【活用シーン別】業務用3Dプリンターの選び方
更新日 : 2022年03月02日
近年、造形技術の進化や材料の多様化により、国内外の多くのメーカーがさまざまな3Dプリンターを開発・販売しています。価格帯も個人でも購入できる安価なものから、高額なプロフェッショナルモデルまで幅広く、どれを選んだらよいか迷われている方も多いと思います。
造形サイズは大きければ大きいほど良い、積層ピッチは小さければ小さいほど良いというものではありません。自社のニーズに合わせた視点で選定しなければ、どんな高性能な3Dプリンターを導入しても意味がありません。
そこで、3Dプリンターのマルチベンダー保守サービスを提供するJBサービスが、お客様の利用用途に合わせた最適な3Dプリンターを解説していきます。
活用シーン別おすすめ3Dプリンター
3Dプリンター選びのポイントは、メーカーや価格ではなく、試作用なのか、最終製品か、利用用途にあった機種を選ぶこと、また精度や柔軟性、軽さ、色など造形物に必要な品質・特徴は何かを明確にすることです。
デザイン・開発に活用したい
商品のデザイン・開発フェーズにおいて3Dプリンターを活用することにより、アイディアや発想をすぐに形にすることができます。頭でイメージするより、造形物を実際に見て、触れて、試すことで、問題点や新たなアイディアや改善案が生まれやすくなります。
選択のポイント
・フルカラーで造形がしたい ・操作性のよいソフトウェアで運用したい ・設置スペースは広くは取れない ・オフィススペースに設置したい |
Stratasys J55 |
選択のポイント
・確認のため透明度が高い造形が必要 ・大型でフルカラーモデルのデザインを ・なるべく短時間で造形したい ・樹脂交換の工数を削減したい |
選択のポイント
・マテリアルの運用コストを抑えたい ・なるべく短時間で造形したい ・サポート材の除去が面倒 |
設計・試作に活用したい
設計・試作フェーズにおいて3Dプリンターを活用することで、データ上のシミュレーションだけではわかりにくい組み付け時の部品の干渉チェックなどを素早く何度も行うことができるため、品質向上と時間の短縮が図れます。
選択のポイント
・カラーモデルは不要 ・種類の異なる材料を使用し、多彩な表現がしたい ・低コスト材料にて沢山の試作を試したい ・設置はオフィススペース、広くはない |
選択のポイント
・シャープなエッジのモデルを造形したい ・細かい溝、穴形状を再現したい ・複数種類の材料を使用し物性を確認したい ・容易にサポート材を除去をしたい |
選択のポイント
・高精細モデルの造形がしたい ・複数種類の材料を同時に造形し、 ・大型造形、大量造形により生産性を向上させたい |
選択のポイント
・コンパクトで手頃な価格の3Dプリンターが ・高速で造形したい ・産業用の耐久性、精度が欲しい ・複数種類の材料を使用し物性を確認したい |
選択のポイント
・耐熱、操作性に優れた造形がしたい ・高機能樹脂を複数使いたい ・安価で容易に設置できる3Dプリンターが欲しい ・材料交換の手間をかけたくない |
冶具・工具、樹脂型に活用したい
従来外注していいた治具や射出成型用の型を、耐久性・耐熱性のある材料を使って3Dプリンターで造形することで、リードタイムを数日から数時間に短縮できます。
選択のポイント
・強度、耐熱、制度のある造形がしたい ・射出成型向けの樹脂型に使いたい ・小ロット生産がしたい ・小物、小型を最短納期で造形したい ・大型の試作も造形したい |
選択のポイント
・耐熱、操作性に優れた造形がしたい ・高機能樹脂を複数使いたい ・安価で容易に設置できる3Dプリンターが欲しい ・材料交換の手間をかけたくない |
最終製品に活用したい
精細で複雑な構造を短時間にダイレクトに造形できるという特性を生かし、小ロットの部品や最終製品を3Dプリンターで造形することにより、設計から最終製品の開発期間のリードタイムを短縮し、生産性の向上や効率化、コストダウンの実現が可能になります。
選択のポイント
・生産性を向上させたい ・耐久性、機械特性に優れた造形品がほしい ・異方性の影響が無い造形がしたい ・複雑形状を安定的に造形したい ・強度・耐熱・精度のある |
選択のポイント
・コンパクトで手頃な価格の3Dプリンター ・鋳造、成形、生体適合等、さまざまな用途で ・複数種類の材料を使用し物性を確認したい ・少量生産がしたい |
選択のポイント
・高精度、高機能、高速造形がしたい ・難燃性が高い材料を使用したい |
Stratasys ORIGIN ONE |
選択のポイント
・安価で耐熱、操作性にすぐれた造形がしたい ・SLA方式で安価な装置がほしい ・複雑形状の造形がしたい |
XYZプリンティング MfgPro230 xS |
購入してからも困らない販売店の選び方
3Dプリンターは繊細な機械です。振動や湿度、温度差などによっても、不具合が発生することがあるため、点検や修理、消耗部品交換などのメンテナンスを定期的に実施する必要があります。高額な部品が実装されていますので、万が一障害が発生すると、コスト面の負担も大きくなります。
購入する際には、年間保守契約による修理や定期点検サービスが受けられるメーカー・販売店を選ぶことが重要です。
JBサービスでは、お客様が安定した状態で3Dプリンターをお使いいただくために、全国のサービス拠点に各メーカーの認定技術者を配備し、出荷前の点検から、定期的点検による予防保守、障害発生時のオンサイト修理を実施しています。一部の製品については、メーカーの保守サポート期間の終了したEOS製品の延長保守サービスもご提供しています。また日常ご使用される際の質問事項や、エラーが起きた場合の対処方法など、お客様に役立つ情報を公開しています。
3Dプリンターをご購入の際には、お気軽にJBサービスにご相談ください。