無人店舗の仕組みと機器管理・システム管理の重要性

更新日 : 2024年05月31日

無人店舗のイメージ

人材不足やAI技術の進歩を背景に、無人店舗の普及が進んでいます。冷凍食品の販売店、ガソリンスタンドに併設されているコンビニ、少しの時間だけでも利用できるフィットネスジムなど、無人店舗は幅広く展開されています。無人店舗はメリットも多いとはいえ、有人店舗とは違った運営方法を考えなければなりません。運営上重要となることのひとつが、機器・システムの管理についてです。

この記事では、無人店舗の仕組みと機器・システム管理のポイントをご紹介します。

無人店舗の仕組み

セルフレジ 無人店舗とは、スタッフが店舗に常駐していない店舗、またはスタッフがレジなどの対応を行わず利用客側の対応のみで商品購入やサービス利用が可能な店舗です。無人店舗ではスタッフが対応しない代わりに、セルフレジやAIカメラ、AIセンサー、ICタグなどのデジタル技術を用いて、商品販売やサービス提供を行うことになります。

無人店舗の例

無人店舗の例としては、下記の業種・業態があります。

  • 冷凍餃子やスイーツなどの食品販売店
  • コインランドリー
  • トレーニングジム
  • コワーキングスペース

※この記事では、自宅敷地内での農作物販売については除外しています。

無人店舗の利用の流れ

無人店舗の利用には大きく分けて、セルフレジや自動販売機で利用客が自分で会計を行うケースと、レジを通さず会計ができるケースがあります。

<セルフレジや自動販売機があるケース>

  1. 利用客は、特に認証等なく入店します。
  2. 商品を選んだ後、セルフレジで商品を通し決済するか、もしくは自動販売機で購入します。

<レジがなく無人決済となるケース>

  1. 利用者は店舗の出入口付近の認証ゲートでスマートフォンをかざし、QRコードで認証して店内に入ります。
  2. 購入する商品は、レジに通さない仕組みです。店内で商品を手に取ると、棚の重量センサーやカメラが商品と数を認識します。商品を戻すと購入商品と見なされません。
  3. 認証ゲートを通って退店後、スマートフォンに登録されたクレジットカードで決済されます。

無人店舗のメリット

無人店舗のメリットは、主に下記があります。

【利用客のメリット】レジ待ちの時間が少なくなる

有人店舗で店員がレジを打つ場合は、店員がレジ袋やポイントカードについての確認を利用客に行い、お金のやり取りも発生します。そのため接客時間が長くなりがちで、レジに列ができるケースも珍しくありません。利用客としてはレジを待つ時間に不満をもつ可能性があります。

レジのない無人店舗の場合、利用客はレジを待つことなくスムーズに買い物が楽しめます。

【店舗側のメリット】人材不足の解消

無人店舗は初期費用こそかかるものの、人材不足の解消につながります。

令和5年版高齢社会白書によると、令和4年の65歳以上の人口は3,624万人、総人口に占める割合(高齢化率)も29.0%となりました。15~64歳人口は、平成7年に8,716万人でピークを迎えてからは減少し令和4年には7,421万人、総人口の59.4%となっています。高齢者も働く時代とはいえ、今後も少子化が進み人材不足の問題は続くでしょう。常駐スタッフを必要としない無人店舗で、人材不足解消を図れます。

参考:令和5年版高齢社会白書|内閣府ホームページ

【店舗側のメリット】顧客行動のデータ収集

レジのない無人店舗の場合は、AIセンサーやAIカメラから、誰がどの商品を手に取り何を戻して何を買ったのか、という一連の購買に関する行動や情報もデータとして蓄積できます。蓄積したデータは、顧客行動の分析に役立てることが可能です。

無人店舗に必要な機器・設備・システム

無人店舗の運営方法によって、下記のような設備・システムが必要になります。

<例>

  • 防犯カメラ・監視カメラ......店舗内の万引きやその他犯罪行為の抑止のためのカメラ。
  • 顔認証システム......顔認証を使って入退室ができる。
  • 入退室管理システム......利用客やスタッフの入退室管理。
  • 商品の陳列棚:AIカメラやAIセンサーを設置した棚で、購入される商品の種類と個数を把握。
  • 自動販売機:食品や飲料の自動販売機。
  • キャッシュレス決済システム......スマートフォン決済やクレジットカード決済の利用。現金でのやり取りを軽減する。
  • POSシステム......決済レジのシステム。
QRコード認証

無人店舗は万引きが起こる可能性が高いため、ほかにセキュリティサービスも必要となってきます。

無人店舗の機器管理、システム管理で重要な取り組み

無人店舗で重要なポイントは、スタッフが常駐していなくても機器やシステムが正常に動作することです。機器やシステムにトラブルを起こさないようにし、万が一トラブルが起こった際に迅速に対応しなければなりません。

機器やシステムを正常に運用するためには、大きく2つの対策があります。

故障・不具合に対処できる体制を整えておく

  • 故障・不具合を報告する仕組み

無人店舗では、利用客が機器・システムの故障・不具合に気づくことも多々あります。不具合発生時にすぐ対処できなければ利用客は商品の購入やサービスの利用ができず、満足度が低下してしまうでしょう。

少なくとも利用客から故障の連絡を取りやすい状況にしておくと、トラブルへの対処は早くなります。利用客を待たせないよう、つながりやすいコールセンターや問い合わせ窓口を設けておくとよいでしょう。

  • 予備の機器の用意、人材の確保

故障に際しては、機器を交換するケースもあります。迅速に交換するためには、予備の機器を店舗内や近隣の場所に用意しておけるとよいでしょう。また無人とはいえ、イレギュラーな事故に対応できる人材を確保しておくことも必要です。

定期点検・保守作業を行う

機器の故障・不具合を起こさないためには、前もって防ぐことも考えなければなりません。そのためには、機器・サービスの定期点検や保守作業が有効となります。比較的利用客の少ない時間帯に、定期的に点検を行いたいところです。

無人店舗での保守点検や不具合対応に必要なもの

定期点検・保守作業や故障・不具合対応を行うためには、機器やシステムを保管できる場所と、対応できる人材が必要になります。

機器やシステムの保管場所

無人店舗では商品の在庫や、故障時の予備の機器など保管場所の確保が必要です。故障時の予備の機器も含めると、どうしても機器は多くなるでしょう。別の場所に機器を保管し、配送できるようにするのもひとつの手です。

問い合わせ対応、定期点検や保守作業の人材

故障・不具合時に問い合わせ対応する担当者や、定期点検・保守作業を行う人を確保する必要はありますが、人手不足という場合もあるでしょう。その場合には、点検や運用をサービスとして提供している企業へのアウトソーシングすることも可能です。

無人店舗の機器の保守・点検をJBサービスがサポート

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