係各所への報告・謝罪対応

従業員が社用デバイス等を紛失し、データが流出した可能性がある場合は、会社の責任として顧客など関係各所へ報告し、情報開示と謝罪対応をする必要があります。

また、被害が拡大して対応が追いきれない場合はホームページやメールなどでお知らせします。紛失した経緯や詳細説明、今後の対応、謝罪文などをまとめて問い合わせ先とともに記載し、情報開示に努めましょう。

社用デバイスや社員証の紛失には、早急な対応が重要

デバイスの多様化やテレワークの普及、事業拡大による従業員の増加などにより、従業員へ貸し出す機器が増加した企業は多いでしょう。社用デバイスや社員証を紛失してしまうと、機密情報の漏洩やサイバー攻撃など、さまざまなセキュリティリスクにつながるおそれがあります。そのため、もし紛失が発覚した場合には、当事者と管理者それぞれに早急な対応が求められます。

一方で、多くの企業では次のような課題があり、初動対応の遅れにつながるケースがあります。

  • 深夜や休日など情シスが稼働していない時間帯がある
  • 担当者の離席や打ち合わせ中などにより、連絡に応じられないときがある
  • ルールが明確化されておらず、当事者から迅速に報告されないケースがある

この紛失対応を24時間365日体制で管理するためには、社内体制の見直しに加え、外部サービスの活用も有効な選択肢となります。

紛失時の迅速な対応につなげるJBサービスの「セキュリティ事故受付代行サービス」

JBサービスでは、24時間365日体制の窓口で社用デバイスや社員証の紛失・盗難によるインシデント受付代行サービスを提供しています。対応可能な機器はノートパソコン、スマートフォン、社員証、セキュリティカード、入館証などです。

従業員は、社用デバイスや社員証などを紛失した際に専用窓口へ連絡するだけで、受付から指定先へのエスカレーションまでをJBサービスが代行します。さらに、連絡内容に応じてMDM製品の機能を活用した位置情報の特定、遠隔ロック、リモートワイプの実施をサポートします。休日や夜間など、情シスがすぐに対応できない時間帯のインシデント発生時にも迅速な対応が可能です。

社用デバイスや社員証などの紛失・盗難対応について課題を感じているお客様は、JBサービスにお気軽にご相談ください。

セキュリティ事故受付代行サービス

まとめ

社用携帯やPC、社員証の紛失は、情報漏洩や悪用、サイバー攻撃、社会的信用の低下といった重大なリスクを招きます。被害を最小限に抑えるには、従業員と会社双方が速やかに初動対応をとれる体制を整えることが欠かせません。夜間や休日の対応が難しい場合は、JBサービスの「セキュリティ事故受付代行サービス」など外部サービスの活用も検討しましょう。

よくある質問
社用携帯、社用PC、社員証の紛失リスクは何ですか?

個人情報や機密情報の漏洩、情報の悪用、サイバー攻撃、社会的信用の低下という4つのリスクが挙げられます。デバイスや社員証に保存・記載された情報が第三者にわたることで、被害が多方面に広がるおそれがあります。

紛失した際に情シスに求められる対応は何ですか?

A. 紛失データの確認、位置情報の検索、遠隔ロックの設定、関係各所への報告・謝罪対応が求められます。まず被害範囲を把握したうえでデバイスの操作を制限し、必要に応じて顧客など関係先への説明を行う流れが基本です。

JBサービスの「セキュリティ事故受付代行サービス」はどんなサービスですか?

A. 24時間365日体制で、社用デバイスや社員証の紛失・盗難といったセキュリティ事故の受付から位置情報の特定、遠隔ロック、ワイプなどの対応までを代行するサービスです。夜間や休日の対応体制構築が難しい企業でも、初動対応の遅れを防ぐことができます。

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