3Dプリンターに期待される使い道
更新日 : 2021年05月31日
ものづくりに関わる業務に携わる方や、造形・モデリングの精度を高めたり効率化したりしたいと考えている方の中には、3Dプリンターの導入を考えている方も多いのではないでしょうか。
その中には「3Dプリンターがあれば何ができるのかを事前に知っておきたい」「新しい機器は難しそうで、使いこなせるか不安」という方もいるでしょう。
そこで今回は、3Dプリンターに関する基礎知識と使い道(用途)についてご紹介します。
3Dプリンターとは
3Dプリンターとは、一般的なプリンター(用紙に文字や描画を印刷する機器)のような使い勝手で、データを基に立体造形の制作ができる機器を指します。製造業などの現場でも使用されている3DCADや3DCGのソフトを用いて出力できるため、使い慣れたプリンターの感覚で立体物を制作できる利点があります。
3Dプリンターの特徴 1.複雑な造形が可能
従来のモデリングでは難しかった複雑な造形も、データからの出力で容易に制作できます。
3Dプリンターの特徴 2.使用素材や造形方法などが選べる
光硬化樹脂を少しずつ硬化させて積み重ね、データに沿って造形するものや、粉末のプラスチック系造形材にレーザーを当てて焼結させるものなど、さまざまな種類が選べます。使用する造形材の材質やかかるコストなどを考慮し、用途に合ったものを選定できるメリットがあります。
3Dプリンターで作れるものとは?3Dプリンターの使い道
すでにさまざまなビジネスにおいて利用が進む3Dプリンターですが、具体的にどのような業界・業種で用いられているのでしょうか。ここでは、3Dプリンターの主な使い道(用途)についてご紹介します。
製造業での試作品製作
3Dプリンターの主な用途といえば、立体モデルの試作品製作でしょう。製造業における企画・開発に欠かせない試作品を正確でスピーディに制作できるため、開発面での効率化やコスト削減に役立ちます。
従来はコストや手間などの理由により試作をしていなかったケースについても、3Dプリンターがあれば気軽に試作できるようになるため、図面や3Dモデルのデータを見るだけでは分からなかったような改善点の発見にもつながります。ひいては、製品の完成度を高めることにつながるため、顧客満足度の向上などにもつながるでしょう。
医療分野での活用
近年では医療の世界でも3Dプリンターの導入が進んでいます。導入によって、患者さん一人ひとりの体に合った義手や義足、診察や説明に必要な臓器の模型などを従来よりも短期間で作ることが可能となります。
その他ビジネスでの活用
先にご説明した製造業や医療業界のほか、建築業においても建築物の模型製作に3Dプリンターが活躍しています。
また、自動車業界でも立体モデルの製作に3Dプリンターがかなり以前から活用されています。最近ではそれに加え、自動車の部品製作にも3Dプリンターが使用されるようになりました。
その他、教育機関での教科書写真を補足する目的の立体造形物制作の他、食品業界でも変わり種のパスタや複雑な造形のスイーツを開発する際などに、3Dプリンターが活用されるようになりました。
今後活躍が期待される領域
近年は試作品や立体模型の製作だけでなく、最終製品の製造にも3Dプリンターが活用されています。
オリジナルのアクセサリーやメガネなど、繊細な金属加工品の制作にも3Dプリンターが役立てられつつあります。エンターテインメント業界でのフィギュアやグッズの実制作にも3Dプリンターが役立てられています。
金型などを用意する必要がないことから初期費用が少なく済むため、少数ロットの生産には好適です。
まとめ
今回は、3Dプリンターの基礎知識と主な用途についてご紹介しました。
3Dプリンターは製造業での試作品製作だけに留まらず、医療分野や食品業界などさまざまな分野で活用されるようになっています。発想次第でその使い道はさらに広がっていくことでしょう。
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