キッティングとは?注意点や効率化のポイントをご紹介

更新日 : 2023年02月03日

キッティングとは?

新入社員の入社時や新たな事業所の開設、数年に一度の買い替え時期、故障時の交換など、業務用デバイスのキッティングは、企業の情報システム部門にとって煩わしい作業の一つです。昨今は利用する機器も多様化、アプリケーションやツールの設定も複雑になり、作業には時間も手間もかかります。台数が多ければ多いほど、工数も増え、作業場所や保管場所の確保にも苦慮されていると思います。コロナ禍でテレワークが全社に普及しているのに、情報システム部門だけは、キッティングのために出勤せざるを得ないという企業も多いはずです。

ここでは、キッティングの概要や自社でキッティングする際の注意点や効率化のポイントなどをご紹介していきます。

目次

    1. キッティングとは
    2. キッティングの作業手法
    3. キッティングを自社で実施する際の注意点
    4. 効率的なキッティングを行うには
    5. キッティングをアウトソーシングした場合のメリット
    6. まとめ

 

キッティングとは

キッティングとは、PCやスマートフォンなどのデバイスに各種設定やソフトウェアのインストールなどを行う作業全般のことを言います。

セットアップやインストールとの違いは、英語のkitに、「装備一式を準備する」という意味があるように、エンドユーザーがすぐに業務に使用できる状態にまで準備するということです。

具体的には下記のような作業項目が含まれます。

  • 開梱、通電確認
  • 周辺機器の接続
  • BIOSのセットアップ
  • OSのインストールと初期設定
  • ネットワークの設定
  • 業務アプリケーションのインストールとライセンス認証
  • アップデートやパッチの適用
  • 各種ドライバ・ツールの設定
  • セキュリティの設定
  • ドメイン参加・動作確認
  • 管理ラベルの貼付と台帳への記帳

  

キッティングの作業手法

キッティングには、手作業で1台ずつセットアップする方法と、事前にマスターイメージを作成し、それを複数台にコピーしていくクローニングという2つの手法があります。どちらを選択するかは、対象の台数や設定内容によりますが、それぞれの手法のメリット・デメリットは以下のとおりです。

選択のポイント メリット デメリット
手作業の場合

デバイスの数が少ない
(数台レベル)

対象の機種が多い

  • 事前準備がいらないため、すぐに始められる
  • 属人的な作業になってしまい、人為的なミスが発生しやすい
  • 1台あたりの人件費が高くなる
クローニングの場合

デバイスの数が多い

  • 一度に大量のセットアップができて効率がよい
  • マスターイメージを機械的にコピーするため、作業品質は均一
  • ハードウェア故障時もマスターイメージを適用して、代替機を用意できる
  • マスターイメージの作成・検証に時間がかかる
    (通常数週間から1カ月程度)
  • 専門知識や経験が必要
  • 機種ごとにマスターイメージを作成するため手間がかかる

Windows 10 特有の導入・展開手法については、以下のコラムをご覧ください。

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キッティングを自社で実施する際の注意点

作業手順の確認・事前検証

自社内でキッティングを行う際に最も重要なのは、事前準備です。

キッティングの注意点:作業手順の確認

キッティングは、1つ1つは単純な作業ですが、作業項目は多岐に渡ります。クローニングの場合は、マスターイメージに1つでも設定ミスがあれば、コピーしたすべてのデバイスが不良品になってしまうため、絶対にミスは許されません。小さな設定ミスや、付属品の同梱し忘れなどでも、アプリケーションが使えない、ネットワークにつながらないなど、業務に大きな影響を与えてしまいます。

このようなミスが発生しないように、事前に作業手順書を作成して入念な検証作業を行い、作業時にはチェックシート、資産管理台帳の記入を忘れずに行うことをお勧めします。

スケジュール管理

キッティングは、ある程度まとまった台数のデバイスに対して行われるため、作業に時間が掛かります。

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情報システム部門は、日常の運用業務を行いながらキッティングを行うことが多いため、スケジュール管理も重要です。万が一キッティング中に予期せぬトラブルが発生して、作業が中断、大きく遅延してしまったとしても、新入社員が配属される日が決まっていれば、徹夜してでもその日までに作業を完了させなければならないでしょう。このようなリスクも考慮し、要員計画、スケジュール管理を行いましょう。

セキュリティ対策

キッティングを行う際には、セキュリティ対策を徹底することも重要です。

従業員が勝手に業務に関係ないサイトを閲覧したり、アプリケーションをダウンロードしたりすることでウイルスに感染し、機密情報や個人情報の漏洩が発生してしまう可能性があります。

具体的には、「特定のアプリ以外を使用できないようにする」「除外サイトの設定をする」、「盗難紛失した場合のロック機能を付加する」などが挙げられます。

 

効率的なキッティングを行うには

数台のキッティングであれば、自社内で作業した方が効率的ですが、数十台といったレベルのキッティングを一度に行う場合は、外部専門企業へアウトソーシングすることをお勧めします。コストは掛かりますが、自社で対応した場合でも、かえって作業時間が長くなってしまい、結果的に外注した時以上のコストが掛かってしまうことも考えられます。煩わしいキッティングのプロに任せることによって、以下のようなメリットが期待できます。

 

キッティングをアウトソーシングした場合のメリット

①作業の効率化・負担の軽減

キッティングを専門業者に任せる最大のメリットは、作業効率が良いことです。

作業負荷軽減による本業への集中

自社で対応する場合は、限られた人数やスペースの中で作業を行うため、どうしても作業効率が低下してしまいます。専門業者であれば、台数が多い場合でも専用施設でスピーディーなキッティング作業が可能です。

②作業品質の均一化

専門業者は自動化ツールなどを使って作業を行うので、作業漏れやミスが発生しにくく、キッティング後の品質を一定レベル以上にすることができます。デバイスの初期不良やトラブルが発生した場合にも、臨機応変に対処できるため、業務への影響を最小限に抑えられます。

③資産管理の徹底

デバイスごとの設定内容やソフトウェアのリストだけでなく、付属品の管理なども専門業者が行い、リストにして納品してもらえるため、キッティング後の資産管理登録の手間も削減されます。

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④さまざまなデバイスに対応できる

スマートフォンやタブレッド端末などを業務に利用する機会も増えていますが、セキュリティやネットワーク設定など、スマートデバイスならではのキッティング作業が必要になります。PC以外のキッティングを行う場合は、専門業者にお任せするのがベストです。

作業品質・セキュリティレベルの向上

 

まとめ

キッティングの概要や注意点などをご紹介しましたが、効率的なキッティングを行うためには、アウトソーシングがおすすめです。

JBサービスのキッティングサービスは、短納期で大量台数のキッティングに対応可能。豊富な知識と経験を持つエンジニアが、セキュリティ対策が万全なセンターで正確でスピーディなキッティングを行います。

業務用デバイスのキッティングや日々の運用管理に課題をお持ちのお客様はお気軽にご相談ください。

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